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甘い物は好きですか
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喬への報告を止めたのには訳があった。
第1に、今が移動中ということがある。すれ違う可能性があるから連絡はどこかの店に落ち着いてからにしたほうがいい。
それから第2に――こっちが問題なのだが――紗那自身に積極性がないことだった。
普通、目的地があって迷子になったのであれば、早くそこに行ったり捜索者と合流したいと思うものじゃないだろうか。
そう訴えればこちらも送り届けてやろうと思うが、彼女は甘味処巡りの提案にあっさり乗ってしまった。今も、蒼と由貴奈の「あそこの○○がおいしい」「あの店の○○も捨てがたい」という会話をにこにこ笑って聞いていて、何が好きかという質問に答えたりと楽しそうにしている。あせっている様子は皆無だ。
何か事情がありそうだった。だが知り合ったばかりで、そこまで踏み込んでいいものかためらわれる。
だからなんとなく、連絡が取れたことを紗那に伝えづらかった。
武道伝えで現状を伝えることができたし、いざとなれば彼女を送っていく先も知れた。ここは余計な口は挟まずに当事者に任せるべきだろうと思って前を歩く3人の様子を見ていると、近づく女性が現れた。
「あのー、すみません」
恐縮しつつ、
御巫 時子
は3人組に声をかけた。手元で買ったばかりの夏服の入った袋ががさりと鳴る。
「あの……。さっき、パンケーキのお話されていませんでした?」
買い物に出た時子は足休めをする場所を探していて、見つけられずにいたのだ。
「この辺に猫の形のパンケーキを出しているお店があるって聞いたんですけれど、見つからなくて」
「猫の形のパンケーキ?」
好奇心に、ぱっと紗那の表情が華やいだ。猫は大好きだ。
「その店なら知ってる」
この辺りは自分にとってシマみたいなものと自負する蒼が言う。
「行ったことないと見つけづらいよね。
私たちもそこにしよっか」
そうしよう、ということで、時子を合わせて5人でパンケーキを扱っている喫茶店へ向かう。喫茶店は時子が探していた道とは別の、1本奥の道にあり、外には猫のイラストが描かれた黒板の立看板が立てられていた。
「ここでしょ」
「そうです。ありがとうございます」
黒板に貼られたパンケーキの写真を見て、時子はうれしそうに礼を言う。席につき、人気メニューの猫の形のパンケーキをドリンクとセットで頼んだ。
「ここ、猫がいっぱいなんですね」
店内のいたるところに置かれた猫の置物や写真立てなど、猫グッズの数々を見て、紗那が感心した顔で言う。
「寝子島だからねえ。こういうとこはいっぱいあるよ」
と由貴奈。
「ああ、「ねこ」に掛けてるんですね」
「もしかして、寝子島は初めてですか……?」
ふたりの会話から見当をつけて訊くと、紗那は時子のほうを向いて「そうです」と答えた。
「観光ですか?」
「みたいなものです」
訊かれるのは2度目なので、前より楽に答えられた。それに、完全に間違いではない。主目的は兄の様子を直接見て父親に報告することだがそれはすぐ達成できるし、滞在する2日間はいろいろとこの島を見て回るつもりだった。駅で見送ってくれた父親も「喬に案内してもらえばいい」と言っていたし……。
(……歓迎されないだろうとは思ってたけど、まさか最初っからこんな扱いを受けるなんて……)
ふつふつとこみ上げる怒りに、紗那からにじみ出る負のオーラを感じて、時子は少し迷ったものの訊いてみた。
「何かあったんですか?」
「……兄が迎えに来るはずだったんですけど、現れなくて」
「お兄さんはうっかりさんなんですね」
時子はにっこり笑ってなだめようとしたのだが、思った以上に根は深かったらしい。
「きっとわざとだわ。わたしのこと、嫌ってるから。そのまま帰ればいいと思ってわざとすっぽかしたのよ! 絶対!」
「そんなこと……」
「いいんです、分かってましたから! ……
わたしだって、嫌いだもの、あんな人
」
拗ねているような小さな声で吐き捨てるようにつぶやいて。運ばれてきたパンケーキに「いただきます」と手を合わせてぱくついた。
写真にあったとおり、イチゴやオレンジといったカットフルーツや生クリームにデコレーションされた、かわいらしい猫の形のパンケーキだった。見るからにふんわりとしてやわらかそうで、フォークで割ると甘いにおいが少し強まる。
切り取ったそれを口に入れた瞬間広がったその味に、紗那は目をぱちぱちさせた。
「これ、すっっごくおいしいです!」
「そうですか。よかった」
先までの不機嫌はどこへやら。笑顔で幸せそうに食べている紗那を見て、時子もほっと気を緩ませた。
「いただきます……」
手を合わせてからフォークを取り上げてひと口食す。フルーツのさわやかな酸味とパンケーキ生地のほのかな甘みが生かされた、控えめな味は時子の好みにぴったり合って、とてもおいしく感じる。
見つからないと、あきらめないで探してよかったと思う。
おいしそうに食べている紗那の姿に、ここを教えることができて本当によかった。
食べ終わって、まだ食べられそうだったらもう1軒、お店を紹介してもいいかもしれない。
この近くにあんみつのおいしい店があったはず、と時子は思った。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
寺岡志乃
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年05月29日
参加申し込みの期限
2017年06月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年06月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
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