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甘い物は好きですか
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一方、駅前近くでは。
「この場から移動したということは、お父さんから聞いて、店のことを知ってるのかもしれないわ。もしかしたら店へ向かっているかもしれないから、わたしは店で待つことにする」
何かあったらすぐ連絡をちょうだい、と店へ戻った
密架
と別れた
中山 喬
が、ひとりで妹を捜していた。
密架はああ言ったが、その可能性は低いと喬は思っていた。ここから店まで歩いて30分とかからない。もし店を知っているなら、自分たちが店を出る前に、とっくに着いているはずだった。
何度も電話をかけているが、呼び出し音が鳴るだけだ。お決まりの「おかけになった番号は――」のガイダンスを、もう何回聞いただろう。
待ち合わせは1時。今は4時。
3時間も見知らぬ場所で待ちぼうけさせてしまった。移動していてもおかしくない。いや、それだけならまだいい。もし誘拐とかだったら……。
そんな、途方に暮れた思いが出ていたのだろう。
「そんな思いつめた顔してドシタノー?」
志波 武道
が声をかけてきた。
少し前、彼が横を通りすぎていったことには気付いていた。あのとき持っていた米袋がない。配達を終えた帰り道、まだ同じ場所で立ち尽くしている喬に気付いて、気になったのだろう。
武道と喬はこれまで口をきいたことはない。だが同じ参道商店街の店に下宿する者として、会合や何やかやで顔を合わせる機会は多かった。同じ寝子島高へ通っているため、登下校で同じ道を歩く互いを見かけることもよくある。だから喬も、走り寄ってくる彼がだれか、すぐに察することができた。
「財布でも落とした? 探し物なら手伝うよ」
普段であればうさんくさく感じて閉口するに違いないそのなれなれしさも、切羽詰った今は逆にありがたく感じる。
「……本土から来た妹が、駅前の待ち合わせ場所にいなくて。……どこにいるか、分からねぇんだ」
「あらぁ、すれ違っちゃったか。
店のほうへ向かってるとか?」
喬は首を振った。
「店に現れたら密架が連絡くれる手はずになってる。……あいつ、寝子島へ来たのはきょうが初めてで」
「道に迷ってる可能性が高い、と。なるほど。そりゃ困ったね」
電話もかけているけど連絡がとれない、と話しているところへ、
毒島 虹子
と
仙藤 紫
が店へ続く道の角から現れた。
虹子の姿を見た喬は、ぎょっとなる。
「おまえ、どうしてここにっ!?」
「中山さま、ごきげんよう」
眉間に縦じわをつくって、あからさまに嫌そうな顔をしている喬を見ても全く臆することなく、虹子はにっこり笑ってあいさつをする。
「訪ねていらした妹さまの行方が分からなくなっていらっしゃるとか。大変なことになりましたわね」
「なんでそれを」
「お店で密架さまからお聞きましたの。妹さまの捜索、私もお手伝いいたしますわ」
「頼んでない!! 帰れ!!」
即答だった。
親切を突き返す失礼きわまりない態度だが、もはや虹子にはおなじみでどうということもない。
それに、彼女はとうに気づいていた。喬がこんなにも強く感情をあらわにしてくるのは――それが負の感情であっても――自分だけだということに。
喬の態度を見かねて、以前密架は虹子にこっそり言ったことがあった。
『失礼でごめんなさい。あの子、たぶん虹子さんに甘えているんだわ。虹子さんならどんなに強く言っても受け流してくれると思っているのよ。……あの子には、そういう人が必要なの。彼の言葉に影響されない人が』
だから虹子の笑顔は崩れず、むしろますます強まった。
「頼まれましたのは密架さまですわ。お手伝いしたいと申しましたところ、ぜひとお願いされまして」
「……っ! あの、ばか。よりによって――」
「さっきから何なの、その態度は」
密架にまで悪態をつきかけているのを見て、紫がぴしゃりと先を封じた。
「密架さんも毒島さんも、あなたたちを心配して動いてくださっているのよ。そのことをありがたく思いこそすれ、文句を言うのは間違っているんじゃないかしら」
正論だった。
日付を間違えていたのは自分で、こんな事態になったのはすべて自分のせい。悪いのは喬だけだ。
喬は言い返せず、しかし感情的なもつれから受け入れがたさもあって、複雑な表情を浮かべる。
葛藤している様子の喬に、紫はふうと小さく息を吐いた。
「あなたがあせって、いらついているのは分かるわ。それだけ妹さんが心配なのよね? でも、落ち着いて。今は妹さんについて教えてちょうだい」
「……ああ……」
「あ、そーだ。そのスマホに妹さん撮った写真データなんか入ってない? 外見が分かったらそれだけ捜しやすいっしょ」
さっそく一斉メールで人海戦術による動員をかけようとしていた武道が、思いついた顔で訊いてきた。
「ない」
「そか。んじゃ、特徴教えて? 髪は? 顔は? 目立つとこにほくろとかない?」
「お洋服はどうですの? 紗那さまはどのようなお洋服を好まれるのでしょう?」
ふたりからの質問に答えようと、最後に見た紗那の姿を思い出そうとしながら喬は考えた。
自分は、心配なのだろうか? 紗那のことが?
疑問符が付くのは、彼女についてあまり知らないからだ。
(あまりというか、全然だな。何しろまともに口をきいたのは1度もなくて、向こうから声をかけてきたのは
あいつ
があんなになったあとの病院――)
『この化け物!!』
突然、今耳元で叫ばれたようにはっきりと、あのときのことがよみがえった。
『全部あんたのせいよ! あんたさえいなかったら、あんなことにはならなかったんだから!
死ぬならあんたのほうでしょ! なんで生きてるの! 返してよ! お母さんをわたしたちに返して!』
長い髪を振り乱し、憎悪と殺意にぎらぎらした目で涙を流しながら、緊急搬送された病院の廊下で紗那は喬を殴り続けた。
もう彼女がつける余地はどこにもないくらい、あのときの喬は身も心もずたずたで、傷だらけだったのだけれど……。
白くて細い腕。色鮮やかな花柄のワンピース。彼女は、赤やオレンジ、黄色といった色彩を好んだ。
ずきん、と頭が痛む。
ふたりの質問に、自分が何と答えたか分からなかった。
武道は喬から聞いた答えを書き込む。
「腰まであるストレートの長い髪、っと」
「髪はあまり特徴になりませんわ。女性は髪形をよく変えるものですもの。結い上げているかもしれませんし、パーマをあてたりカラーを入れたり、エクステしたりもしますわ。夏が近づくとカットもします」
「あー、なるほどなー。
んじゃ、あと、どっか行きそうなとこ」
武道が付け足す声に、はっと現実に立ち返る。
「え?」
「妹さんが立ち寄りそうなとこ。この辺店多いし、『memoria』行く前に寄り道してるかもしれないっしょ」
「ああ……そうだな。……たしか、甘い物が異常に好きだって、聞いた気がする」
「甘い物ね」
情報を打ち込むことに気が行って、自分の妹のことを言うには少し不自然なその言葉に、武道は気づかなかった。が、もちろん虹子が見落とすはずはない。
(……あれはもう終わったことだ。今じゃない)
ずきずきと痛むこめかみ。冷たくなった両手の感覚を取り戻そうとするかのように、握ったり開いたりする喬の様子を興味深く観察していた虹子には、喬が今、正常な呼吸を保とうと意識を集中していることも分かっていた。
(パニック発作、でしょうか。そのような持病をお持ちとは、意外でしたわね)
彼をここまで動揺させる妹に、がぜん興味が沸いてきた。案外、ウィークポイントを握ることになるかもしれない。
内心ほくそ笑んでいる虹子の前、紫と武道は喬を励ましていた。
「中学生なら十分自己判断ができる歳よ。おなかが空いて、『memoria』へ行く前にどこかで食事をとっている可能性は十分あるわ」
「そーそー。気にすんなって言っても無理だろうけど、あんま、気に病むなって」
ぽん、と武道が腕をはたいたところで、メールの着信音がする。
「お、さっそくか」
それらしい少女を見かけたという目撃情報だった。写真がないから確証はないが、旅行カバンみたいな大きめのカバンを両手に持って、ふらふら歩いていたという。
「30分くらい前だから無駄足かもしれんけど、行ってみる価値はあると思うぞ」
「そうしてみる。その……ありがとう」
最後、言いにくそうに付け足す喬に、これくらいなんでもないとからから笑って、武道は3人と別れた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
寺岡志乃
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年05月29日
参加申し込みの期限
2017年06月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年06月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
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