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■芸術は個にあらず。美しさも素晴らしさも、そう述べる人々によって完成するのだ。
アーティストが今も町中をアートに包んで回っているのは、誰もが巧みな技術でケーサツの手を逃れているから……というわけではない。
中には天才的なアートスキルがあるけど逃げる力はまるで無い、なんてアーティストも多いのだ。と言うか大半がそうである。
特に没頭型のアーティストにその傾向は強かった。
「…………」
アーティスト、
三宅 葉月
。
キャリーケースを転がして、灰色一色に染められたビルの前に立った。
森の精霊めいた雰囲気をもつ彼女の手には魔法の杖ならぬ、改造エアブラシが握られている。
「ここでいいわ」
葉月の作風は誰が見ても彼女だとわかるようなタッチと世界観で統一されていた。
今回描いているのは壁一面に広がる草原である。
時として大樹を描いたり、床から大きな森を見下ろすような絵画を描いたりと様々だが、全てが幻想的で、かつ神話的なタッチでできていた。
エアブラシで描く彩りの妙。
下書きやアタリをつけることなく即興で素早く描き上げるせいで、彼女がアートを生み出している姿を見る者は非常に少ないとも言われている。
ある朝目覚めたら家の塀が恋物語の舞台になっていたり、倉庫から出てきた電車の壁が豊かな森に変わっていたりだ。
しかしもし目撃することがあるなら、描く姿に心奪われることだろう。
妖精のいたずら。ないしは精霊のたわむれ。
まるで世界がその場だけ切り離されたように、呼吸すら忘れるほどの集中力でアートを描いていくのだ。
そしてそれは、彼女自身の弱点でもあった。
「やっと見つけたぞ。
三宅 葉月
だ……」
物陰から様子をうかがっていたケーサツが、手錠を手に身を乗り出す。
対して葉月は、背後までケーサツが迫っているというのにまるで気づくこと無く作業を続けていた。周囲の音や光すら、アートを描く葉月にとっては関知の外なのである。
だが、しかし。
「ケーブ、なにをしているんです」
手錠をかけようとしたケーサツが、ぴたりと固まったまま動かないのだ。
葉月の描く絵画に、そして描く葉月の姿そのものに見とれ、心をとらわれてしまったのだ。
部下に背を叩かれ、ハッと首を振るケーサツ官。
気を取り直して葉月に手錠をかけようとした、その時。
明後日の方向から電撃が浴びせられた。
しびれてひっくり返るケーサツたち。
そこへワンボックスカーが割り込むように停車。窓が開いて葉月へと呼びかけた。
「見事なアートね。逃げるわよ」
逃がし屋、
椎井 莉鳥
である。
椎井 莉鳥
はアーティスト界隈でも有名な逃がし屋である。
作業に没頭すると逃げることすら忘れがちなアーティストたちにとって、全力で身の安全を守ってくれる存在は心強く、ゲリラアートの際事前に彼女へ同行の依頼をする者も多かった。
そんな彼女は、自分をアートとはほど遠い人間だと評価していた。
絵画を基礎ほども学ばず、楽器の一つも演奏できず、ひどくクールで芸術や芸能といったものの対極に立っているようですらあった。
しかしそんな彼女が『アーティスト専門』の逃がし屋となったことには、あるワケがあった。
それは莉鳥が『ただの逃がし屋』だった頃のこと。
ちまたで噂のアーティストからの依頼を受けることになった。
名を
花椿 涼太郎
。絵も描かなければ歌も歌わず、その身一つで現われることをアートと呼ぶ不思議な人物である。
と言っても……。
「これがアート?」
莉鳥が仕事のついでにと運ばされたのは大量のポスターであった。
広げてみると、涼太郎がバラの花をつまんで流し目を送っている写真がでかでかと印刷され『美しさという、罪』とか書かれていた。
「……選挙ポスター?」
「ノン、アートさ」
指をチチチっと振って笑みを浮かべる涼太郎。
彼は現場へ到着すると、ポスターをひとかかえしてアスファルトの大地へと降り立った。
配達業者の帽子と制服を纏い、黒縁眼鏡で変装し、つばをつまんで振り返る。
「見ていてごらん、いまに町が美しさでいっぱいになるよ」
莉鳥が見たのは魔法だった。
アートという魔法だった。
最初は都知事選挙のポスターが一つ残らず『花椿涼太郎に美しき一輪を!』に変わっていた事件から始まり、あらゆる学校の掲示板、都内の電柱、スクランブル交差点の中央、牛丼屋チェーンの券売機……とありとあらゆる場面と場所に涼太郎のナルシズム前回の顔が貼り付けられたのだ。
はじめこそただのイタズラとして扱われ、じきにタチのわるいイタズラとしてとらえられ、やがて『涼太郎ポスターを見つけたらラッキー』といった都市伝説的存在へと昇華した。
人々は涼太郎のポスターを見つけた情報をネットで交換し合い、時として回収されたポスターに高値がつき、タワーから涼太郎ポストカードがばらまかれた日には平日の昼間だというのに町が熱狂の渦に巻き込まれたほどである。
どころか涼太郎のマネをして自分の写真をそこらじゅうに貼り付ける人々が続出し、写真の掲示はアートではないという理由からケーサツたちも捕まえることが出来ずにいた。
いわゆる情報ミーム感染と呼ばれる現象で、涼太郎は『自らをアートとする』という概念を人々に植え付けたのだ。
「こうなることが分かってたの?」
いつものように涼太郎を車で逃がしながら、莉鳥は涼太郎に問いかけた。
クマの着ぐるみを脱いで汗をぬぐい、涼太郎は爽やかに笑った。
「なにがだい?」
「自分の顔写真が都市伝説になるってこと」
莉鳥はそう言葉を重ねたが、涼太郎はピンときていないようだった。
「僕は伝説なんかじゃあない。世界中の人々にただ伝えているだけさ。『僕はここにいる』……ってね」
どこからともなく取り出したバラの花をうっとりと見つめる。
「僕が美しいことで、僕の周囲の人々は幸せになれる。けれど世界中を幸せにするには、ちゃんと伝えるしかないのさ。僕がこの世界にいるから大丈夫だよって」
「そんなこと、誰かが望んだの?」
「望まれたからやるんじゃない。僕がそう決めたから、やるのさ」
「……」
莉鳥は口を閉じた。
涼太郎は確かに容姿の整った少年だ。しかし見る者を問答無用で幸福にするほど美しいわけではない。
けれど事実として、涼太郎のポスターは人々を熱狂させ、活気づかせていた。
町のショップなど『取り締まることのできない無敵のアート』の象徴として涼太郎のポスターを店頭に貼り付けているほどである。
「確かに……」
確かに、美しいのだ。
美しすぎるほど美しい、それは無敵の生き様であった。
人間としてのアート。存在としてのアートである。
ひとの生き様すらアートになるというのなら……。
「私にだって、できるかもしれないわね」
ケーサツ車両がサイレンを鳴らして追いかけてくる。
莉鳥は口の端だけで笑うと、ギアレバーを操作してアクセルを限界まで踏み込んだ。
猛スピードで走り出すワンボックスカー。
たまたま設置された鉄板をジャンプ台にしてガードレールを跳び越え、別の道路に移ってケーサツ車両をまく。
正面から応援のケーサツ車両が接近するが、莉鳥は表情一つかえずにハンドルを操作。
車体を斜めに傾けると、ケーサツ車両の間ギリギリをすりぬけていった。
「わお、実にアーティスティックだ」
着ぐるみを脱ぎ終えた涼太郎が、後部座席で拍手をした。
「美しい僕を美しく逃がす……。君もまた、僕というアートの一部になっているんだ」
「喋ると舌噛むわよ」
莉鳥はそっけなくそう言って、口の端だけで笑った。
その日からアートは、彼女の生き様となった。
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3人まで
シナリオジャンル
コメディ
冒険
バトル
定員
10人
参加キャラクター数
9人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年05月31日
参加申し込みの期限
2017年06月07日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年06月07日 11時00分
参加キャラクター一覧
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