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メリーさんの思い付きでお散歩、なの
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薄暗い各所で呻き声が聞こえる。何人かは俯せに倒れて動きを止めていた。駆け付けた人物達が迅速に処理を進める。
その様子を尻目に
刻人・F・ミセリア
は林道へと踏み出した。
オーマ・トンノ
は巨大な影のように付き従う。
「お仕事をこなすのはいいんだけど、どうして血腥いことになっちゃうのかなー」
刻人は大きな独り言のあと、ちらりと後ろに目をやる。オーマは見下ろした姿で一言も口にしなかった。わかっていたよ、と目で語り、刻人は道なりに下っていく。
木々の合間から差し込む月明かりが行き先を照らす。夜目が利くのか。二人の歩行に乱れはなかった。
刻人はカジュアルなジャケットにスラックスを穿き、明るい色調で揃えていた。
オーマは黒い薄手のコートに同色のデニムを合わせる。目深に被ったテンガロンハットに手をやり、鍔を上向きに修正した。
「あー、ムシムシしてきた。なんでこんな時間に歩いて帰らないといけないのかなー。処理班の車で一緒に帰れば、こんな思いをしなくて済んだのにー。大体さー、誰かが無茶しなかったら今頃はマンションのベッドで夢の中だよね」
刻人は泣き言のあと、わざとらしく蛇行しながら歩く。オーマは鋭い眼で動きを見ていた。蹴りのタイミングを計っているようだった。
「オーマがグロテスクなことをしちゃったから、しばらくはステーキをレアで食べられないよ。もう、赤いのがチラッと見えただけでダメだね」
愚痴はとどまることを知らない。
「あー、本格的に身体が熱くなってきたよ。どこか涼しいところに行きたいなー」
両腕をだらりと下げて蛇行を続ける。オーマの右足が不自然に浮き上がった。直後に下ろして歩みを続ける。
刻人の背後におかっぱ頭の女の子が出現した。着物姿で腕を振って歩いていた。その無防備な背中をオーマは黙って睨み据える。右の拳を固めた瞬間、左手から声が聞こえてきた。
「夜のお散歩もたまにはいいの」
茶色い眼が瞬時に横を見る。女の子は平然とした様子でスキップをしていた。
「あれ、メリーちゃんじゃないか。お久しぶりだね」
「お久しぶりなの。歩くのが辛いのなら、どこにでも好きなところに瞬間移動してあげるの」
女の子は胸を張ってトンと叩いた。その声を受けて刻人は木々の合間の空を眺めた。
「涼しいところが希望なんだけど、オーマはどこか行きたいところはあったりする?」
「そうね。私も涼しいところがいいかな。可愛らしくてナイスバディーなメリーさん、お願いできるかしら」
以前と同じように
寡黙なオーマに代わって女の子が好き勝手に喋る。
刻人は苦笑いで口を挟んだ。
「メリーちゃん、アフレコはまた今度ね。今はオーマの好きそうなところで頼むよ。それに涼しいと僕が嬉しい」
「わかったの。二人はもう少し近づくの」
刻人とオーマを横に並ばせた。自身は後ろに位置して二人の背中に手を触れる。
一瞬で視界が切り替わった。
オーマの赤茶けた長い髪が自然に広がる。風の吹く方角に顔を向けた。微かに波の音が聞こえる。
「風が磯っぽいね。波の音がするし、崖の突端にでもいるのかな。こっちには木が生えて山みたいだ。でも、場所がよくわからないなー」
刻人は近場をうろうろと歩き回る。オーマの視線に気付いたのか。人の好い笑顔を見せた。
「なーんてね。こんな時に威力を発揮するんだよね。GPS付きの携帯電話が」
陽気な声で携帯電話を操作する。画面に映し出された地図に顔を近づけた。オーマは鋭い視線で黙って見ている。
「なるほど、涼しいはずだよ。ここは青森県なんだね。もう少し詳しく見ると、大間って表示されたよ」
刻人はオーマに画面を見せ付ける。動じることなく、巨大な体躯で受け止めた。
「ま、わかってたことだけどね。ここで何して遊ぶ?」
女の子とオーマに視線を送る。刻人は崖の先端に立ち、涼しげな顔で下を覗き込む。真顔で目を細めた。
「かなり下の方に波飛沫が見えるね。目算で十数メートルって感じかな。安っぽいドラマで追い詰められた犯人が飛び込んだりするんだよね」
何かを思い付いたのか。刻人は笑顔で二人に振り返る。
「皆でドラマの一場面を演じてみようよ。別に難しいことじゃない。よくあるゴッコ遊びだよ。メリーちゃん、どうかな」
「アフレコだけではないことを証明してみせるの」
「賛成ってことでいいんだよね。オーマにも聞くけど、どう? 無言は了承と受け取るからね」
オーマは一睨みして真一文字に口を結ぶ。刻人はにんまりと笑った。
「決まりだね。この状況なら崖を利用しないと。そうなると刑事ゴッコかな。二人の刑事が犯人を崖まで追い詰めるシーンなんかが定番だよね。配役なんだけど、オーマは絶対に刑事役だよね。犯人が喋らないと話が進まないし。僕も刑事役かな。花形の犯人はメリーちゃんにお願いするよ」
「任せるの。犯人の罪の内容はどうするの」
「それらしいアドリブで構わないよ」
三人は木々の中に入った。女の子が真っ先に飛び出した。その後を二人の刑事役が追い掛ける。
女の子は崖の先端で立ち止まる。プルプルと震えて無表情で振り返った。
「こ、来ないで!」
「あれ、語尾に『の』が付いてないんだけど」
軽い驚きで刻人の表情が素になる。隣にいたオーマが相棒の脛の辺りを軽く蹴った。
「わ、悪かったって。もう、逃げられないぞ。大人しく捕まって罪を償うんだ!」
「……罪ですって。ふざけないで! 私はあの男に十年も監禁されたのよ」
「え、それは年齢的に無理が」
オーマに足を踏まれた刻人は奇妙な笑みで押し黙る。女の子は無表情で台詞を続けた。
「私の天性の愛らしさのせいだとしても、そんな暴挙は許されないわ。だから、私はアイツの一瞬の油断を見逃さなかった……包丁で心臓を一刺しにしてやったわ。ようやく自由になれた。その行為のどこが悪いっていうのよ!」
「どのような理由があっても人を手に掛けたことに変わりはない。今なら遣り直せる。こちらに来るんだ」
刻人は優しい声でじりじりと近づく。オーマは直立の姿勢で一歩を踏み出した。
女の子は二人の動きに合わせて限界まで下がる。ちらりと崖に目をやった。
「私は罪を償わない。そんなことをするくらいなら!」
女の子は正面を向いたまま、後方に跳んだ。小さな身体は背中を引っ張られるように夜の海に落ちていく。
刻人は笑った。瞬時に顔を戻して崖に駆け寄る。オーマは表情を崩さず、その場で待機した。
「そこまでやるとは思わなかったよ」
戻りそうになる笑みを抑えつけて刻人は黒いうねりに目を凝らす。
「迫真の演技とはこういうことなの」
隣からの声に刻人は即座に反応した。顔を向けると女の子が海を覗き込むような姿でしゃがんでいた。
「メリーちゃん、びっくりしたよ。本当に落ちたのかと思ったじゃないか」
「名女優が過ぎたの」
ぺこりと頭を下げる。無表情で反省した女の子は崖を離れた。オーマの横に並んで刻人に言った。
「睡眠不足はお肌に悪いの」
「もう、そんな時間なんだね」
来た時と同じような位置に就いた。オーマは黒い海を眺める。吹き付ける潮風を胸いっぱいに吸い込んだ。
二人は街中に立っていた。見慣れた光景に刻人が、ああ、と声を出した。
「僕のマンションがあるシーサイドタウンに送ってくれたんだね。その本人は、もう帰っちゃったみたいだけど」
刻人は歩き出す。オーマが横に付けた。
「それにしても、崖のシーンは色々な意味で危なかったね。オーマもそう思うよね」
通常と同じく、無反応であった。刻人は笑いを押し殺す。
「僕達が刑事役とか、笑えるよね。本当は悪なのに」
歪めた表情で刻人は歩く。急にオーマの方に顔を向けた。
「たまに心配になるんだよね。オーマって立ったまま、寝てたりしない? 夢遊病者みたいに本当は今も寝てたりして」
試すかのようにオーマの眼前で手を振る。
「オーマ、起きてるー? 元気かー?」
脛への一撃で眠っていないことを証明した。蹴られた刻人は片足で跳ねる。
「痛いよ、オーマー」
軽く文句を言いながらも二人は揃って帰っていった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
黒羽カラス
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
冒険
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年05月26日
参加申し込みの期限
2017年06月02日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年06月02日 11時00分
参加キャラクター一覧
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