らっかみ桃太郎伝説２　宇宙オーガ襲来の巻｜リアクション

らっかみ桃太郎伝説２　宇宙オーガ襲来の巻

■銀河桃太郎伝説
　むかしむかし銀河の果てに、宇宙おじーさんと宇宙おばーさんがおりました。
　おじーさんは宇宙デブリ刈りに、おばーさんは宇宙川へ選択に出かけました。
　スペースコロニーで秒速数千というペースで付着する重力汚染を取り除くには宇宙風に放り込むのが一番だからです。一つ一つ工場作業でフォーマットしていくコストを考えると宇宙洗浄という作業はおじーさんのデブリ除去作業と同じくらいに大事なことなのでした。
　そんな時です。川の上流からどんぶらこどんぶらこと……。
「ヒャッハー！　略奪だ！」
　宇宙鬼たちの改造宇宙船が流れてきました。
　おばーさんの小型船舶など衝突のショックで爆発四散し、装甲の表面についた僅かな汚れにしかなりません。
　そんな汚れですら船体表面のナノリアクティブ装甲板ごと剥離し宇宙の塵と消えていくのですから、宇宙とは諸行無常なところなのでした。
　そんな宇宙鬼の改造宇宙船の統合司令室には、船内での自給自足に耐えうるマタープラントの稼働状況や化学反応によって良好な大気を循環させるバイオフィルターの状況が逐次表示されています。
「ボス、次の星が見えて参りました」
「うむ……」
　黄金の玉座に腰掛け、鬼の仮面を被った男、新田亮。
　彼はウィンドウを開いて船内の奴隷民衆を見下ろしました。彼らは宇宙鬼が侵略した星々の生き残りであり、鬼たちの労働力として補角された宇宙奴隷です。
　彼らを見下ろし、亮はただ一言こう述べました。
「ＯＧ（オーガ）をたたえよ」
　民衆の『Ｏ・Ｇ！　Ｏ・Ｇ！』という声を途中で遮り、浄化水を滝のように浴びせてやる亮。
　そして彼は次なる目標地点を映像に出すよう指示しました。
　大きな立体スクリーンに映し出されたのは蒼く美しい星。
　その名を、地球といいました。

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