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【お花見】しづ心なく花の散るらむ
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ドラムラインに誘われ袖からステージへ入る。それは、薄暗がりから晴天の屋外へ飛び出すことに等しい。
ぱっと明るくなった。瞳の虹彩が、まばゆいものを吸収しているのがわかる。
獅子目悠月は定位置についた。オルカ・ヴィヴァルディも同じだ。互いに、リハーサル時と数センチもずれていないだろう。
オルカがきっかけとなる掛け声を発する。悠月も合わせる。
ふたつの声がうねりとなり、歌声となって流れ始めた。
観客がすべて、自分たちの音楽の聴衆でないことくらい悠月もわかっている。
いや、聴衆などほんの一握りだ。他の演し物を待っている人、花に気をやっている人、飲食のため休んでいるだけの人がほとんどだろう。
だからこそ、やりがいがある。
彼らが披露する楽曲はわずか二つだ。
一曲目は音楽を楽しむ気持ちを歌いあげるもの、分厚いコーラスからはじまり、印象的なリズムを帯びながら、天翔るような伸びやかなトリルが何度も出てくる。好天のこの日には、まさしくぴったりの曲だった。
ライティングは赤強めの紫に白のストロボ、ボトムの強いベース音、ステージにたちまち花が咲いた。
滝の真下にいるような、力強いコーラスが二度目にさしかかる。
何の関心もない人も引き込んでみせる、その意気込みが、本来の歌詞になりメッセージとなって悠月の喉よりほとばしり出た。
さあ、見ろ、聞け
今見るべき花は 此処だ
ああ~悠月浮かれてるな~。
最後のリフレイン直前、間奏の間にオルカは小さな笑いを漏らしていた。
悠月がアドリブをすることなど滅多にない。それを聴けたのだ。彼の興奮が伝わってくるようだ。手で直接、心臓を握られたような気分だった。
オルカがちらりと悠月に眼を向けると、悠月もこちらに目線を送ってくれた。
はは、これは求められてるね~。
ぞくぞくと込みあげてくる衝動を抑える。どうやら悠月は、さっきのに匹敵する表現をやれと挑発しているようだ。
いいよ、とオルカは眼で返事した。
Non c'e` problema.
ちゃんとノッてあげるよ。
本来歌詞のないパート、徐々にヒートアップしていく間奏のメロディに合わせて突然、悠月は即興のスキャットを入れた。
何百回と聴いてきたこの歌が、これでたちまち新鮮なものに変わる。
ならば見せるまで。オルカはステージ中央にむけ跳んでいた。
足を蹴り上げ、宙に舞う。踊る。ここからは完全なアドリブだ。
まるで剣の舞、失敗すれば命にかかわる賭だった。悠月がどうスキャットするかで、オルカはダンスの方向性も振りも変えねばならない。どちらかがとちればそれでたちまち、無様になりえるシチュエーションだ。
なのになぜ、
なぜ、
これほど気持ちがいいのか。
剃刀のように切れのある回転でオルカはダンスを締めくくった。
顔を上げると前列の客はもう総立ちだ。よそ見している人なんていない。
目に見え、手に触れるほどの熱が、塊となって客席から押し寄せてくる。オルカは目を見張った。
しかし最大級の熱量は、ステージ上、自分の真横にあった。
悠月――!
いつの間にか悠月もオルカの真横、半歩も踏み出せばステージから落ちるほどの前方にせり出していたのだった。
もっと来いよ――と悠月が客席を、そして自分を煽っているのがわかる。
よし、ここからが最後の、最も印象的なサビのコーラスだ。
オルカは艶やかなハイトーンで歌い上げた。
煽られた分煽り返してやる、この熱を、この最高のボルテージで巻き込もう!
曲が終わったとき、オルカは汗でびっしょり濡れていた。
隣を見ると悠月が、ほぼ同じ状態で荒い息をついている。やりきった、という笑顔だった。
満場の拍手につつまれた悠月は控え目に、
「聴いてくれてありがとう」
と告げてオルカを見た。MCは任せる、ということらしい。
まだ息も切れ切れだが、オルカは悠月の肩に腕を回し、空いたほうの腕を上げた。わっと歓声が昂ぶる。
キザなMCというのはどうも慣れない。自然体でいこう、とオルカは決めていた。
「バレンタインのステージで見たよ~、って人もいるかもしれない。けど、初めての人が多いと思うから、今日を楽しんで。花見の楽し~い記憶と一緒に、俺達の記憶も持って帰ってほしいな」
こんなのでいい? と問うように悠月を見た。
いいに決まってる、と言うように、悠月が笑顔で頷いた。
「二曲目、これが最後の曲だよ」
もっと聴きたい、と惜しむような声が上がった。歌い手冥利に尽きるねと微笑むと、オルカは舞台上手に、悠月は下手に移動した。
春らしい、新しい始まりの曲、そのイントロが流れ出す。
しんみりと終える気はなかった。フェスティバルの一日はまだ続くのだから。
明るく軽やかなユニゾンからはじめ、つい一緒に口ずさみたくなるような、素敵なメロディでふたりは会場を包んだ。ピンクと黄色のライティングも、春をイメージさせるものがある。
やがて転調し終盤にさしかかると、もう一度悠月とオルカは、ステージ前方にせり出すのである。
咲き誇る桜に負けないくらい大きな花を咲かせて、心に種を植えるつもりで歌おう。踊ろう。
豪雨のような喝采を浴びながら、手を取り合ってふたりは一礼した。
アンコールを求める声援は、いつまでも止まなかった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
117人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年05月20日
参加申し込みの期限
2017年05月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年05月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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