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【お花見】しづ心なく花の散るらむ
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転がりたい感じ。
転がって……そして跳ねたい感じだ。それこそウサギみたいに!
「お花見だわーい!」
太陽は明るい。人生も明るい。素晴らしい桜だ! 輝いて見える、世界が!
浮かれるなと言っても無理! 今の
卯木 衛
はきっと、百キロのバーベルをくくりつけても浮かび上がってしまうことだろう。
「はしゃぎすぎだろ~」
まもるってば、もう、と、
立花 なつ
はいささか呆れ気味に言うのである。衛のぴょんぴょんぶりにはきっと、なんらかの理由がありそうだ。後で問いたださねばなるまい。
「ところでなつくん、その荷物まさかお弁当?」
「まさかもなにも、お弁当に決まってるだろ~。早起きして作ったし、ちょっと豪華なんだよ~」
「ワオそれは期待大!」
と、待ち合わせ場所で衛となつが話しているところに、
「重い……」
声の質からしてすでに、ヘビー級のうめき声が聞こえた。
「重い……飲み物……重い……もう駄目だ……」
千歳飴 楓子
なのだった。両手に一杯ビニール袋を提げている。ちょぷちゃぷ音がするのは、ドリンク類がたっぷりだからに違いない。よっぽど重いのだろう。足が地面にめりこみそうに見えた。
「楓くん!」
「かーちゃん!」
男子二人は同時に気がつき、先を争うようにして彼女の元に馳せ参じるのだった。
「ふう。疲れた」
重荷から解放されて楓子は晴れやかな表情をしている。
「飲み物の買出しを任されたは良いが、それを花見の席まで持ってこなければならないというのを忘れていた」
敷物の上に楓子はぺたっと座ると、
「さてなつ氏、お弁当を出してくれ」
キリリといい顔をしてそう告げるのである。
「今日もいい天気で良かったねぇ……え、お弁当? はいはい」
いそいそとなつは従う。
広い公園の花見スポット、なつが持参の弁当箱を開くと、ここにも鮮やかな花が咲いたのだった。
「はりきって若干作りすぎたから、二人ともいっぱい食べてね」
桜でんぶをまぜたおにぎり、目に鮮やかな黄金の卵焼き、肉汁がほとばしりそうな、ぷりっぷりに灼かれたハンバーグ……ウインナーは定番のタコさんのみならず、季節先取りの鯉のぼりやロケット型に切られており楽しい。
「りんごはうさぎにしてみたよ。まもるをイメージしてみたんだ~」
卯木衛の『卯』から連想したというわけだ。丁寧に切り揃えたばかりかやや耳の部分が浮くようにして、元気なウサギを演出している。
「このブロッコリーは花束か?」
楓子が訊く。
「そう、小口に切ってハムでふわっと巻いて、花束みたいにしてみたんだよ。お花をモチーフにしたのは……」
「わかった。『立花なつ』から『花』をイメージしたというわけか」
「ご名答。ありがとう」
もちろん『千歳飴楓子』の『楓』もある。人参を型抜きして、楓の葉状にしたものだ。
「なるほどなるほど、これはいい」
すぐにそれと気づき、楓子はフフフと笑うのである。
「期待にたがわぬ完成度だな。これを楽しみにこの一ヶ月生きてきた」
このとき楓子は弁当しか見ていない。頭上の桜を見上げようともしないのである。
「まったく楓くんはまた適当なこと言ってー」
という衛の指摘もなんのその、
「これは美味しそうだ……いただきます」
ぱっと手を合わせ楓子は箸を取る。
「弁当だけじゃなくちゃんと桜もみろよー。ほら! なんか今年の桜は特に綺麗じゃねえか? 輝いて見えるだろ!」
「桜? ああ、綺麗だな」
すごくテキトウに相づちを打っているのが衛にはわかった。
「風情がないよなあ、もう」
まったく、と言葉こそボヤいてはいるものの、衛もかなりの上機嫌だった。
「いい花だなー」
美しいものを見れば思いだしてしまう。
彼女を……壬生由貴奈を。昨日衛と由貴奈は、単なる後輩と先輩というラインを超えた。
ふたりとも弁当を喜んでくれているので、なつとしてはとりあえず一段落ついた気持ちだった。
思わず欠伸が出てしまう。
「なつ氏、眠いのか?」
もぐもぐとハンバーグを平らげてから楓子は言った。
「ああ、まあ春だし、お弁当作るために早起きしたから……」
「そうか、それはご苦労だった」
「かーちゃんが買い出ししてくれて助かったよ。ありがとね」
「なに、気にするには及ばんよ。おかげで一段と弁当が美味い」
それにしても、と、今度はおにぎりに手を伸ばして楓子は言う。
「衛氏今日はやけに浮かれてるな」
「かーちゃんもそう思う? ねえまもる、そろそろ言ってもいいんじゃない? その浮かれっぷりの理由」
「ん……? あーそんなに顔に出てたか?」
ぐっと茶を空けた衛は照れくさげに、
「まあその、やっと春が来たというか」
「春? 春はとっくに来ているだろうが」
「いやかーちゃん多分そういう意味じゃなくてね……って、まもるもじらさないで白状しちゃってよ~」
「まあ、楓くんやなつくんには絶対そのうち言うもんな……よし、報告しておこう」
コホンと咳払いして衛は明かした。
「いやー……実は昨日、人生で初めて恋人ができました!」
おおっ、という反応を受けて、
「二人とも会ったことあったっけ? 今年寝子高卒業した由貴奈さんって人なんだけどな……すっげーかわいい、ってか、いや、顔は美人系だしキレーなんだけど笑い方とかかわいい人でさ、俺が告白して、昨日返事もらえたんだ」
もうこうなると衛を止められるものは何もない。ハムスターが回す車輪のように、くるくると衛の言葉は続いた。
「それがまあ、わかると思うけど、良好な結果になったわけで、思い返してもすっげー幸せだなー……って」
衛は思わず詰まってしまう。
楓子が、はたと箸を落としたのである。
「なんと……!」
彼女は、絶句している。
「なんで楓くんがへこんでんだ!?」
「衛氏が大人の階段をのぼってしまった……寂しい」
ふっと楓子は視線を落とすのである。箸を拾うこともせずに。
「……衛氏のことは幼い頃から狙っていたというのに……ぐすん……」
しかも袖で目元を覆って、さめざめと泣き始めたではないか。
「どうした? なつくんの弁当以外のもの拾い食いしちゃったのか? 寂しいって……後に続く言葉のせいで説得力がねえぞ」
「なんだ、ばれていたのか」
袖を話すと楓子はケロリとしていた。箸を拾ってウェットティッシュで拭うと、再びわっしわしと弁当を頬張りはじめる。
「年上美人の彼女とは結構だな。おめでとう」
「先輩とかやるじゃん~。おめでと~幸せそうだなあ」
「へへ、ありがとー」
「ただ、その浮かれっぷりはどうにも目に余る。彼氏いない歴イコール年齢の楓子の前でそれはあんまりという物だ。なあなつ氏?」
急に楓子に話を振られるもなつは動じない。むしろその問いを待っていたとばかりに、
「かーちゃん彼氏欲しいの? じゃあ俺とかどーお?」
冗談めかしてはいるものの、結構、本気だ。ところが楓子も慣れたもので、
「あーはいはい、またそんな軽口を……」
と告げひょいひょいと手を振るのである。
「うーん、やっぱり冷たい反応。もっと意識してくれてもいいよ」
口調こそ軽いが、ちゃんとなつは楓子に向き直っている。正座までしている。受け止める準備はOK、という体勢だ。
「っと、そういえば真面目に考えると言っていたな」
「言っていたとも~」
「……ふーむ……いや忘れてないぞ。ほんとほんと」
「本当かなあ」
「げふー。あーコーラ美味しい。……む。飲み物がなくなってしまった」
やれやれ、となつは内心溜息をつく。うまくかわされているような気がした。
なにこの丁々発止!? なつと楓子のやりとりを眺めている衛は、自分は第三者だというのに、いや、第三者だからこそ、膝が震えそうになっていた。
――楓くん、なつくんの気持ちを知っていてそれはないだろうお前ぇ……。
そして、
――なつくん強ええええなあ。
そんな気持ちが交互に口から出そうになる。
クールすぎるほどクールな楓子の表情からは、どこまでがジョークでどこからが本当かさっぱりわからないけれど、少なくともそれなりに脈があるような気はするのだ。確信はないけれど。
けど、二人が幸せになってくれっと嬉しいから応援してっぞなつくん!
と心で告げて、衛は立ち上がった。
「しょーがねえな、コーラか? いま追加で買って来るよ」
あれだけ用意しておいてもうないとは凄まじい話ではある。だが、なつと楓子を二人きりにするにはちょうどいい口実ではあった。
そのままなつの返事も待たずに衛は場を離れた。
「んー? まもる、俺はお茶のほうが……あれ行っちゃったよ?」
なつはしばしらく衛の背を見送っていたが、やがて彼の意図に気がついた。
できる子だなあ、と思う。年上の彼女を作ることのできる男というのは、ああいうタイプに違いない。
「かーちゃん」
なつは楓子に向き直った。
「何だ?」
「さっきの話だけどさ」
「ブロッコリーの花束の話か?」
「どこまで戻ってるんだよ。まもるに彼女ができた話~」
「ああ、そっちか」
かーちゃんは冗談っぽく言ってたけど、という前置きは心の中にとどめて、
「俺も寂しいのかなあ」
なつは静かに告げた。
「まもるは『ちゃんと』女の子と付き合うんだろうし……」
「なつ氏はちゃんと付き合わんというのか?」
「違うよそうじゃなくて」
「三人で過ごす時間が減りそうだと、そう言いたいのだろう?」
「わかってるじゃないか」
やっぱりかーちゃんは鋭いな、となつは思う。ときどきフェイクを入れてくるけど、肝心なところは外さない。
「……」
なつは膝を崩した。脚はぴりぴりと痺れはじめていた。
「だから今言いたいのは、来年も三人で来ようね、ってこと」
「そうだな」
楓子は言った。
「楓子も、そうしたい」
桜の花びらが一枚、なつと楓子の間に舞い降りて来た。
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桂木京介
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シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
117人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年05月20日
参加申し込みの期限
2017年05月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年05月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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