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【お花見】しづ心なく花の散るらむ
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春はいい季節だ。
花見に、行楽に、そして、生き物観察に。
枯れかけの桜の陰に、そっと息を殺して回り込む。陽の当たらない幹の洞、そこは昆虫など小さな生物にとって、格好の隠れ場所であり休息所なのだ。今日潜んでいるのは誰だろう。
カミキリムシ、ミツバチ、それとも……?
以前スズメバチに追われたときはさすがに焦ったけど、同じ場所で
都府楼 暦
は、玉虫を見つけたこともある。
隠れ場所というのなら、この樹のある小さな公園自体もそうかもしれない。
お寺の敷地にある小さくて古びた公園だ。小さなすべり台もあるが、赤茶けた塗装は剥がれ錆びきっていて、しかも雑草に埋もれてしまっている。こんな状態だから、子どもたちは寄りつかない。たまに近所のお爺さんお婆さんがベンチで日向ぼっこしてるくらいという寂しいスポットなのである。
だからこそ、暦はこの場所が好きだ。
散歩中に偶然見つけたスポットだ。このままでは桜が枯れてしまうと案じ、彼女はお寺の人間に相談して、桜の手入れをさせてもらっている。足繁く通うようになってもう、一年近くになろうか。
樹一本であろうとやるべきことは多い。枯れて落ちそうな枝を落葉後に剪定して、切り口に癒合剤を塗ったり、可哀想とは思うが、葉を食い荒らす害虫を殺虫剤で退治したり。お寺の近くの牧場から分けてもらった堆肥を入れた際は、慣れない穴掘りで数日筋肉痛になったこともあった……。
それでも、牧場の老人や寺の住職らに手伝ってもらい、なんとかやってこれたのだ。
あとは木の力を信じるのみ、そう言い切れる段階になったのがつい先日のことだった。
今日、暦は木の様子を見に行く。
街路樹の様子を見るに、もうあの木も、花を付けているころではないかと期待している。
――といってもここ数年、一輪も咲いてなかったそうですし、お花見できるくらい満開は期待できなくても、数輪咲けば嬉しいですね。
公園に足を踏み入れた暦は、思わず顔をほころばせていた。
「あ……あそこに一輪、ここにも」
口に出していた。見事に老桜は、花を付けていたのだった。
一面の花々とは言わない。数えられるほどでしかない。けれどもたしかに、春の訪れをその花で示してくれたのである。
「頑張った甲斐がありました……」
枝のすべてに花が咲いているわけではない。それでも、愛想良い人のおべっか笑いより、頑固親父の苦笑いのほうが価値あるものに思えるように、少ないけれど立派なこの花は、侘しいからこそ意義があると暦は感じていた。
「なにを頑張ったのじゃ?」
急に声をかけられて、驚いて暦は振り返った。
旧知の顔を見て、驚く。
「九鬼姫さん?」
「おうよ、たしかにわらわじゃ」
以前、ひょんなことから知り合った女性(年齢不詳)である。こうして会って話すのは数度目、もう友達といってもいいかもしれない。九鬼姫は自称、『タイムスリップしてこの時代にやってきた戦国時代の姫君』で、実際時代がかかった口調を使う。ぱっと見は幼くて二十歳を超えているようには見えないのだが、行く場がなくてキャバクラで働いているキャバ嬢らしいので、たぶんきっと成人ではあろう。
わらわ、などという一人称が似合わないことこの上ない。このとき九鬼姫は、髪こそ日本髪風にした前髪ぱっつんストレート(それは暦と同様である)とはいえ、黄色いロングスリーブのTシャツ、しかもロンドンパンクらしいバンドのロゴの入ったものにジーンズを合わせただけという、上下揃えても彼女の時給くらいではないのかという服装だったからである。
「今日はどうしてこちらに?」
「いや、散歩して追ったら風情のある公園を見つけての。立ち寄ったまでのことじゃ」
「お好みですか、こういうのが?」
「夜の街で働いておってなんじゃが、ゴテゴテと派手なものよりは、このように控え目のほうが好きじゃのう。そちは?」
「私も好みです。実はここ一年ほど、この桜の手入れをしていたのは私でして」
「なんとそれは……見事なものじゃて」
「いい花ですよね」
「いや、見事なのはそちの力量じゃよ。褒めてつかわす……褒美を……渡したいところじゃが、この時代の生活はなにかと物入りでのう……この服だって恋々からもらったものじゃし……未成年に店の1時間無料券をやるわけにもいかんし……」
「お気持ちだけで結構ですよ」
にこと微笑むと、せっかくですし、と暦は公園の隅にあるベンチを示した。
「よければあちらの席でお茶でもいかが? お寺のお坊さんから、先程お礼にと最中を頂いたので」
「いいのか!」
九鬼姫は目を輝かせた。
「もちろんです。お花見を楽しみましょう」
「ちなみに花見というのはわらわのおった世にもあったのじゃぞ。後の話じゃが醍醐の花見というのもあったそうで……」
「ふふ、そのお話はお茶をいただきながらうかがいましょう」
「話といえば、わらわからも大事な話がある」
九鬼姫が真剣な顔つきになった。
「暦に訊きたい。知っておれば教えてたもれ」
「……はい。私に答えられることであれば」
そうか、とまっすぐな眼差しで九鬼姫は言った。
「例の『誰でも知っている有名なチョコ菓子』に季節限定『イチゴ大福味』というのが出たそうじゃが、それはただのイチゴ味とどう違うのであろうか!?」
なにを訊くかと思えば……思わず暦は、声を出して笑ってしまった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
117人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年05月20日
参加申し込みの期限
2017年05月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年05月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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