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【お花見】しづ心なく花の散るらむ
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●それぞれのお花見
空は、透き通る青色で、
風は、目に見えぬ緋の色で、
誰の元にも花は届く。ときに可憐に、ときに切なく。
九夜山にやってきたのは
工藤 耀
と
七音 侑
だ。
もちろんふたりきりで。
先日から公式に彼氏彼女となった間柄である。なんの遠慮がいるだろう。
といっても、
「耀君」
と名前呼びすることにどうしても侑は慣れずいまだに「工藤君」と呼ぶのが主だし、耀もごく自然にそうなるタイミングをはかっているとはいえ、まだ侑の唇の感触と味を、確かめるにはいたっていない。
とはいえお互い、いまひとつ詰め切れない距離を、それほど苦痛に思っているわけではなかった。
なんといっても気が置けない友人同士が、恋人へと発展したというものなのだから、今のところはこれくらいが、ちょうどいい距離なのかもしれない。
「山の桜だなんて、侑らしいっちゃ侑らしいよな」
本日はお花見というよりはハイキングに近い。なので耀も侑もリュックサック姿だった。
「でしょー! とってもいい感じのところなんだよにー♪」
「っていっても、侑が空中移動してるときに見つけたんだろ? 上から見るのと下から見るのとは色々違うぞ? 歩いてたどりつけるのかよ」
「それは言えてるけど、間違ってはいないと思うんだよね!」
侑は胸を張るが、耀は彼女の記憶をちょっとばかり疑っている。だがしかし、侑が楽しそうだからまあいいか、とも思ってもいるのだった。
けれど30分ほどして、その『まあいいか』を耀は取り消すことにした。
「この岩見るの三回目……いや、四回目だな。侑! さっきからずっと同じところグルグル回ってるぞ! 完全に迷ってんじゃねーか!」
「たはは、ごめんにー。歩いてたらわかんなくなってきちゃった……ちょっと上から見てみるね!」
言って侑はスニーカーのつま先で、地面を2回叩いたのである。これが彼女の『ろっこん』の発動条件なのだ。
たちまち侑はふわりとした感覚に包まれていた。体の周りの空気が、急に軽くなったような。
「まて! 軽率に飛ぼうとするんじゃねーよ!?」
「大丈夫だって、ちゃんとスパッツ履いてるし……」
「そういう問題じゃ……まさか侑、普段からこの能力(ちから)使ったりしてないよな?」
「え? ろっこんは学校の行き帰りも使ったりするよー?」
「それってまずくないか!?」
「気をつけてるからオーケーオーケー♪」
そう言い残して侑は、空に階段でもあるかのようにトントンと、誰にも見えない虚空を蹴り、あっという間に耀の手が届かないほどの高みに到達した。キョロキョロとしたのもつかの間、すぐに、
「あ。大丈夫、道を見つけたー。ここをまっすぐで合ってるみたいー」
と戻ってきて着地したのだった。
「まあこれくらいの短時間ならいいかもしれないが、あまり軽々しく使わないほうがいいと思うぞ、人知を越えた能力は……」
『ろっこん』が役立ったのは事実なので、それ以上は耀にも言いづらいものがあった。
さてそういった経緯もあったものの、曲がりくねった山道の先に、その樹はあった。
「とりあえずほら、ついたにー♪」
「おう、たしかにこれは……誰かに見せたくなる桜だな」
とても大きな樹だった。これほどの桜があるのかと目を疑うような。幹は太く、枝はそれこそ四方に伸びており、それでいて満開の花は、地上のものと思えぬほど透き通っているのだ。
「確かにこの下で花見できるのなら来た甲斐があるってもんだな」
「下?」
ところが侑はふふふと笑って、
「どうせなら中でお花見しない?」
と言ったのである。
「中って、樹の中か? 入れるような穴が開いているわけじゃなさそうだが」
「違う違う」
と侑は言った。
「最近は木登りだめって言われるけどさ、前から桜の木の中でお花見したかったんだよね! だから枝にまたがって……」
そしてそのまま、するすると樹を昇り始める。かなり樹齢らしく樹の表面には凹凸が多数あり、足や手をかけるのはたやすい。
「それもどうなんだか」
半信半疑ながら従った耀は、すぐに目を見張ることになった。
「すごい。一面桜色の空間だ……」
太い枝にまたがって腰を落ち着けると、どこを向いても桜の花、という場所にたどり着く。なにせ足元を見ても桜の花なのだ。ほぼ360度全天の花盛りだ。
「まるで桜のお部屋みたいで素敵でしょ? 囲まれてて桜と空しか見えないんだー♪」
「なるほど、こういうのも悪くない、な……」
向かい合ってままごとのように、持参した弁当を食べる。テーブルがわりになるものがないから少々不便ではあるものの、この眺望はそんな不便を補って余りあるものがあった。
「さ、お菓子食べよ!」
と、棒状のチョコ菓子通称『パッキー』をとりだした侑は、ここでまた名案(?)を思いついた。
これしたら耀君絶対慌てるだろうなー…よーし!
心を決めるや明るい声を出す。
「あかーるくん、ハイ!」
口にそのパッキー棒をくわえて、ついっと耀に首を突き出している。
「おいおい! なんだその悪戯!」
さりげなく名前のほうで呼ばれていることを聞き逃すくらい、耀には衝撃的な展開なのである。
ふふ、驚いてる驚いてる……ここまでは侑の計算通りだった。
ところが侑の計算を、現実のほうが乗り越えていた。
そっちがその気なら乗ろうじゃないか、耀は肚をくくって、
「……このまま食べるけど、いいの?」
えいやとパッキーの反対側を食べ始める。
「にょえ?! ま、まさかほんとに食べるなんて……!!」
と侑は言ったのだが、慌てすぎかつパッキーくわえ状態ということもあり言葉らしい言葉ににならない。
「無理無理無理近い近い近い近い!」
これも『フガフガフガモニャモニャモニャモニャ!!』という溺れる人のような声になっただけだ。
このチキンレースから先に降りたのは、侑だった。
「ふあーびっくりしたー! もう工藤君てばひどいにー……」
ポッキリとお菓子を折って、そこで強制終了したのである。
「ったく、俺をからかうなんて百年早いんだよ」
と耀は強がってはみたものの、内心、まったくもって冷静ではいられなかったということは絶対に秘密だ。
やがて帰る時間となる。そろって樹から滑り降りた。
「そろそろ行くか」
「うん♪」
もう帰るだけだとわかっているから、なんとなく後ろ髪を引かれて、侑も耀も、振り仰いで桜がまだそこにあるか確認していた。
「そういや、二年生になったらクラス替えがあるんだよねー」
「いま思い出したみたいな言い方だな」
「だって、いま思い出したんだもん……」
「正直に言う。俺はいま知った……だよなー、やっぱあるよな」
少しだけ会話が途切れた。
「もしかしたら、クラス、一緒じゃないかもしれないね」
「また同じクラスだといいんだけどな。……違ったら遊びに行っていいか?」
「もちろんだよー!」
でももしクラスが違っていたら、と侑は思う。
「……違うクラスになっちゃったら、ウチの知らないところで、他の子と楽しそうに話してる工藤君ができちゃうんだよにー」
それを考えるだけでなんだかモヤモヤした。
「うー……」
そんなのイヤだ、という言葉すら思う通りに出てこない。もどかしい。
――だったらせめて、ちょっとぐらい……甘えていいかな?
きゅっ、と侑は、耀の服の袖をつかんでいた。
耀は身を強張らせた。
「……このタイミングでそれは反則だろ」
そんな言葉が出てしまう。
それほどに、このときの侑は可愛かった。
「……心配しなくても、俺が好きなのは侑だから」
もうこらえられそうもない。そして耀はほとんど衝動的に、
――!?
侑の唇に、自分の唇を重ねていた。
時間としてはほんの数秒だ。短い、ごく軽いキスといっていい。
だから唇同士が離れたときも、侑はまだ事態が飲み込めなかったくらいだ。
「ま、待って、今の? え?」
「今度は、強制終了されなくてよかった」
その言葉が決定的、侑はたちまち、昼間の太陽みたいに真っ赤になっている。
「も、もう反則すぎる!」
そうしてなんだかジタバタ、腕を振り回すのだ。
「参ったな、はは」
耀も照れ隠しに頭をかいていた。
侑の可愛さも『反則』なら、俺の不意打ちも『反則』ってわけか――。
だけども耀は笑ってしまう。心から。
――とすれば俺たち、反則カップルってことになるな。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
117人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年05月20日
参加申し込みの期限
2017年05月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年05月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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