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【お花見】しづ心なく花の散るらむ
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くしゅ、と
北風 貴子
は、彼女らしくないような逆にらしいような、そんな可愛らしいクシャミをした。
「お、いいんちょ、ここで定番台詞『誰か私の噂してる……?』の出番ですよ!」
伊賀 解理
は親指を立てた。
「どういう意味? それ?」
ところが貴子は真顔でそんな返しをして来たのである。まあここで、「ハッ!? 誰か私の噂してる!?」とノリノリで言われたらそれはそれで違う気がするので、解理としてはむしろこれで正解と思うことにする。
「いやあ、まあ、あまり気にせんでください」
はははと一笑に付し、ところで、と解理は両足をそろえて深々と頭を下げた。
「それはそうとですね! 本日はおいでいただきありがとうございました!」
舞い落ちた花びらが一枚、解理の頭頂につくねんと載っている。
「なに突然あらたまって?」
桜川を散歩して花を楽しみませんか、と貴子を誘ったのは解理だった。断られても当然とは思っていたので、二つ返事で彼女が応じてくれたことに解理は感激しているのだった。
「まあいいから、顔を上げてくれない?」
おずおずと顔を上げつつも、まだ解理は身をかがめた上目づかいのままだ。
「だ、だってですね……大学の準備等でお忙しいでしょうし、大丈夫だっただろうか、と思いまして」
「大丈夫だから来てるんじゃない?」
それに、と手をさしのべるように貴子は言ったのである。
「私も声をかけてもらって嬉しかったよ」
やっぱり素敵だなあ、と解理は思う。貴子のこの余裕、大人な態度、憧れるなと言っても無理な話だ。
誘うにあたって解理にも葛藤はあった。この一年、自分の都合で貴子を振り回してきたような気がしていたからである。色々、迷惑をかけたように思もう。卒業式の日なんて、感極まって泣いてしまったくらいだし……。
けれど貴子が大学に進んだら、会える機会はぐんと減ってしまうだろう。それを思ったら、もうこらえられなかった。
本格的に会えなくなる前に会っておきたいなぁって――。
胸をよぎったこの考えに、むっ、と解理のなかの『つっこみ役の自分』が声を荒げた。
なんだこの遠距離恋愛する恋人発言!
また別の自分も顔を出し半ギレで叫ぶ。
僕も先輩もノンケだ!
ところが解理の心の中の嵐は、
「どうしたの伊賀さん、険しい顔して? お腹でも痛い?」
という貴子の問いかけで霧消する。
「あ、いや、元気です。いいんちょの心意気に打たれてシリアスになってしまいました」
ふふっ、と貴子は微笑した。
「ところで伊賀さん、私はいつまで『いいんちょ』なのかしら?」
川を見下ろせる土手に敷物を広げ、四隅に丸い石を揃えて置く。川原で拾った石だから、いずれも角が取れて文鎮のように平らだ。
敷物の上で
浮舟 久雨
は正座、
畑生 言嗣
も正座だ。
そうしてふたり、文字通り膝を突き合わせている。
「……距離が近くないか?」
困ったように久雨が言うと、
「敷物が狭いからね」
こともなげに言嗣は返す。しかも、
「好都合なことに」
などと付け足したものだから、すでに紅潮しつつあった久雨の顔はますます赤らむのだった。
「ええい! 荷物をこう一箇所にまとめればちゃんとスペースはある!」
ほらこんな風に、と声を上げつつ、カラフルな敷物の上をてきぱきと整理し、久雨は座るためのスペースを広げた。
「それから言嗣は膝を崩せ、私が落ち着かない……!」
となかば以上命令口調で言うので、仕方がないなあ、とぼやきながら言嗣はこれに従った。そんな久雨は正座のまま、戦闘体勢に入ったハリネズミのように身を固くしているのだけど、そんな彼女を見るのは愉しかったのであえて指摘しないでおいた。
「そ、それでは覚悟はいいな……!」
ものものしい言いようで久雨はフォークをとった。
彼女の前には弁当箱が広げられている。あざやかなその中身は、春めいた手作り弁当だ。もちろん久雨の手作りなのである。
しばらくの逡巡ののち、久雨のフォークが突き刺したのはミートボールであった。既製品を解凍チンしたものではなく挽肉から彼女が作ったものだった。照り焼きソースがかかっていていい香りだ。
「……早く口を開けろ」
「ふふふ、そんなに照れなくてもいいのに」
実に不本意なことながら、このとき久雨は、言嗣に手ずからこれを食べさせる状況に陥っていた。つまり、「あーん」させようというのである。ここに至るまでの過程をここに書き出そうとすれば紙幅が足りないことあきらかなのだが、言嗣によればこれは実に、シンプルな理由がもたらしたイベントといっていい。
理由、それは、愛だ。
震える手で久雨はミートボールを言嗣の口元に持っていく。
手が震えていた。
頬の熱が収まる気配はない。
視線を彼と合わせられない……合わせたら、死んでしまうかもしれない。(世間ではそれを『キュン死』と表現するのかもしれないが、あいにくとそれは久雨の辞書にはない言葉だ)
「で、では……」
「あーん」
嬉しそうに言嗣はこれを頬張ると、
「じゃあお返しに、久雨君には私から口移しを」
「結構だ。私は自分で食べる」
オリンピック卓球のスマッシュもかくやの超反応で久雨は返した。
「早いね」
「そういうと思っていたからだ」
「以心伝心というやつだね……」
ふっと言嗣は目元を緩める。照れている久雨、クールを装う久雨、いずれも魅力的だ。たまらなく愛おしい。
それより、と久雨は言った。
「あちらでボートを借りられるそうだ。食べ終わったら乗りに行ってもいいか?」
「ふむ、さすがは久雨君だね。私もそう考えていたところだ。またも以心伝心、言葉にせずとも通じ合うとはね……!」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
117人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年05月20日
参加申し込みの期限
2017年05月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年05月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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