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■ティーポットのおしごと
お皿の陽毬が『ぜんぶ食べて貰えたの!』と嬉しそうに流し台のシャボンに包まれている。
その一方で、
酒浸 朱蘭
は決意をがっちり固めていた。
「あたしも頑張ってお客さんに喜んでもらうぜ!」
むん、と気分だけで胸を張った朱蘭は、金属のティーポットになっていた。
よく磨かれた表面にはつやがはしり、細かく彫り込まれた模様がつやめくたびに現われて、どこか朱蘭の内面を表わすようだ。
「気合いが入ってるねえ。今からそんな調子でバテないかい」
ワゴンの上からなにかのボトルが声をかけてくる。
朱蘭は気分だけで胸を叩いてえへんと注ぎ口を鳴らした。
「任せてくれ、気合いなら誰にも負けないぜー!」
さあやってくれ! とばかりにポットの蓋を開く朱蘭。ボトルはその意気だと叫んで景気よく中身をポットに注ぎ込んだ……ところまではよかったが。
「あれ? はれ? な、なんかおかしいぜ? これ……」
ポットの中には深い赤色。
アイスティーのそれじゃあなさそうだ。
「これ……これ……ワインじゃねーかー!」
ぴゅおーと注ぎ口から湯気を噴いて、朱蘭はこてんと転がった。
ポットも酔っ払うのかあ、とボトルがのんきそうに呟いた。
花風 冴来
はワガママなお嬢様で知られていた。
高級なホテルにいってはあっちへこっちへ注文をつけるので、スタッフたちは大慌てだという。
そんな冴来が本日訪れたのはホテルエンチャンテッド。
「サービスがいいって噂は本当かしら? さ、たっぷりもてなして貰うわよ!」
意気揚々と飛び込み、受付を済ませロビーを抜けいざお部屋へ……といった途中で。
「あたしはダメなやつなんだ……ダメポットなんだ……」
廊下でいじけているティーポットをみつけた。
字面が既に大変なことになっているが、冴来は旧来の退屈嫌いからか、お部屋に行くテンションそのままでビッとポットを指さした。
「そこのティーポットさん、美味しいお茶をいれてちょうだい!」
「でも……」
「ぐずぐずしないの!」
「あたし……」
「もう、ティーポットなんだからお茶くらいだせるでしょ。なあにあなたお酒のにおいがするじゃない。あきれたっ、ポットとして恥ずかしくないの!?」
詰め寄る冴来。
見上げる朱蘭。
そして、蓋からだくだくとあふれんばかりにワインの涙を垂れ流した。
「あっ、あたしはお茶も出せないダメなポットなんだあああああああ!」
「ひっ……」
迫力に押されて身構えたが、たとえティーポットであろうとも目の前で泣かれて放置できる子ではない。
というより、泣く子を積極的にかまってしまうのが冴来である。
「ちょっと、もう、泣かないでよ。絨毯がワインだらけじゃない。ええと……その……」
慰める文句がまるで思いつかない。
読者諸兄のなかに、ワインが注がれたポットを慰めた経験のある方はおられようか? いたら是非彼女に教えてあげて欲しい。
結局冴来は迷いに迷って、『お茶はいらない』とだけ言ってみた。
「そっか、あたしなんていらないよな……」
とことんネガティブ方向に流れていく朱蘭が、冴来はどうにも他人に思えなくなってきた。
嫌なことがあると、坂道の空き缶のように嫌な方へと心が転がってしまうものだ。
「お茶はいらないから、私の話し相手になってちょうだい」
「はなしあいて?」
「それだって、立派なおもてなしでしょ」
腕組みをして言う冴来に、朱蘭は気分だけで胸を叩いた。
「まかせてくれ! 話すのは得意だぜ! あたしは朱蘭!」
「私は冴来。よろしくね」
冴来に抱えられてやってきたのは、アンティーク家具の並ぶ落ち着いた部屋だった。
広くも無く狭くも無い。言ってしまえばごく普通の部屋だ。
朱蘭はベッドサイドランプのそばに置かれた。
お話をしろと言われたが、何から話せばよいだろうか。朱蘭はすこし考えて、『なあなあ』と声をあげた。
「冴来は、好きな人とかいるんだぜ?」
「急になんてこと聞くのよ」
ベッドにのって膝を抱え、首を傾げる冴来。
「そういうあなたは? どういうひとが好み? やっぱりポットなの?」
「そんなことないぜ!? えっと……ほうようりょく? とか、頼りがいがあるひと、とか……いいかなあ」
なんだかふわっとした言い方だが、分かるような気がした。
いつもそばにいて、眠る前に本を読み聞かせるような人がいればいい。
誰もが思うような理想像だ。
「私も、そういう人がいいわ。ワガママをきいてくれて、退屈しないひとがいい」
「退屈は敵だぜ!」
「そうよ。話がわかるじゃない」
部屋にひとり。
ベッドで膝を抱え。
オレンジ色のランプが壁を照らすのをぼうっと眺めるだけの時間。
なのにその晩、冴来はぐっすりと眠れた。
翌朝のこと。
冴来はオーナーに言いつけて、朱蘭を自宅に連れ帰った。
おもてなしができないポットでもお話相手にはなれるでしょうとは、冴来の弁である。
けど彼女が『お友達にはなれる』と言ったような気がして、朱蘭は快く彼女についていったという。
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担当ゲームマスター
青空綿飴
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
定員
10人
参加キャラクター数
8人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年05月02日
参加申し込みの期限
2017年05月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年05月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
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