古い森の奥の奥――。
ふしぎな魔法にかかったホテルがありました――。
その名もフシギな『HOTEL ENCHANTED』。
ひとたび扉を開いたなら、もてなされずにはいられない。
「フーム……(日本語訳:ここはホテル・エンチャンテッド。フシギな魔法にかかったホテルだ)」
「ブルル……(日本語訳:かつて町で暮らしていた人々は悪い魔女の呪いによって、ある者はキャンドルスタンドに、あるものは時計に、ある者は箒に、洋服ダンスにソファにお皿に椅子にテーブルに西洋甲冑の置物に……と姿を変えられてしまったのだ)」
「ヒヒーン!(日本語訳:呪いから解放される方法はただひとつ。やってきたお客を心からもてなし、楽しませて帰すことだ!)」
「……(日本語訳:僕かい? 僕のコレは自前だよ。ただの客さ。きみもゆっくりしていくといい。きっともてなされるから)」
ようこそ、ホテル・エンチャンテッドへ。
この世界はらっかみ時空とはちょっぴり異なるIFの世界。
あなたはこの世界の住人となって、ホテルへとやってくるのです。
ここは森の奥にある古いホテルです。洋風のお城めいた、とても豪華な雰囲気に包まれた、しかし小さなホテルなのです。
おっと、これは先に聞いておくべきでした。
あなたは『どちら』ですか?
お客様としてホテルにいらした方?
それとも、呪いでホテルのアイテムに変えられてしまった方?
もしお客様でしたら、ぞんぶんにおくつろぎくださいませ。
勝手に動くソファーがあなたを座らせたくてたまらないと言っておりますし、テーブルやテーブルクロスが豪華なお食事を並べてあなたを呼ぶでしょう。
もしアイテムの側なら……そうですね、頑張ってお客様をもてなさなければなりません。
お客様が心からお喜びになり、素敵な一日を過ごして帰られたなら、きっとあなたはもとの姿に戻ることができるでしょう。
そしてどちらであっても――。
どうぞ、素敵な一日を。
■ほそくのほそく
説明にもありますとおり、このシナリオにご参加の際は『お客側』か『アイテム側』のどちらかを選んでアクションの冒頭に書き込みましょう。
役割が決まれば、ホテルの一日がスタートです。
お客様なら、家具や道具がここぞとばかりにもてなしてくるフシギなホテルでくつろぐことができるでしょう。
アイテム側なら、やってきたお客をもてなさなければなりません。
勿論、あなたが『なんのアイテムに変えられたか』も教えてください。キャンドルスタンドや、テーブルや、ソファや、洋服箪笥に変えられているでしょうから。
姿を変えられても自由に動いたり喋ったりできますので、心配はいりませんよ。
そしてこのホテルにはあなたを含むPCたちの他に、NPCも沢山いらっしゃいます。お客として、アイテムとして。
そして誰もが、今日を素敵な一日にしようとしています。
ホテルは洋風のお城のような、とてもきらびやかな場所です。時代が普通に現代なのでテレビもスマホもあるのですが、お部屋にテレビがあるかどうかはわかりません。いえ、正確には『いるかどうか』ですね。もしいるのなら、きっとお客様のお相手になってくれるでしょう。