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全力全開、うさばらし
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星ヶ丘の動物病院を出る。猫や犬、ハムスターに兎に栗鼠、種々様々な動物を飼っている
八神 修
にとって、自宅からほど近い動物病院は大好きな動物たちの命綱と言っていい。
「お願いします」
見送りに出てくれた顔見知りの看護士に丁寧に頭を下げる。
「あの子たちの里親は、きっと見つけます」
けれど今日病院に連れて来たのは、家で飼う動物たちではなく道端に箱詰めされて捨てられていた子猫三匹。鳴く力さえなくし固まって震えるばかりだった子猫たちは、修が運び込んだ病院で手厚い看護を受けて元気を取り戻しつつあった。
こちらでも探してみる、という看護士にもう一度頭を下げ、修は家路に着く。勉強の息抜きに散歩がてら昼を外で食べようと家を出て、出た途端に出会った子猫たちの世話をするうちに、いつか陽は傾いている。
茜の色を帯び始める星ヶ丘の道を歩いていて、忘れていた空腹を思い出した。小さく鳴る腹を押さえ、修は睫毛を伏せる。
瞼の裏、子猫たちのまなざしが今も焼き付いている。
(俺の家には沢山の猫が居るから)
見つめてきた子猫たちに語り掛けた言葉をもう一度心に繰り返す。正直なところ、引き取って育ててやりたかった。けれど、もうこれ以上は出来るだけ増やすまいと決めている。なるべく自分で面倒を見てはいるものの、使用人たちも快く面倒を引き受けてくれてはいるものの、これ以上彼らに負担をかけるわけにはいかない。
(里親を探してやるからな……)
茜の家路を辿る足取りが重い。
掌に抱き上げた小さな命の温かさがいつまでも消えない。経済的に恵まれているとは言え、一介の高校生の身に背負える動物の命には限りがある。それが辛かった。
生まれた命を捨てる人がいることが悲しかった。
子猫たちの無垢なまなざしがいつまでも消えず、思わず足が止まる。
視線を投げれば、自宅の屋根がすぐそこに見える。
夕陽を映す窓辺に戯れる愛猫たちの姿が見えて、思わず瞼を伏せた。幸せそうな猫たちを見てしまえば、引き取れなかった子猫たちに対する申し訳なさが胸に爆発してしまいそうな気がした。
仕方がない、とは思えなかった。自分ひとりの力ではどうしようもないと思うことが出来れば楽なのに、楽になれるはずなのに、解っていてそれが出来なかった。
それでも、どうすることもできない。
解決できない問題に欝々となる己に小さな溜息を吐く。
(ガスを抜こう)
せめて心を空にしようと決める。射撃の練習、ネットゲームでモブモンスター退治、犬との散歩。そのための手段はいくつか持っている。
(今日は天気もいいし)
風の穏やかな空を仰ぐ。夕凪の岸壁か堤防で釣りをしよう。だって、
(ペット達といると連想する)
そうと決まれば、と止まりがちだった足を早める。家に帰り、お帰りお帰りとじゃれてくるペットたちを順番に撫でてやってから手早く夕釣りの準備をする。
半ば逃げるように家を出、自転車で向かったのは寝子島漁港近くの堤防。
冷たい海のにおいに満ちる堤防に、愛用の釣り竿を三本並べて設置する。慣れた手で竿を上下させてみたり流してみたりと魚を誘いながら、考えるのは周辺で釣れる魚の種類。この時期ならばキスやヒイラギあたりだろうか。
夕焼け色の海に見える魚影をなぞる。餌や仕掛けを変え、撒き餌をし、黙々と竿を動かす。そうしながらも、考えてしまう。
(里親、ちゃんと探してやるからな)
何が猫の幸せなのかは、修には分からない。それでも、野良猫は飼い猫よりもずっと短命だ。それに、
(死にそうだったあの状態よりは良い筈だ)
修はそう信じる。
捨てられる猫たちの全員を助けられるとは思っていない。けれどせめて関わった猫たちだけでも幸せになってほしかった。飢えを知らずに穏やかに日々を過ごしてほしかった。
いつか釣り竿を動かすことも忘れ、潮騒に耳を傾ける。凪ぎの海に揺蕩う波を眺め、蒼を深めてゆく空に流れる茜雲を眺める。
心痛溶かした息を吐きだせば、改めて空腹を思い出した。苦笑いしつつ、鞄からアルミホイルに包んだお握りを取り出す。携帯用の椅子に腰を下ろし、のんびりと魚を待ちながらお握りにかじりついた途端、いつの間にか椅子の足元に寄って来ていた黒猫の存在に気が付いた。
「……こんにちは」
修の挨拶に、黒猫は嗄れた声でひとことだけ鳴いた。もそもそと足を踏みかえ、修の足元に丸くなる。
野良猫のようだが、毛艶も良く肉付きもいい。漁港の人々に地域猫として可愛がられているのかもしれない。
「今日はいい天気だな」
おにぎりの一部をおすそ分けして話しかける。黒猫は金色の目を細めて笑った。
元気をだせ、と言われている気がして、修は今日一日ずっと引き結びがちだった口元を淡く緩める。ありがとう、と手を伸ばせば、黒猫は心得たように掌に小さな頭を擦りつけてきた。
「イイコだね……」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年05月01日
参加申し込みの期限
2017年05月08日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年05月08日 11時00分
参加キャラクター一覧
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