this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
3月の★ハッピーバースデー
<< もどる
1
…
6
7
8
9
10
…
14
つぎへ >>
●15日
扉を開ければ古き良き欧羅巴の香りに包まれる。
キャットロードの一角にあるこじんまりとした
メイド喫茶『ねこのて』
。そこに戻ればいつでも貴方の上品で有能な執事やメイドが出迎えてくれるのだ。
「お帰りなさい、ご主人様、お嬢様」
と。
この店の店長代理でもある
桧垣 万里
は、今日もクラシカルなヴィクトリアンメイドと呼ばれるメイド服に身を包み、ご主人様やお嬢様の間で忙しく立ち働いていた。
それはこの店を経営する叔父夫婦の手伝いでありバイトのためなのだが、一旦メイド服を着れば万里はそんな事は忘れてしまう。
メイド服を着た瞬間から、彼女の名は『ばんり』。普段のだらしなさは影をひそめ、優秀なメイドが姿を現す。
ここにご主人様が帰って来てくれる限り。万里はメイドでいられるのだ。
ご主人様のひとときを、万里はお世話する。そしてそれはちょっと特別な日の時もあって。
例えば、誕生日。この素敵なイベントを事前にご主人様に相談される事もある。
この前は、可愛らしい高校生のご主人様に、彼女の誕生日の相談をされた。
数日後に来店して来た2人の初々しい様子を思い出し、万里の頬が少し緩む。お任せだったケーキをとても喜んで下さった。甘酸っぱいレモンケーキにしてよかった。紅茶をサービスしたけど……また2人でご帰宅なされるといいな。
また、たまたま今月が誕生月のご主人様、お嬢様がご帰宅されたら、注文とは別にプチケーキをサービス。
「お誕生日おめでとうございます」
とびきりの気持ちを込めて。一所懸命ご奉仕させて頂くのだ。
今日も万里はご主人様をもてなす。例えそれが自分の誕生日の日でも。
*******
この日も、たくさんのご主人様やお嬢様が『ねこのて』に帰宅し、万里は忙しかった。
しかし夕暮れ時になるとぽつぽつとご主人様達は出掛けていき、最後のご主人様を「いってらっしゃいませ」と丁寧に見送った万里は、ようやくカウンターで一息つくことができた。
この時間は夕陽が差し込み、店内は一層ノスタルジックな雰囲気になる。本の挿絵のような光景にいっとき万里が心を奪われていると、キイと店の扉が開いた。
「お帰りなさいませ、ご主人様」
すぐに万里は歩み寄り、丁寧にお辞儀をする。そして顔を上げた万里の顔に、驚きの色が浮かんだ。
「あら……彰尋君?」
「こんにちは、万里さん」
夕陽に照らされながら、
鴻上 彰尋
がにこりと笑った。
「えっと、おちびさん達は来てないですよ?」
万里は店内を振り返り言った。たまに彰尋の弟妹達が店に遊びに来ることがある。その迎えに彰尋が来たのかと思ったのだ。
「あ、いえ。今日は違うんです。その……これを渡しに来ました」
そう言って彰尋は白い箱を掲げて言った。
「おめでとうございます、万里さん」
「……?」
何の事やら分からず万里は首を傾げる。彰尋の眉が少し不安げに寄った。
「あれ? 万里さん、今日誕生日でしたよね?」
「え? …………そういえば」
ポカンとしたまま万里が言った。そう、今日もメイド『ばんり』として忙しく働いていた万里は、自分の誕生日をすっかり忘れていたのだ。ほっとしたように彰尋が笑った。
「間違ってなくて良かった。実はケーキを作ってきたんです」
「えへへ、ありがとうございます。とても嬉しいです」
2人きりの店内。席に着いた彰尋に紅茶を出しながら、万里が照れたように笑った。ちょっぴり素の万里が顔を出しているようだ。
「いえいえ、弟達がいつもお世話になってますし。それに何だかその……」
横に立つ万里を見上げながら、彼女を身内の姉のように感じる、という言葉を彰尋は呑み込んだ。何だかこの不思議な感情を上手く表現できなかったのだ。
メイドとしてすごくしっかりして頼りになる万里。実はそれ以外の万里を彰尋は良く知らないが、何だか彰尋は彼女には
知己的なものを感じる
のだ。なぜかは分からない。きっと、寝子島の不思議な風に吹かれないと思い出せないのかもしれない。
「その……今日だけは万里さんもお祝いされる側にならないと」
彰尋はもう1つの思いを万里に伝えた。1年に1度の誕生日。『ばんり』さんにも万里さんにも、素敵で大事な日のはずなんだ。
「これ、誕生日ケーキのつもりで作ったんです」
彰尋はテーブルに載せた箱の蓋を開ける。中からは可愛らしく飾り付けられた、レアチーズケーキが出てきた。
「凄いですね、本格的! 美味しそうです」
「弟や妹も一緒に飾り付けとかしたんです」
そこでふと彰尋は思った。もう夕方で、今の所他の客もいない。少しくらい万里さん、休めないかな?
「……ここで少し一緒にお祝いしちゃ駄目ですか?」
「え?」
彰尋の言葉に万里はトレイを抱えながら数回瞬き。ちょっと思案気な顔になったが、すぐ悪戯っぽい瞳で彰尋を見た。
「ご命令ですか? ご主人様」
「え?」
今度は彰尋が驚く番だ。「えーと……」と少し躊躇したが、うんと頷くと万里に言った。
「命令……じゃなくてお願い、かな。出来るかな、『ばんり』?」
万里はにっこり笑って言った。
「はい、ご主人様!」
夕陽に赤く染め上げられた店内には、楽しそうなご主人様とメイドの姿。
万里は思いもかけず素敵な誕生日を過ごすことが出来た。
*******
夜。仕事を終えて帰宅した万里は、部屋着姿でのんびりと寛いでいた。
(彰尋君にお祝いしてもらっちゃったな)
ふふと嬉しそうに笑うと、万里はテーブルの上のクッキージャーに手を伸ばした。中に入っているのは作り置きしておいたクッキー。その中からハート型のものを摘むと、ちょっとお行儀悪くパクリと口に放り込む。―――途端、万里の意識が途切れた。
「うわーー!! 万里の誕生日お祝いできてない!!」
ガバッと体を起こすと万里が叫んだ。いや、それは万里であって万里でない。万里のろっこん<勿忘草の花言葉>が発動し、万里の生まれるはずだった双子の片割れ、兄の千里の霊が万里の体に憑依したのだ。
千里はあたふたと部屋を歩き回る。
(えっと、もう時間ないからお祝いも出来ないし……そうだ!)
千里は万里が文房具を入れている引き出しを開け、中からペンとメッセージカードを取り出した。
(とりあえず、メッセージだけでも書いておこう!)
千里はカードと向かい合うと、丁寧に文字を書き込んだ。
『まさと おたんじょうびおめでとう』
「……うん」
書き終わると、千里は満足そうにカードを眺めた。
君の誕生日。僕の誕生日だったかもしれない日。
本当は向かい合って一緒にお祝いしたいけれど。それでも、君の不思議な力のおかげで、こうしてお祝いが出来る。
お誕生日おめでとう、僕の可愛い妹。
君の21歳も、また素敵な年になりますように。
千里はそっとカードをテーブルの上に置くと、ソファに横になり静かに目をつぶる。
やがてすうすうと規則正しい寝息が聞こえてきた。
その寝顔は、どちらのものか。穏やかに、幸せそうに万里は眠るのだった。
<< もどる
1
…
6
7
8
9
10
…
14
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
3月の★ハッピーバースデー
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
KAN
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
30人
参加キャラクター数
22人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年04月30日
参加申し込みの期限
2017年05月07日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年05月07日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!