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廃墟の歌姫
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【1】汝の名は
桜 月
は、いつものように夜の散歩に出た。
この日彼女が向かったのは、寝子島イリュージョンランド。
かつて人々に夢を見せていたはずの場所の残骸――だったはずなのだが。
「っつ……!」
ふいに襲った頭痛と、鋭い耳鳴り。それが収まったあと、周囲に広がっていたのは、輝くイルミネーションと多くの人の気配に満たされた場所だった。
そう、そこにはかつてのイリュージョンランドの姿がよみがえっていた。
しばし呆然とあたりを見回していた月は、その雑踏を縫って流れて来る歌声に気づいた。
その声を追ってたどり着いたのは、野外音楽堂である。
ここも、白く美しい姿によみがえり、客席には白いベンチが整然と並んでいた。
そして、舞台の上には少女が一人。伴奏もないまま、歌っている。
(……なんだかよくわからないが、そう悪いことでもないようだ)
胸に呟き、月は舞台に近い席に腰を下ろした。
少女の姿を眺めながら、ただ歌に耳を傾ける。
(彼女が何を伝えたいのか、歌に込められたものを、感じ取りたい)
ふと月は思う。
彼女自身は、自分の中に在るものをデザインとして表に出す表現者だった。それと同じように、目の前の少女は、歌によって自分の内にあるものを現す人なのだと月は思うのだ。
(だから、彼女の歌に感じたものを、デザインとして描こう)
心に決めて、月は持って来ていたノートを広げ、鉛筆を走らせ始めた。
ややあって、やって来たのは
雨寺 凛
だった。
彼女も、この不思議な現象に巻き込まれたのだ。
一度は園内から外に出ようとした彼女だったが、ゲートは固く閉じられており、出られないことを知った。
それで歩き回っているうちに、歌声に引き寄せられるようにして、この音楽堂にやって来たのだった。
(わぁ、綺麗な歌……。ちょっとじっくり聞いてみようかな……)
音楽が大好きな彼女は、胸に呟くと、そっと舞台に近い席に腰を下ろした。
つとこちらをふり返った月に、凛は目顔で挨拶する。
だがそのあとは、歌に耳を澄ませた。
そこにまた、二人、歌に引き寄せられて来た者がいる。
新田 亮
と
水守 流
だ。
「うわ……! ジゼルがいる」
少女を見て、低く叫んだのは流だ。
「ジゼル?」
怪訝な顔でふり返る亮に、流は小声で答える。
「『Lost Eden』てゲームのキャラだ。……そっくりなんだよ。歌ってるのも、ゲームの中でジゼルが歌ってる曲だ」
「ふうん」
ピンと来ない顔で、亮がうなずいた。
凛はその二人をふり返り、しーっと口の前で指を立ててみせる。
わりぃわりぃ……と仕草で謝ってみせて、流は凛の隣に腰を落ち着けた。つられて亮も、その隣に座る。
しばしの間、あたりには少女の歌声だけが響いた。
しばらくして、少女が歌をおさめた時だ。
客席の方から、指笛の音が響いた。
四人は驚いて、そちらをふり返る。
いつの間にやって来たのか、そこには
エレノア・エインズワース
が座していた。
エレノアは、静かに立ち上がると、舞台の方へと歩いて行く。
「歌い続けて、喉が渇いていませんか? 熱いお茶を持って来たので、どうぞ」
手にした魔法瓶を示して言うと、彼女は舞台へと続く階段を昇って、少女のすぐ傍まで歩み寄った。もう一方の手に持ったバスケットから、カップを出してピアノの蓋の上に置くと、お茶を注ぐ。
少女は黙ってそれを見ていたが、再度エレノアに勧められてカップを手にした。
「この出会いを祝して」
お茶を飲む少女を見やって薄く目を細め、エレノアは呟く。
このやりとりに、凛が思わず目を見張った。
彼女は、少女から話を聞きたいと思いながらも、歌の邪魔をしては悪いだろうかと考え、何も問えずにいたのだった。
そんな中。
「少し、質問していいか?」
言って、立ち上がったのは亮だ。
「まず、お前の名前を教えてほしい」
「……ジゼル」
少女がそちらをふり返り、ポツリと答えた。
「やっぱりジゼルか。……気合い入ってるよな」
対して小さく口笛を吹いて呟いたのは、流だ。
それにはかまわず、亮は質問を続ける。
「俺たちが閉じ込められたこの空間は、なんなんだ? どうやったら、ここから脱出できる?」
だが、少女は怪訝な顔で首をかしげるばかりで、何も答えない。
それを見て、流が亮に囁いた。
「この子も、俺たち同様、ここに閉じ込められただけなんじゃないか? あの恰好は、コスプレだと思うし」
「コスプレ?」
「ああ。……ここって、本来は廃墟だろ。ゲームの舞台も廃墟だし、写真撮影に来てた、とかじゃないかな」
問い返す亮にうなずいて、流は続ける。
「……にしたって、どう見ても中学生ぐらいだ。それに、撮影なら一人じゃなく、写真撮る人とかも一緒じゃないのか?」
「それはそうかもだけど……」
言い返されて、流は口ごもる。
だが、彼にはどうにも少女がそれほど怪しいようには、見えなかった。
それで、軽く挙手して立ち上がる。
「俺も質問。すごく気合いの入ったコスプレだけど、やっぱ『Lost Eden』のファンなのか? 俺もあのゲームはけっこうやり込んだんだ。よかったら、一緒に記念撮影させてくれないかな」
少女は困ったように彼を見つめていたが、やがて口を開いた。
「これ……コスプレじゃないよ。ジゼルは、ジゼルなの。……ゲーム……『Lost Eden』……よくわからない。でも、写真撮るのは……かまわないよ」
「え? ああ……そっか、そうだな」
コスプレじゃないと言われて驚いた流だったが、ジゼルになりきっているがための答えだと一人納得してうなずく。
そして、彼女の気が変わらないうちにと、いそいそと舞台に上がると、その隣に並んだ。
スマホのカメラで二人並んだ姿を撮って、彼は満足げにうなずくと少女に礼を言った。そのあと、尋ねる。
「ところで、こことあのゲームってなんか関係あるのか? コラボ企画とか、オーナーがゲーム会社と関係あるとか……」
だが、少女は怪訝な顔で首をかしげただけだ。
彼らのやりとりを黙って聞きながら凛は、やはりこの少女には何かあると直感していた。
(流くんの言ってるゲームのことは知らないけど、そんなにゲームキャラクターにそっくりなら、それも何かの鍵なのかもしれないし。でもとにかく、ここにいても、これ以上は何もわからない気がするな)
胸に呟くと、彼女は立ち上がった。
「私、園内を調べてみるね。あの女の子のこと、何か出て来るかもしれないから」
亮に言って、踵を返す。
「それなら、俺も一緒に行こう」
ここにいても、これ以上得られるものはないと考えていた亮も言って、そのあとを追った。
「俺だけ置いてきぼりにするつもりか? 脱出の手がかり探すなら、俺も行くよ」
舞台から降りて来た流が、その二人に声をかける。
凛と亮は彼が追いついて来るのを待って、一緒に野外音楽堂を出て行った。
音楽堂の中は、ふいに静かになった。
月は少女が歌っている間、その特徴を捉えようとじっとそちらを見やって観察していたが、エレノアが舞台に登った時点で、再びノートに向かっていた。
今もただ黙々と、描き続けている。
その彼女に、舞台から降りて来たエレノアが、お茶の入ったカップを差し出した。
カップはバスケットから取り出した新しいものだ。
お茶は、亮や流が質問している間にすっかり冷めてしまっていたが、エレノアがろっこん『オールド・ジョーク』の進化能力で瞬時に沸騰させたため、それは熱かった。
「貴方もどうぞ」
「ありがとう」
礼を言って受け取り、月はお茶を口に運ぶ。
温かいお茶は、気分をすっきりさせてくれた。
だが同時に、お手洗いにも行きたくなった。
「失礼」
言って、彼女は立ち上がると、音楽堂をあとにした。
残されたのは、エレノアと少女だけだ。
エレノアは舞台上に戻ると、少女の手にしたカップに、新しいお茶を注ぐ。
「熱湯が冷めて温水に変わっても、再加熱で再び熱湯になる。死もこのように、可逆的な変化であってほしいものです」
言って、さあどうぞ、と身振りでお茶を勧める。
少女は小さく首をかしげて彼女を見つめていたが、黙ってカップを口に運んだ。
それを目を細めて眺めながら、エレノアは続ける。
「その点、貴方は素晴らしい。空想世界の可憐な少女。耽美の象徴にして自己完結の極北。永遠という概念の結実です。――しかし、歌だけが余計です。歌は、幕引きを連想させます。不変性の純度を高めるため、黙って下さい」
その言葉と共に、彼女のろっこんが発動した。
少女の口の中のお茶が、接着剤へと変化する。
「……!」
少女は開かなくなった己の口に、ただ目を見開いて立ち尽くすばかりだった。
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担当ゲームマスター
織人文
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
推理・サスペンス
SF・ファンタジー
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年04月17日
参加申し込みの期限
2017年04月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年04月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
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