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【4】ジゼル×カオリ
口の中のお茶が接着剤に変わり、口を開くことができなくなった少女は、ただ呆然と立ち尽くしていた。
それを見やって、エレノアは言う。
「さて、本題です。遊園地をよみがえらせたこの力について、詳しく話して下さい」
彼女の目的は、ここから脱出することではなかった。
エレノアは、不老不死を実現することを究極の目的としている。
そして、そのための方法も、いくつか考えてはいた。
たとえば、電脳世界への人格の移植や、神魂エネルギーの充足による霊的存在への昇格、ろっこんによる物理法則の改ざんなどだ。
中でも、三つ目の方法に関連して、ここの特殊性に目をつけていた。
もとより遊園地は、非日常を演出するための空間でもある。また、クローネの一件もあって、現実性の束縛が緩いのではないかと考えたのだ。
そんな中、この奇妙な現象に巻き込まれた。
彼女にとっては、まさに千載一遇のチャンスだ。
よみがえったこの場所を行きかう影絵のような人々の中で、目の前の少女だけがはっきりとした姿を持って動いていた。
近くの席に着いて、じっくりと観察した。
ゲームキャラに似ている気がしたが、そこは彼女にとってはどうでもいい。
それよりも。
少女の姿は見ているうちに、よりくっきりと鮮やかに、このよみがえった場所の中で存在感を増して行くように感じられた。
それで、確信した。
この少女こそが、この現象の中心に違いないと。
少女が困惑したように、こちらを見上げた。エレノアは口元をゆがめる。
「口がきけないなら、筆談でもいいですよ? ハハハ……!」
楽しげに笑う彼女に、少女はますます困惑した顔だ。
その時、音楽堂に修と美咲紀、露草の三人が入って来た。
「エインズワース?」
修が、舞台上のエレノアに気づいて、声をかけた。
「八神さん」
ふり返ったエレノアは、小さく目を見張る。
「貴方たちも、ここにいたのですか?」
「ああ。原因究明のために、事務所を調べていた」
修がうなずいて言った。
「そのあと、風に乗って流れて来る歌声が気になって、それを追いかけていたら、ここにたどり着いたのです」
美咲紀が続けて言う。そして、少女を見て目を輝かせた。
「もしかして、そちらの少女が歌っていたのですか? 『Lost Eden』のジゼルにそっくりなのです!」
「そうですね。まるで……」
うなずいて言いかけ、露草は小さく息を飲む。
少女の肩が、かすかに光っていることに気づいたせいだ。
それは、彼のろっこん『我が紋章は、光り輝く道標』が付けた印だった。
事務所を出たあと彼は、もし西園 香の霊がここにいるならば――とダメモトで「西園 香さんの右肩よ……光れ!」とろっこんを発動させたのだ。
それが今、ごくかすかに少女の肩で光っている。
露草は、改めてそれを見やって眉をひそめた。
なぜ少女の肩に? という思いもあったが、光がかすかなのも気になったからだ。
通常は、もっとはっきりと描いた紋章の形に光っている。
(どういうことかわかりませんが、とにかく声をかけてみましょう)
胸に呟き、彼は舞台のすぐ傍まで歩み寄ると、呼びかけた。
「西園 香さん?」
少女が驚いたように、彼をふり返る。
と、まるで水面に石を投げ込んだ時のように、少女の姿が一瞬ゆらいだ。
次の瞬間には、少女の姿はそこからかき消え、舞台の別の場所に立っていた。
接着剤で閉じられていたはずの口は開き、彼女は歌い出す。
「この曲……」
「ああ。『Lost Eden』の曲だ。……ジゼルが《神》を停止させるために歌った曲。そして、ゲームのエンディングに流れるあの曲だ」
美咲紀の呟きに、修がうなずいて言った。
エレノアは、自分のろっこんの効果が消えたことに驚き、次いで怒りに唇を噛みしめる。
(もう少しで、ここをよみがえらせた力について、聞くことができたのに……!)
だがすぐに、その口元にはゆがんだ笑いが浮かぶ。
(まあ、いいです。……まだ、機会はあるはずです。それに、この少女が何者か、彼らはつかんだようですし)
胸に呟き、彼女は修、美咲紀、露草の三人を見やった。
それには気づかず、三人は少女の歌に耳をかたむける。
少女がひとしきり歌い終わると、露草が改めて声をかけた。
「あなたは、西園さん……西園 香さんなのですか?」
少女がゆっくりとふり返り、彼を見やった。
「私は……ジゼル。でも、カオリと呼ばれていたことも、あるような気がするの」
曖昧な答えに、露草は少し迷ったあと、告げる。
「ここがよみがえったのも、私(わたくし)たちが出られなくなったのも、あなたのやったことではないのですか? もしそうなら、そろそろ私たちを帰してはもらえませんか?」
言葉を切って少女を見れば、彼女はどこか困ったように首をかしげて露草を見返していた。
それへ辛抱強く、彼は言葉を続ける。
「美しい歌姫、在りし日の遊園地……。素敵なものを見せていただき、感謝しています。ですが……遊園地やゲームで楽しんだあと、住処へ帰って一息つけてこそ、良い思い出になる。……そうではありませんか?」
「私は……」
何か言いかけ、少女の姿はまた先程と同じく、一瞬ゆらぐ。
少女の顔つきが変わった。
「私はただ、自分のデザインしたオート・マタが人の目に触れ、その歌声が人々を感動させる姿を見たかっただけ。でも……企画が立ち上がった時にはもう、ここはただ、滅びて行くだけの骸となり果てていたわ。……私たちは、起死回生の企画だと思っていたけれど、上層部はこんな地味で金のかかるものを実現はできないって。そう……たしかに、そのとおりよね。イラストレーターになって、時々ゲームの仕事にも関わるようになって、それを思い知ったわ。絵と音楽と物語、それにプログラムが組み合わさって、こんな派手ですごいものができる。世界をまるごと構築できるのよ。そんな世の中に、たしかにオート・マタは地味でそのくせお金ばかりかかる、前時代的なシロモノよね」
「それは……」
露草は、返す言葉を失って、ただ少女を見つめるばかりだ。
その目の前で、再び少女の姿がゆらぐ。
元のあどけない少女の顔に戻った彼女は、何が起こったのかわからないのか、きょとんとしてあたりを見回している。
それを見やって、露草は香を説得するのは無理だと悟った。
修と美咲紀をふり返ると、二人は奇妙な顔で黙り込んでいる。
「どうかしたのですか?」
「……この展開は、『Lost Eden』のBエンドと同じなんだ」
尋ねる彼に、修が答えた。
「あのゲームにはいくつかエンディングがあるんだが、Bエンドではジゼルが彼女を造った人物になって、世界の真実について語るシーンがあるんだ。今俺たちの目の前で起こったことは、そのシーンととてもよく似ている」
「つまり、ゲームと同調している……ということですか?」
驚いて問い返す露草に、修はかぶりをふる。
「わからない。ただ……今の彼女の言葉で、原因ははっきりした。彼女はおそらく、自分の無念を知ってほしかったんだろう」
「でも、私たちは開放されていないのです」
美咲紀の言葉に、修はうなずいた。
「ああ。まだ、彼女の無念は晴らされていないということだ。何か、方法を探す必要がある」
「……それなら、楽屋を調べてみるのです。この音楽堂や歌にこだわっているなら、何か手がかりがあるかもしれないのです」
少し考え、美咲紀が言う。
「そうだな」
修がうなずいた。
三人は、そのまま音楽堂の楽屋へと向かったのだった。
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担当ゲームマスター
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
推理・サスペンス
SF・ファンタジー
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年04月17日
参加申し込みの期限
2017年04月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年04月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
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