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廃墟の歌姫
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【エピローグ】
歌い終わって、少女がゆっくりと一礼した。
だが、誰もがまだ曲の余韻に浸っているのか、あたりは静まり返ったままだ。
そんな中、ふいに拍手が響いた。
月だ。
「ありがとう、いい歌だった」
彼女は、拍手しながら立ち上がり、そう告げる。
その音に、他の者たちも我に返ったように、拍手し始めた。
ピアノを弾いていた修も立ち上がり、手を叩く。
どの顔も、興奮と曲の余韻に少しばかり熱っぽく見える。
そんな中、少女の姿はゆっくりと光に透けるように消えて行った。
同時に、あたりは元の廃墟へと戻って行く。
野外音楽堂の白かった天井や円柱、舞台の床などは、ひび割れ、灰色に薄汚れたものに変わり、びっしりと蔦や苔が這う姿と化した。
並んでいたベンチは消え、床には土埃がたまっている。
「元に、戻ったね!」
「そうみたいなのです!」
凛と美咲紀が、顔を見合わせ声を上げた。
他の者たちも、周囲を見回し、安堵の顔を見合わせる。
そんな中、月は黙って舞台の方に歩き出した。
階段を昇ってさっきまで少女がいた場所に立つと、自分が描いたデザインのページを、ノートから破り取ってそっと床に置く。
レースを幾重にも重ねた裳裾を長く引くドレスは、どこか神々しく見えて女神の衣装のようでもある。だが一方で、頭に飾られた可憐な花とそこから垂らされたヴェールは、花嫁衣裳を彷彿とさせた。
それは、月が少女の歌から感じ取ったものを、デザインで表現したものだった。
音楽堂を出ると、彼らは入園ゲートへと向かった。
月光に照らされた園内は、もう彼らが知っているとおりの廃墟だった。
どこにも照明は灯っておらず、回転木馬もコーヒーカップも観覧車も全てが止まり、ただ朽ちて行くばかりだ。
「……なんだか、夢を見ていたようね」
あたりを見回し呟く紫に、修がうなずく。
「西園 香の強い想いが、俺たちに夢を見せたのかもしれないな。……たぶん彼女は、造られなかったオート・マタとジゼルを重ねていたんだろう。だから、病魔と戦いながら、ゲームの中で生き生きと動くジゼルに望みを託したのかもしれない。命の極限まで、魂を込めて作品を生もうとしたんだ。……優れた作品は、作者の分身ともなり得るからな」
言って、彼はつとふり返った。暗闇の向こうに、遠くぼんやりとした音楽堂の輪郭を見やって、低く呟く。
「L'homme c'est rien, l'oeuvre c'est tout.(君の作品は生き続けているよ)」
その彼の視線を追うように、露草もそちらをふり返った。
「私は……忘れません。ここのことも、貴女のことも」
呟いてから、ふと「画材があれば、スケッチしたかった……!」と胸の中で無念の拳を握りしめる。
やがて一同は、朽ちた入園ゲートへとたどり着いた。
むろんもう、彼らを押しとどめるものは、何もない。
ゲートの外に出て、何事か考え込むように歩いていた美咲紀が、つと顔を上げた。
「私、戻ったらもう一度、あのゲームをしようと思うのです」
「そうね。私もまた、やりたいわ」
紫もうなずいて言うと、尋ねるように流を見やる。
「そうだなぁ……。うん、やっぱ、俺ももう一度やってみたいな」
流は幾分か悩むように空を見上げたものの、すぐに笑ってうなずいた。
「今やったら、以前とは違う気持ちでプレイできそうな気がするしなぁ」
そんなことを話しながら山を降りて行く一同のあとを、少し離れて歩いているのは、エレノアだった。
あたりが元の廃墟に戻ったことで、彼女も不思議な現象は終わりを告げたのだと知った。
(結局、ここをよみがえらせた力について、知ることはできませんでした。でも、この地が特殊であることは変わりません。……いつかは、不老不死の実現に至るたしかな方法を、得てみせます)
胸に呟き、彼女はただ黙って道をたどる。
こうして、彼らが巻き込まれた寝子島イリュージョンランドの不思議な現象は、ひそやかに幕を閉じた。
後日、彼らは知る。
『オート・マタ特設資料館』は、企画はあったものの実現することはなく、オート・マタの導入企画と共に、潰えたのだと。
そしてまた『滅ンダ世界ノ歌』はやはり、二十年前にオート・マタに歌わせるために香が作曲し、その友人が曲をつけたものだったことを。
それがゲームに使用されたのは、香がゲームディレクターに頼み込んで実現したものだったのだということを――。
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あとがき
担当マスター:
織人文
ファンレターはマスターページから!
参加いただき、ありがとうございました。
マスターの織人文です。
どの方のアクションもとても個性的で、読んでいて楽しかったです。
さて、こんな形にまとまりましたが、いかがだったでしょうか。
少しでも楽しんでいただければ、幸いです。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
織人文
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
推理・サスペンス
SF・ファンタジー
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年04月17日
参加申し込みの期限
2017年04月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年04月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
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