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……何かがいる!《2》
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「木? 木にそんなことできるの? というか、この木のしたことだって言ってるの? あなた」
ブリジットは目をすがめた。祓い屋なんて信じない。いや、そうだと主張している人間がいることは信じてもいいが、心霊現象には懐疑があった。今、ふわふわ飛んでいるこの光の球だって、よく観察すれば納得のいく説明が見つかるに違いない。
「言うとるし、そう思とるけど、べつにあんたは信じんでもええで。おれはそうっていうだけや」
反発心ありありの視線と声を向けられても友幸は動じなかった。
「こいつは樹木子
(じゅぼっこ)
いうて、魂が宿っとる。古い樹は霊がつきやすいもんやけどそれとまた違て、こいつの場合は自然発生やな。『木魂
(コダマ)
』とも呼ぶ。力が強いし厄介なもんが多い。こいつが子どもを隠した理由は知らん。人やないもんがどう考えて動くかなんて、知ろうとしても無駄や。犬猫がええ例やで。
んで、とにかくおれは、失敗した仕事を完遂したいだけや」
「失敗?」
「そ。幸いまだ依頼主にはバレとらんし。今のうちにとっととしまいつけとこ思てな。
もうほとんど終わってて、あとはドアに鍵かけて閉めるだけや」
ほらこんなふうにな、と言うように、友幸は木の周りにナップサックから出したボトルの水で円を描いた。その円に沿って榊の小枝を四方に刺し、一番大きな枝を前に刺す。
「掛けまくも畏き伊邪那岐大神。瀬織津比咩神、速開都比咩神、気吹戸主神、速佐須良比咩神。四柱の大神等――」
「ちょっと待って」あわてて蔵人が止めに入った。「鍵をかけるって、それって、もしかしていなくなった人たちは帰ってこれないってことじゃないの?」
「もしかせんでもそうや」
悪びれもせず、けろりとした顔で答える友幸に、蔵人は奥歯を噛みしめた。やっぱりこいつは厄介なやつだ、と。
「承服しかねるって顔やなあ」3人を順に見て、友幸はふうと息をつく。「あんたらに分かりやすう言うと、
向こう
は
ここ
とちゃうんや。
ここ
のもんが
向こう
におって、普通でおられるわけないやろ?
皆例外なく転化する」
「転化するって、何に!?」
「
向こう
にふさわしい姿に。木魂の世界やから、木の化けもんやな。手足が木になって、体から枝が生えて。そうすると、当然頭んなかもおかしなってくる」
(……すばる!)
ブリジットはさーっと血の気が下がるのを感じた。手が震える。
「まあまあ、先の仕返しかもしれんが、女の子いじめるのはそれくらいにしといてやれや。かわいそうだろ?
にしても、まるで見てきたように言うねえ、お兄さん。さては失敗の原因ってのはそれか? あんた、向こうへ行ったんだな」
靖史の指摘に、友幸は肩をすくめて答えた。あたりだ。
「まあ、せやから閉じるしかないんや。もうだれも呼び込めんようにな。
ほんとは切り倒したほうが確実やけど、ガッコの木ぃ切るんはいろいろ面倒やし、この木自身もう寿命みたいやから、それまで封じるだけにしとくわ」
友幸は詠唱に戻ろうとしたが。
その背中にブリジットが再びベレッタM92の銃口を突きつけた。
「やめて! やめなさい! それ以上続けるなら撃つわ!」
「……やめとき。さっき忠告したで。どうせ結果を受け入れる覚悟はないんやろ?」
声が低くなり、平坦になった。危険な兆候だ。
この男が危険じゃないなんて、だれが保証するだろう?
「まあ、待って待って、ふたりとも」蔵人が両手を挙げてとりなしに入った。「ねえきみ。私たちはなかにいる子どもたちを助けたいだけなんだ。助け出したあとなら何をしようときみの勝手だ。私たちもできる事はする。協力すればお互いの目的に近付けるとは思わない?」
「協力? あんたらに何ができるねん。言うとくけど、おれはもう絶対向こうへは行かんで? そりゃあんたら放り込んだることぐらいやったらできるけどな、ただの人間が行って何ができるんや? 化けもんがうようよしとるんやで?
大体その子らも、向こう行って無事でおれるわけないやろ。化けもんになるか、化けもんに殺されるかや。ま、普通に考えて無理――」
「無理じゃないわよ!」
ブリジットはたたきつけるように宣言することで友幸を黙らせると、木に向かって両手をついた。
「ドアってことは、ここは向こうとつながってるんでしょ!
すばる! すばる!! 聞こえているなら返事をしなさいっ! 今すぐ! これは命令よ!!」
突然の大声に3人は驚き、目をしぱたかせる。だが次の瞬間、もっと驚くことが起きた。
『――その声、まさかブリジットさん?』
洞窟のなかから発せられているかのように反響しており、聞き取りづらかったが、その声は間違いなく
新井 すばる
のものだった。
すばるはすばるで、大いに驚いていた。それも無理からぬ話で、なにしろただの石像だと思っていた物が、いきなりブリジットそっくりの声で自分を呼んだのだ。驚くなというほうが無理だ。
「どうして石像からブリジットさんの声が……」
幻聴かと、まじまじ見ていると、また石像から声が聞こえた。今度はふたりだ。
『石像? ちょっと、どういうこと?』
『友幸や、美人さん。
たぶん、おれが出るとき足止めにつこた式神やな。簡単に言うたらおれの力を媒体にして糸電話しとるようなもんや』
『動かせるの? ここから彼らを出せるとか?』
『無理や。おれが直接触れて命じな動かん』
『で、あなたは行く気はないのね? 使えない男!』
『なんとでも言い。あんなんに追い回されるのはこりごりや。
で、おい、あんた。まだそこにおるか?』
「……うん、いるよ。ここに出口があるの? ボクには見えないけど」
触れてみたが、石像はやはり石像でしかなかった。背後や周囲にある壁や窓もそうだ。ほかの場所と同じで、破壊できないだろう。
『出口やない。出口やった場所や。つーても前んときおれが無理くり開けたから、歪みが残っとるってだけやけどな。ほんまの出口はどっかにあるはずや』
「ほんとに?」
いくら探しても見つからないんだけれど、と言いそうになって口をつぐむ。あきらめの言葉は口にしたくない。
『入口はあっても出口はないなんて、法則に反するもんはない。
まあ、見つけるのは難しかもな。木魂は見つけられとうないから隠しとるやろうし、今までだれも見つけて――うわ! 何すんねん!』
『もういいわ! あなたはその要らぬ口を閉じてなさいっ!』
なにやら押しやる音がして、葉ずれの音ががさがさと鳴る。そしてブリジットの声が聞こえてきた。
『すばる、あなた無事? どこもおかしくない?』
「おかしく? 変な聞き方をするね。
まあ、けがらしいけがはないよ。走り回ったせいでちょっと疲れてるけど」
『そう、良かった。子どもたちは?』
「合流できた。無事だよ。やっぱり疲れてるから、小休止中」
すばるは簡潔に、別れてから今までの状況を説明した。
「それで、そっちはどう? さっきの人はだれ?」
『祓い屋よ』
ブリジットも説明をする。すばるたちを見捨てようとしたことは気に入らないが、彼のおかげでこうして話せているということもあり、複雑な心境であることが声ににじんでいた。
「なるほど、木魂ね……。封印の必要性は理解できるけど、今されるのは困るなぁ。
なんとか止めといてくれない?」
『やってみるわ』
「あ、それからもしそっちでも出口が分かったら、ライトで教えてくれるかな? 持ってきてるでしょ?」
『もちろん』
夜道を懐中電灯なしで歩いたりはしない。
「じゃあお願い。
それから……心配しないで、と言っても無理だよね。だけど、あんまり心配しないで。大丈夫だから。こっちには結構頼もしい人たちがたくさんいて、化け物にも十分対抗できてる。
それに、こうして声が聞こえたんだ、必ず帰れるさ。そっちとこっちはまだつながってるんだ。ここから出ることのできた、そのうさんくさい祓い屋さんも、出口はあるって言ってたしね」
そのとき、すばるの後ろで子どもたちの声が聞こえた。距離があって、何を言っているかまでは分からない。
「子どもたちが不安がってる。そろそろみんなの所へ移動するよ。石像は持ち歩けそうにないから、もう話せないと思う。
次は外で会おうね、ブリジットさん」
声はそれで途切れて、すばるの気配はなくなった。
「なかの人たちは無事よ。化け物を撃退したし、化け物にもなっていなくて、脱出する気でいるわ」
うれしさに勝ち誇った様子で友幸を振り返り、宣言する。
特に何も感じていなさそうな友幸に、靖史が言った。
「ってことだ。だから、ちょっと待ってもらえねぇかな。
無鉄砲な少年少女らがこの校舎の中で何かを成し遂げようとしてるんだ。それを待つことなく臭いものには蓋をするってのはいささか無粋だと思うんだがね」
「待つっていつまでや? 今無事やからってこの先も無事とは限らんのやで?」
「まぁそう憎まれ口をききなさんな。あんただって本当は強引に封じるのは気が進まんのだろ? だから出口はあるから探せなんて言ったんじゃないか?
少し待ってみねぇか。俺らがここにいれば少なくとも迷い込んでくるやつには注意喚起できる。あせることは何もない。だろ?」
友幸は少し考えるそぶりを見せたあと、スマホで時刻を見た。
「夜が明けるまで……5時までや。それ以上は出勤する教師や部活の生徒がおるやろ。見つかったら面倒になる」
靖史たちも許可は取っているが、さすがに一晩じゅうというものではない。ブリジットも寮に無断外泊で、見つかればうるさいことになる。3人とも、それは望んでいなかった。
「分かった。
じゃあ、子どもらが帰って来るまで、あんたの話を――」
「もちろん、外から出口を見つける方法を考えるのよ! 向こうにいる式神とやらは、本当に操れないの? 別の式神を入れることは?」
「はあ!? 冗談やないわ! そんな準備してきとらんし、チィちゃんまで失う気あらへんで!」
「ならそうしなくていいから、とにかく約束した光を届ける方法を考えなさい!
第一、準備してないってどういうこと? プロでしょ! プロはあらゆる場合を想定して動くものよ!」
「あんた、ほんま勝手やなあ!」
ぎゃんぎゃん口論を始めたふたりを見て、靖史は一歩下がると後ろの蔵人と視線を合わせた。
まあとりあえず時間は稼げた。あとはなかの者たち次第だろう。
目で会話をしたあと、ふたりはもう一度友幸に視線を戻し――ブリジットのほうがどう見ても優勢で、言い負かされる寸前になっているのを見て、幾分ほっとした気分でやれやれと息を吐いたのだった。
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
バトル
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年04月13日
参加申し込みの期限
2017年04月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年04月20日 11時00分
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