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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
＜月華＞秘恋哀華 ―裏切られた姫―
「どりゃああ！」
月長石を己のろっこん『加速』を使用して掘り出し続ける刀は時折食事をとって少しだけ休む、というのを繰り返した。そうやって掘り出された月長石を運びまくっているわけだが、身体を鍛える事も目的としているようだ。
「だいぶ掘れたかな。……聖水も用意しておきたいし、傷薬や解毒剤とか、戦に必要なものは全て揃えておきたいな」
「やる気みなぎってるねー♪」
白虎となった武道がもどってくるなり楽しげにそういう。だが、眼差しは少し心配そうだ。
「戦はこれからだよ、刀君。あんまり無茶しないでね」
「ありがとう。その辺りはちゃんと心得てる」
刀は礼を述べながらも月長石を掘り出し続ける。武道はそんな彼に苦笑しながらも、月長石を掘り出す作業に戻った。
「あら、がんばるわね」
そこを通りがかったのは、兵の指導に当たっていた蛇那伊である。彼は一通り兵士たちの指導を終え、別の兵士にもアドバイスをするべく歩いていたのだ。
「そりゃあな。相手は手ごわい。もっと強くなる必要がある」
「それはわかるけど、ろっこんの使いすぎにも注意よ」
刀の言葉に、蛇那伊はくすり、と笑って肩を叩く。そうしていると彼の後ろから何人かの神官たちがシートを引いて食事の準備をしていた。
「まっ、腹が減っては戦はできぬ、だネ☆」
元の姿に戻った武道に手を引かれ、刀は食事の席に連れて行かれる。蛇那伊もまた「お相伴に預かろうかしら」と後に続くのだった。
食事の時間は、和気藹々とした物だった。戦争への準備中とは思えないほどに和やかで、用意された料理はどれも美味しかった。
そんな中、武道は共に月長石を掘り出していた現地の兵士に先日の戦闘で設備や能力的に不足している、と感じた所や戦って確認した敵の攻撃や能力などを聞いていく。
刀は刀で良質の月長石を確保しており、それで頼んでいた物を作ってもらえないか、と職人さんに交渉している。
「んー、兵士さんたちの戦い方は妙に日本の戦国時代を彷彿としています。相手が魔物だけど通じているみたいですし……無理に変えるより工夫する方がいいですかねぇ」
料理を食べながら美咲紀は考察を重ねる。その一方で有事の食糧確保や医療系の物品確保などもやっておきたい、と意見を現地の人々と交換する。
刀も気にしていたこの辺りだが、とりあえずは災害用に取り置きしている備蓄食料（結界のおかげで鮮度を保っている上消費期限も長い）や医薬品、包帯などの医療系物品などに関しては周辺の国々と連携して確保しているとの事だった。それが解っただけでも少し精神的に楽になる。
（んー、そういえばこの扇子……借りっぱなしだったな）
武道はふと懐から扇子を取り出す。不備がないかそれとなく整備してもらおうと食事を終えただろう職人さんに見てもらう。と、緩んでいた留め金を調節するだけで終わった。
ついでとばかりに「これに月長石の力や何かの要素を乗せられたらいいんだけど……」と相談すると、アオハが口を開いた。
「それは神官たちの領域ですね。なにか工夫できないか、相談してみましょう」
「うん、ぜひともお願い！」
武道は扇子をアオハに渡し、頭を下げた。
その後、刀は彼に合わせて作ってもらった防具を身につけたり、刀を手に素振りをしたりしていた。その眼には、一体何が映っていたのだろうか？
＊ ＊ ＊
こうして、異界の冒険者達は情報を集め、戦の準備を整えていた。
一度静の国で情報交換を行う事になり、調査を終えた者たちと嵐の国にいた者たちはそこへと戻っていった。
＊ ＊ ＊
――静の国
資料や情報を集め終えた者たちは、再びこの国に集まり作戦会議と相成った。優木 遥斗は早速信頼している志波 武道の姿を見つけ、冥晶宮での出来事を話す。武道はそれらを元に考え、そのまま伝えたほうがいいんじゃないか、と提案した。
そして、サキリ・デイジーカッターは石の剣を全員の前に見せた。
「嵐の国の祠にあった物を許可を貰って借りてきたんだ。なんかこう、心に引っかかって……」
それを見た恵御納 夏朝（の交換人格、夏夜）、桜 月、仙藤 紫の３人は思わず息を飲んだ。彼女達の様子に全員がきょとん、とする中、月が資料を広げて説明する。
「恐らく、その石の剣が……『天に嘶く者』だと思う。この資料が本当ならば……」
「えっ？！」
今度はサキリが驚く番だった。夏夜は石の剣に触れながら、小さく呟く。
「白虹さんがいれば、石化が解けて本物になるかもしれない……」
紫もまた同意見らしく、こくり、と頷いている。サキリは石の剣を抱きしめ、ため息を突いた。
月長石を己のろっこん『加速』を使用して掘り出し続ける刀は時折食事をとって少しだけ休む、というのを繰り返した。そうやって掘り出された月長石を運びまくっているわけだが、身体を鍛える事も目的としているようだ。
「だいぶ掘れたかな。……聖水も用意しておきたいし、傷薬や解毒剤とか、戦に必要なものは全て揃えておきたいな」
「やる気みなぎってるねー♪」
白虎となった武道がもどってくるなり楽しげにそういう。だが、眼差しは少し心配そうだ。
「戦はこれからだよ、刀君。あんまり無茶しないでね」
「ありがとう。その辺りはちゃんと心得てる」
刀は礼を述べながらも月長石を掘り出し続ける。武道はそんな彼に苦笑しながらも、月長石を掘り出す作業に戻った。
「あら、がんばるわね」
そこを通りがかったのは、兵の指導に当たっていた蛇那伊である。彼は一通り兵士たちの指導を終え、別の兵士にもアドバイスをするべく歩いていたのだ。
「そりゃあな。相手は手ごわい。もっと強くなる必要がある」
「それはわかるけど、ろっこんの使いすぎにも注意よ」
刀の言葉に、蛇那伊はくすり、と笑って肩を叩く。そうしていると彼の後ろから何人かの神官たちがシートを引いて食事の準備をしていた。
「まっ、腹が減っては戦はできぬ、だネ☆」
元の姿に戻った武道に手を引かれ、刀は食事の席に連れて行かれる。蛇那伊もまた「お相伴に預かろうかしら」と後に続くのだった。
食事の時間は、和気藹々とした物だった。戦争への準備中とは思えないほどに和やかで、用意された料理はどれも美味しかった。
そんな中、武道は共に月長石を掘り出していた現地の兵士に先日の戦闘で設備や能力的に不足している、と感じた所や戦って確認した敵の攻撃や能力などを聞いていく。
刀は刀で良質の月長石を確保しており、それで頼んでいた物を作ってもらえないか、と職人さんに交渉している。
「んー、兵士さんたちの戦い方は妙に日本の戦国時代を彷彿としています。相手が魔物だけど通じているみたいですし……無理に変えるより工夫する方がいいですかねぇ」
料理を食べながら美咲紀は考察を重ねる。その一方で有事の食糧確保や医療系の物品確保などもやっておきたい、と意見を現地の人々と交換する。
刀も気にしていたこの辺りだが、とりあえずは災害用に取り置きしている備蓄食料（結界のおかげで鮮度を保っている上消費期限も長い）や医薬品、包帯などの医療系物品などに関しては周辺の国々と連携して確保しているとの事だった。それが解っただけでも少し精神的に楽になる。
（んー、そういえばこの扇子……借りっぱなしだったな）
武道はふと懐から扇子を取り出す。不備がないかそれとなく整備してもらおうと食事を終えただろう職人さんに見てもらう。と、緩んでいた留め金を調節するだけで終わった。
ついでとばかりに「これに月長石の力や何かの要素を乗せられたらいいんだけど……」と相談すると、アオハが口を開いた。
「それは神官たちの領域ですね。なにか工夫できないか、相談してみましょう」
「うん、ぜひともお願い！」
武道は扇子をアオハに渡し、頭を下げた。
その後、刀は彼に合わせて作ってもらった防具を身につけたり、刀を手に素振りをしたりしていた。その眼には、一体何が映っていたのだろうか？
＊ ＊ ＊
こうして、異界の冒険者達は情報を集め、戦の準備を整えていた。
一度静の国で情報交換を行う事になり、調査を終えた者たちと嵐の国にいた者たちはそこへと戻っていった。
＊ ＊ ＊
――静の国
資料や情報を集め終えた者たちは、再びこの国に集まり作戦会議と相成った。優木 遥斗は早速信頼している志波 武道の姿を見つけ、冥晶宮での出来事を話す。武道はそれらを元に考え、そのまま伝えたほうがいいんじゃないか、と提案した。
そして、サキリ・デイジーカッターは石の剣を全員の前に見せた。
「嵐の国の祠にあった物を許可を貰って借りてきたんだ。なんかこう、心に引っかかって……」
それを見た恵御納 夏朝（の交換人格、夏夜）、桜 月、仙藤 紫の３人は思わず息を飲んだ。彼女達の様子に全員がきょとん、とする中、月が資料を広げて説明する。
「恐らく、その石の剣が……『天に嘶く者』だと思う。この資料が本当ならば……」
「えっ？！」
今度はサキリが驚く番だった。夏夜は石の剣に触れながら、小さく呟く。
「白虹さんがいれば、石化が解けて本物になるかもしれない……」
紫もまた同意見らしく、こくり、と頷いている。サキリは石の剣を抱きしめ、ため息を突いた。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2017年11月03日
- 参加申し込みの期限
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- 2017年11月10日 11時00分
- アクション投稿の期限
-
- 2017年11月10日 11時00分
