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\ オーバータイム!/
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満員?満開? むぎゅう
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●抱擁の中で
「おはよう、水樹」
「……あ、れ? ヒュー? ……おはよう??」
寝ぼけまなこでキョトンとしたまま、律儀に朝の挨拶を返してくれる愛しい人に微笑みながら。その額へ、
ヒュー・ヒューバート
は優しい口づけを落とす。
暫く天井と彼を交互に見つめてから、ハッと気付いて
城山 水樹
は体を起こした。
―― そうだ、彼の家に泊まったんだった。
お互いに多忙を極め、昨日は数週間ぶりに出会えたのだ。離れる名残り惜しさは普段以上に寂しさを伴うというもの。
水樹はそれが自然な流れかのように、ヒューの家へと共に連れ立った。ヒューも決してそれを止めることをしなかった。
「もう……起きてたのなら起こしてくれればいいのに」
「まだ早い時間だったしね。それに、水樹の寝顔はこういう時じゃないと見られないから」
すっかり寝顔を堪能されていたのだと知れば、水樹の頬に赤みが帯びた。もしかしていつもそうだったのかしら……なんて思いながら。
軽い朝食を済ませると、もうじきそれぞれの仕事の時間。
それでも、少しでも一緒にいる時間を引き延ばすように、互いにこの後のスケジュールを報告し合う。
すると、はたと同時に顔が上がった。
「ヒューは、都内で廃墟撮影の打ち合わせ……?」
「水樹も……都内のスタジオ?」
テーブルに向かい合った状態で、同じ高さの視線は一直線に交わって。どちらからともなく目を細めた。
まだ朝日も低い位置にある、早朝の寝子島の対岸、JR横須賀線に乗り換えた二人は東京へ一緒に向かっている。
風景写真で、若いながらも一定の評価を得てきているフォトグラファーな彼と、専属モデルと学業を両立させている彼女。普通に会う時間を取るだけでも難しい二人にとって、同じ時間に同じ目的地(都内までとはいえ)が重なることは奇跡に近い。
手を繋ぎながら、並んで落ち着いて座っていられるグリーン車を選ぶことに、二人の意見が一致したのも当然のことであった。
―― 一時間半も満員電車に水樹を乗せたくなかったし、ね……。
―― 二人分の料金でも2000円を超えないもの。私に払わせてくれないんだから……ヒューの負担、少しでも軽くしたい。
こっそりと個々の思いやりは隠しながら。
同じ身長である二人は、座っていても少し顔を横に向けるだけですぐに目と目が絡み合う。そのたび、水樹の方が先に口を開いては穏やかな笑みを浮かべたヒューが、水樹が話しやすいよう時折続きを促すように相槌を打った。
まだ早い時間。眠っている車内の他の人を起こさないよう、ナイショ話でもするようにお互いに顔を寄せ合いながら。
―― いったい、どれだけ話したりないのかしら……?
何度もデートをし、身も心も愛し合っているというのに……そう、昨夜も。
逢うごとに募る想いに際限は無く、今日もやはり目が合うと顔に熱が集まってしまうのを水樹は自覚した。
基本聞き上手なヒューに、水樹がついついあれこれ話を振ってしまうのはいつものことではあったが、とりわけ今日はいつもより早口に言葉を紡いでいた。
それは彼女の、潜ませた不安の表れ。
専属モデルはバイトのつもりで、そのうち大学卒業後の進路を決めなくてはと思っていた矢先の、有名コスメブランドのイメージキャラへの正式起用。勿論今までのバイトも真面目に取り組んでいたけれど、それまでとはまた格段に仕事量も責任感も伴って。
時間に追われるスケジュールをこなしていると、恋人と会えるこの時間がどれだけ貴重で短いものか意識してしまう。
だから水樹は絶えず言葉を繋げる。少しでも、会えなかった時間も知ってもらいたくて。今この時間同じ話題を共有したくて。
次に会えるのはいつなのか……、つい思ってしまうから。
まだ大丈夫……まだ一緒にいられる……、と駅を通り過ぎるたび思わずスマホの時間をチラリとする水樹に、ヒューはずっと温かな視線を向けている。
ぎゅっと繋がれた手が、駅を通過するたびささやかに握り込まれれば、彼女が何を思っているのか何となく伝わってきて胸が熱くなった。そのいじらしさに、そして彼女の持つスマホケースも視界に捉えれば、湧き上がる愛おしさに。
スモークピンクの革製ケースの小さなリボン部分を大事そうに撫でて、またふと顔を上げるとヒューと目が合った水樹は、照れくさそうにケースを撫でる手を止めた。
「気に入ってくれたみたいで良かったよ」
「私のことを考えてくれたんだって分かるもの。気に入るどころか、ずっと使っていたい宝物よ」
にっこりと嬉しそうに微笑んで、そういえばと水樹は続ける。
「ヒューは? あのぬいぐるみ」
「あ……しまった……」
「置いてきちゃった? そりゃあ、男性にぬいぐるみ持ち歩けとは言わないけど……」
「……、なんてね」
「え?」
人も少なかったゆえ、足元に置かれた大きめのヒューのバッグ。どこか寂しそうな顔を覗かせた水樹へ肩をすくめてみせてから、そのチャックを少しだけ彼が開けると、バッグの奥の方に灰色の瞳をした犬の顔が。
瞳を大きくして、水樹がバッグからヒューの方へと向き直れば、はにかんだ笑顔と出会った。
もうっ、と怒ったふりをするもどうしても口の端は緩んでしまう水樹。
「……いじわるね」
「僕にとってもこれは宝物だから。……まぁ、仕事場で大っぴらに鞄を開けられないかもだけれど」
「あら、ぬいぐるみを持ち歩くキュートなフォトグラファー、素敵じゃない?」
今度はヒューの方が照れくさそうに頬をかく姿に、きゅうっと心が掴まれる。
繋いだ手ごと抱き締めようかと、水樹が体を動かしたその時だった。
キキィィィィッ!
突然のブレーキ音に大きく揺れる車内。
バランスを崩し、『キャッ』という声と共にシートから転がり落ちそうになった水樹を、ヒューは咄嗟に抱き寄せた。
むぎゅう。
反射的に思い切り抱き寄せた為、水樹の色白な頬が彼の胸元に押し付けられる形となって。着やせするのか、伊達にフォトグラファーとして重い機材などを運んでいないヒューの胸は、思ったより筋肉がついているような。
そんなことは、素肌自体を見たことがあるのだから知っていたつもりだったけれど……、なんて、思わず熱を帯びたグレーの瞳に押し倒される光景が思い出されて、水樹の顔が耳まで赤くなったり。
「あっ、ごめん。痛かった?」
「う、ううん! 大丈夫よ、ありがとう」
腕の力を緩めて心配そうに覗き込んできた彼に、精一杯の笑顔を返した。
程なくして、車中にアナウンスが響く。どうやら信号故障でまだ暫くは復旧にかかるとのこと。
念のため先方に連絡を入れておこうか……。
まだ時間に余裕はあるはずだが、動き出すまでどれくらいかかるか分からない。ヒューは先方の名刺が入った手帳を取り出そうとして、まだ両手が塞がったままであることを思い出す。
完全に電車が停止していることを確認すれば、もう大丈夫そうだよと水樹を腕の中から解放しようとしたが、一向に水樹が離れる気配が無く微かに首を傾げた。
様子を窺っていたヒューの耳に、『……ねえ』とどこか甘みを帯びた彼女の囁き声が届いた。抱き寄せた態勢のため、いつも同じ高さにある彼女の瞳が今は少し低い位置から、自分を上目遣いで見つめる形となって。
「……しばらく、こうしていて」
「……困った子だな」
切なげな声色はヒューの心に愛しさを溢れ出させる。台詞とは裏腹に、想いを込めて再び水樹をしっかりと抱き締めた。
もっと一緒にいたい。その願いをまるで神様が叶えてくれたような今の状況に、水樹はいつもより少しだけ、彼に甘える。
いつだって自分を受け止めてくれると信じられるから。護ってくれていると実感できるから。
……大好きよ、ヒュー。
僕のお姫様には敵わないな……。
囁き合った2人は、もう暫しお互いの温度に身を委ねるのだった ――。
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担当ゲームマスター
蒼色クレヨン
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年04月06日
参加申し込みの期限
2017年04月13日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年04月13日 11時00分
参加キャラクター一覧
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