「ちょい待ってーマキリ」
「ぐぅ!? げっほごほ! ……っなんですか!」
自分の一歩前を歩いていた
幌平 馬桐の、襟元にあたる服を後ろからぐいーっと引っ張って止める
高知 竹高。
当然の如く息が詰まり、むせた馬桐から抗議の声が飛ぶも竹高の視線は明後日の方向を向いていて。不満そうな顔をするも、仕方なく竹高の見つめる先を追って見ると。
「あ。ここの楽器店、今スプリングセール中かぁ」
セールの文字が大きく書かれた、自動ドア横のポスターに気付くとふむふむと馬桐は読み進めた。
一部の楽器が何%引きだとか、いくら以上でオマケのピックが付いてくるとか、箇条書きの文の終わりの方でふと首を傾げる。
「なになに、有名歌手のサイン会開催決定? 整理券配り云々~……」
「あれ。ちょうど今からじゃないですか?」
竹高が続いて声に出した内容に、馬桐はスマホを見やるとまさにその時刻を示していた。
へ~、と特にそこには興味無さそうに適当に相槌打ち合う二人の会話を聞いていた
水海道 音春、ぴくっと何かに反応したかと思うと、徐に2,3歩、楽器店入口から距離を取り。そして口を開く。
「おいあんたら、」
言いかけたその瞬間、どこからかドドドドッという地響き。なんだ? と振り返る竹高と馬桐。
2人の視界に、むしろ2人目がけて、向かってきたのは女性ばかりの集団。
キャーーーーッ!! と黄色い声を高らかに上げて、この楽器店目指して我先にと走ってくる様子。それはもう鬼気迫る勢いで。
気付いた時にはすでに遅し。3秒後、二つの影は群れの中に埋もれていた。
「あぶねーぞと言おうと」
「ぎゃーーーーーー!?」
「みっちゃんのばかーーー! もっと早く教えろよおおぉぉぉ……っっ」
「……わり」
エコーがかかるかのように遠ざかっていく声たち。
あまり悪びれた顔をせず、音春は店の中へと消えた二人の無事を祈ったとか祈らないとか。
―― 数十分後。
「う……もみくちゃにされた……ひどい目に、ってタカ先輩、なんで顔赤いんですか」
「良い匂いのする、キレーなおねえさんに、挟まれた……ラッキー」
「……へんたい」
「すけべ」
冷めた表情をした馬桐と音春の台詞が重なった。
不可抗力だろ!? と楽器店前の通りに響く思春期の声があったとか。
ご拝読頂き誠にありがとうございます! お世話になっております、蒼色クレヨンでございます。
本文はあくまで一例です。
ようは、『ナニカに埋もれる』『むぎゅう』な主旨のシナリオ内容となりますので
なんとなーくそのような状況であれば、お好きにアクションを練って頂いて構いません☆
例1:満員電車の中……くっ、もはや亜熱帯……。蒸し暑くてクラクラしてきて、ぁ(よろりら)
……はっ。ロマンスグレーのおじ様が支えてくれて、庇うよう腕の中に入れてk……ぁぁ(萌えでクラリ)
例2:春のお散歩♪ わぁ、こんなところに菜の花畑! どこからか種が飛んできて広がったのかな?
えーい!(ダイブ) 青い空と黄色の景色。うーん癒される♪
※『むぎゅう』は無いが、お花に『埋もれてる』のでOK!
なお、本文登場のNPCたちはリアクションには基本出ない方向となりますのでご了承下さい。
(3人もNPC居たらさばき切れなゲフンゴフンッ! ほら主役は皆さまですので☆キュピーンッ ←)
本文NPCたちと、たまたま同じ場所にいてご挨拶、程度なら可。
(上記NPCたちがいる場所は、シーサイドタウンのとある楽器店前なり)
GAでご参加の場合は、どなたかお1人が『むぎゅう』的な状況であれば、他お連れ様が傍観状態でもOK!
ジャンルは「日常」「コメディ」となってますが、勿論学校生活の一場面やシリアスなアクションでも大歓迎!
また、(当方シナリオご参加経験者様方をはじめ)そろそろバレてきてると思われますが……
当方、アドリブ魔です(出来うる限りの凛々しい顔で←)。
スキあらばアドリブ入れようとします。かなり博打に近いので、「手堅く、絶対キャラ崩壊したくない」という方は、アドリブ設定を「B以下」にしていただく事をオススメ致します。
それでは、個性溢れるキャラ様達に出会えることを、心待ちにしております。蒼色クレヨンでした☆