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<三羽烏の襲撃2の3>寝子島高校が空に浮上しました
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●ループ:05・寝子島高校の入学式……対ハッチ&対クローネ班(6)●
【北校舎屋上:ハッチの中】
「えっ……? あれれぇ……?」
春山 小枝
は、不思議そうに周囲を見回した。と言っても、周りは真っ暗で、何も見えない。
すぐに小枝は、ハッチに憑依しようとして、踊り場で眠りについたことを思い出す。最後に意識が落ちる感覚があったから、ちゃんと眠れたと思う。けれども、いつもなら宿主のハッチの目を借りて、外の様子が見える筈なのに、今日は何故かそれができない。自分の存在も、何だかふわふわして頼りない感じ。
(あっ私、ちゃんとハッチくんの身体に憑依しきれてないんだ!)
ハッチに乗り移れないまま、小枝の意識だけがふわふわと、暗闇の中を彷徨っているっぽい。
「てことは、もしかして……ここはハッチくんの、心の中なのかな?」
そう言えば──眠りに落ちる直前、何だか物凄い衝撃と振動を感じた気がする。どうして憑依がこんな中途半端な状態になっているのかは分からないけど、もしかしたらあの衝撃が何か、関係しているのだろうか?
「あっ、いたいた。ハッチくんだー!」
暗闇の上の方から突然、スポットライトのような光が射し、その一画にエメラルドグリーンのあの小鳥の姿が浮かび上がった。小枝がぱたぱたとそちらに駆け寄ると、ハッチの方も気が付いて、
『ほう? 貴様は確か、我が第3女王様の……
あのはるちゃんとか言う小娘ではないか』
小鳥のくせにツヤッツヤに上気した顔で、相変わらず必要以上に元気そうだ。どうやらこちらはハッチの意識が可視化された姿、ということらしい。乗り移ろうとした宿主の意識と話すなんて、小枝にとっては多分これが初めての経験で、ちょっと新鮮。
『ククク……そうか。猛り狂う己が情動を抑えきれず、
居ても立ってもいられずに、この我輩を調教しに来たのだな?
フフ、この恥ずかしい女王様め……』
「ちがうよ!?」
そして相変わらず、マイペースな変態っぷりだ。けれどもハッチは、続いて小枝にこんなことを言った。
『だが、少々手遅れだったようだな……。
クローネ様の手厳しい調教のおかげで、我が命はすでに尽きた。
下等な人間よ、残念ながら貴様とのプレイを楽しんでいる時間は、もう無い』
「えっ……?」
ぽかんってなる小枝に、ハチドリが続けて話す。校舎と校舎のサンドイッチ攻撃を喰らって、実際のハッチの肉体は今、屋上で潰れて死んでいること。引力ろっこんの効果が切れ、現実の世界ではすでに、この北校舎の落下が始まっていることを。
(さっき感じた衝撃は……屋上に別の校舎がぶつかった時の衝撃だったんだ!)
ハッチにうまく憑依できない理由も、これで分かった。対象が死んでいるのだから、それも当然だ。
あまりの事態に棒立ちになる小枝の頭上から、パァ……と眩しい光が射し込み、ハッチもそちらを見上げる。
『そら、そう言ってる間にどうやら、お迎えも来たようだ』
「Σ 何か羽の生えた三角木馬的なモノ来たー!?」
天使の代役で遣わされたっぽい、その三角木馬的な物は、トゲトゲの生えた首輪的な物を、輪っかの代わりにハッチの頭上に浮かべると、ハチドリを乗せて空へと連れて行こうとする。パ〜〜ラ〜〜♪
「わーー!? 待って待ってハッチくん、まだ死んじゃダメー!」
小枝に慌てて引き留められたハッチが、もう心ここにあらずな顔で面倒くさそうに振り返る。
『何だ貴様、我は死ぬのに忙しいのだ。まだ見ぬ至高の女王様達が天国で、
鞭の音も高らかにこの我を今か今かと待ち受けているのだからな(わくわく)』
「ダメだってば! 天国に女王様なんかいないよー!」
『なに……そうなのか?』
パタパタと戻ってきてくれたハッチに、小枝はまだ混乱した頭で、ともかく必死にお願いをする。
「ハッチくん、聞いて。このままだと、講堂にいるみんなが死んじゃうの!
ハッチくんの能力が借りられれば、まだこの校舎の落下を止められる……
だからお願い。最後にあと1回だけ、私をハッチくんの身体に乗り移らせて!
我儘なお願いだとは思うけど! それしか、みんなを救う方法がないの!」
キョトーンと小枝の話を聞いていたハッチだったけど、特定のワードにはぴくりと反応して、
『我儘……ククク……このワガママな女王様め。貴様、それは「命令」だな?』
「め、めーれー?」
ハッチの食い付きに、小枝が必死に乗っかる。
「そ、そうだよ! だって私は、ハッチくんの第1女王様なんだから!
そう言ったのは、ハッチくんなんだから!
天国の女王様だとかクローネさんとか、他の人に浮気なんかしちゃダメなの!
ハッチくんの女王様はこの私だけ。
私の言うことは、絶対聞かなきゃダメなんだからっ!」
『──成る程、よかろう』
瞑目していたハチドリが、そう返事をした。「ほんと!?」と声を上げる小枝に向かってハッチは、
『ああ。どのみち死にゆくこの肉体、貴様の好きなように使うが良い』
けれども。それからハッチが、この小鳥に似合わぬ神妙な顔で、こう続けた。
『だが、本当にいいのか? 現実では、我が魂の器は、すでに命が尽きている。
小娘よ。そんな器の中に貴様が入り、強引にその肉体を動かそうとすれば、
これまで体験したこともないような凄まじい死の苦痛と激痛が、貴様の意識を襲うのだぞ?』
「えっ……?」
呆然とする小枝に、ハッチがそれで本当に良いのかと念を押す。
『この我ならばいざ知らず、ただの下等な人間の小娘に過ぎぬ、
貴様ごときに耐えられるような痛みでは、到底あるまい。
──それでも、貴様はやると言うのか?』
躊躇っている間に校舎が地上に激突して、全てがジ・エンドになりはしなかったから、自分が逡巡していたのは多分、ほんの数秒間のことだったと思う。それでも小枝にはその数秒が、長い長い永遠の時間に思えた。
頬に恐怖で溢れるものを手の甲で拭い、小枝は歯を食い縛って、こくりと頷いてみせる。
「うん。やるよ。私、女王様だから負けない。
だからハッチくん、私にその身体を貸して……!」
【北校舎:屋上】
びょうびょうと吹きすさぶ乱流に巻き上げられる、その金色の髪を押さえもせずに、
大天使 天吏
は降り立ったこちら側の屋上を、ゆっくりと見回した。
「……誰もいないのね」
ここは北校舎の屋上だけど、天吏は最初からこの場に居た訳ではない。龍目や風紀委員長と同じく、南校舎の方にいた天吏は、校舎と校舎が激突したあの瞬間、身を躍らせてこちらの屋上に飛び移ったのだ。
無論、助かろうと思っての行動ではない。クローネが予告し本当に実行した、講堂へのこの校舎の落下。その最高のショーを、いちばん良い席で見ようと思ったのである。
巨大すぎる物体によって、大気の層が次々に貫かれる、その絶叫にも似た風の音に、天吏はうっとりと耳を澄ませる。全ての柵がなぎ倒された、屋上の縁へとそっと歩み寄る。烈風に目を細めながら真下を覗き込めば、もう間近に迫った地上に、寝子高の四角い敷地と、講堂の灰色の屋根が、ぽつんと見えた。
「ああ、もうすぐなのね……!」
もうすぐクローネ様の望みが叶う。この校舎はあと1分も経たないうちに、あの講堂へと直撃して、中にいる大勢の人間の命を奪うだろう。もちろん天吏とて例外ではない。自分も衝突の瞬間に確実に死ぬが、後悔などある筈もない。
(それが、クローネ様の望みなのだから)
がくん。彼女のいるその屋上が、不意に建物ごと大きく揺れ、天吏はその場でよろけた。
「……何?」
この身を捧げる陶酔に浸っていた天吏は、苛立たしげに周囲を見回す。すぐに、風の音が変化していることに気が付く。落下のスピードが落ちているのだ。ブレーキでも掛かったかのように明らかに落下速度が変わり、断続的な振動が天吏の足許を揺るがす。
不意に天吏は、先ほどまでは見えなかったものが、この屋上にいることに気が付いた。
「ハチドリ……?」
鳥類アマツバメ目ハチドリ科の、世界最小の鳥。
自身の知識
を改めて紐解くまでもなく、天吏はその小鳥の名を知っている。三羽烏の1羽、ハッチだ。そのハチドリがいつの間にか、屋上の真ん中の1点に浮き、その翼を打ち振るってホバリングしている。
自分が今見ている非現実的な光景が信じられずに、天吏はそちらに近付く。近付いて見れば見るほど、その小鳥がボロボロの状態であることがよく分かった。視線を下に移すと、直下の床に血の染みと、そこにべったり貼り付いた羽毛や骨が見える。ほんのついさっきまでこの鳥は、ここで潰れていたのだ。
「……どうして? どうしてこんな状態で、動けるの?」
痛みなどまるで感じていないかのように飛び続ける、そのハチドリの姿に、天吏はひどく混乱する。
けれどもこの小鳥が、地上への校舎の墜落を何とか止めようとしていることだけは、よく分かった。クローネに命じられて、校舎を浮上させていたのはそもそもこのハッチの筈なのに、どうしてこの期に及んで、そんな余計なことをするのか。
分からない。けれどこのままでは、校舎の落下が途中で防がれてしまうかもしれない。
「させないわ……。クローネ様の望みを、叶えなければ……」
うわ言のようにぶつぶつと呟きながら、天吏はハチドリの後ろに忍び寄る。ハッチはこちらに気付く様子もなく、空中で何度もふらつき失速しながら、それでもなおその羽ばたきを止めようとしない。
今なら、その息の根を止めることなど、きっと、卵を握り潰すよりも簡単なことだろう。
天吏はそのちっぽけな小鳥に向かって、まっすぐに手を伸ばす。
【講堂:時計塔付近】
左右のろっこんが不発に終わり、北校舎が大きな影を落として、みるみるこの講堂へと迫る。
「も、もう駄目なのですーー!?」
空を見上げていた
椿 美咲紀
がギュッと目をつむり、彼女と同じく鐘楼にいた
八神 修
、
常闇 月
、
夢宮 瑠奈
、そして講堂の屋根にいた
恵御納 夏朝
の5人が、絶望に身を固くした、その時だった。
「いや待て。これは……校舎の落下速度が、落ちている?」
八神が真っ先に、その変化に気付いた。
落下スピードの変化はすぐに他の者にも目に見えて分かり、校舎は何度もブレーキを踏むような性急な挙動で、ガクガクとその速度を落としていく。
そして──講堂まで残り十数メートルという所で、ついに落下速度が相殺されると、つんのめるように一瞬浮き上がった校舎は、
ドゴオオオオオオオオオンンッ!
そのまま横倒しになって地面へと着地した。
「え……。助かった、のですか……?」
鐘楼の中で、月がまだ半信半疑の表情でそう呟く。激突の直前、直撃コースから外れたこの講堂は、傷ひとつ無く健在だ。
「うん。あたしたち、生きてるみたい」
ようやくその事実を信じる気になった瑠奈に、向こうから夏朝も喜びの声を上げる。
「講堂の中の皆も無事! 誰かが、あの校舎を止めてくれたんだ!」
ワッとその場にいた全員が、手を打ち合わせて喜び合う。
「「やったーーーーーーー助かったああああああああああ!!」」
【第1グラウンド(校庭)】
横倒しになった北校舎が、ズザザザと地面に大きな弧を描いてスライディングし、グラウンド端のネットに当たった所で、ようやく止まった。その途端、屋上の一画から転がり出るように飛び出した、1人の少女がいた。階段の踊り場で眠っていた、
春山 小枝
の本体だ。ハッチへの憑依が解除されて、小枝の意識が元の自分の身体に戻ったのである。
「ハッチくん! ハッチくん!?」
小枝は、先に地上に振るい落とされていた、もう1人の少女の所へと駆け寄る。
その彼女──
大天使 天吏
は、ぼんやりした表情で、グラウンドに突っ立っていた。天吏がお椀の形にしている、その手を掴んで覗き込み、小枝はそこに横たわっていた小鳥の残骸を見る。
「ハッチくん……」
ハチドリはすでに事切れていた。
けれども、これは天吏が殺したのではない。天吏は結局、ホバリング中のハッチには手を触れることも出来なかった。それが、クローネの意志に背く行為だとは分かっていても。
天吏に、鳥は、殺せない。
ハッチに乗り移った小枝が、借り物の引力ろっこんで校舎の落下を止めるのを、天吏は最後まで、ただ見ていることしかできなかったのだった。
小枝はその彼女から、そっとハッチの亡骸を受け取る。とても軽かった。あとハチドリは死んでなお、ちょっとどうかと思うほど恍惚とした、幸せそうな苦痛の笑みを浮かべていた。
小枝が、天吏に言うともなく、ぽつりと言う。
「あのね、ハッチくんがね……、
ハッチくんの意識が最後に、痛みだけ代わりに引き受けていってくれたの。
下等な人間の小娘には、この苦痛は勿体ないから、って。
だから私は最後まで……諦めずに、飛び続けることができたんだ」
そう言って小枝は、おずおずと天吏の顔を見上げる。
「ハッチくん、最後に何か、言ってなかった……?」
女王様ランキングがどうとか、何だか訳の分からないことを呟いていたわと、天吏が答える。それから、これは多分あなたの事を言ってるんだと思うけど……と前置きしてから、その一言一句をそのまま小枝に伝えてくれた。
──天国とやらに1人も女王様がいないとは、大変残念だ。
フム……ならば我輩はそこで何十年でも何百年でも、
我が第1女王様がやって来る、その日を待つことにしよう。
ククク……そうか。つまりこれが、究極の放置プレイというやつなのだな…… 嗚呼ッ!
★ハッチの女王様ランキング(最終)★
第1女王様……
春山 小枝
(↑)
第2女王様……
春山 小枝
(↑)
第3女王様……
春山 小枝
(↑)
第4女王様……
春山 小枝
(↑)
ハチドリ小枝、北校舎の講堂への落下を阻止。
講堂内にいた全生徒の死亡を回避。
存在消滅の危機に陥っていた、九夜山の幽体生徒の復活に成功
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3人まで
シナリオジャンル
学校生活
バトル
動物・自然
定員
50人
参加キャラクター数
47人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年06月11日
参加申し込みの期限
2017年06月18日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年06月18日 11時00分
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