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年の差を埋めることができたら何かが変わると思ってた。
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気が付いた時には既に
黛 結
は大人になっていた。
理由も、誰から年齢を奪ったのかも彼女は知らず、ただ自らの変化にだけ戸惑っていた。
(……目線が高い)
いくらか背が高くなったことで、着物の裾が少し上がってしまった。けれど今の結にはそんなことを気にかける余裕もない。
(大人になったら自然と健康になる、ってずっと言われてきた……けど。じゃあ、今、大人になったら?)
心臓が早まる。反射的に結は自分の体を抱きしめるが、一向に痛みは訪れず、結は信じられない気持ちで己の手を見つめた。
白く、枯れ枝のようだとばかり思っていた手。今目の前にある手も、あまり大きな変化は見られなかった。
(でも……大人になったら、っていうのが本当なら今のわたしは『健康な体』のハズ)
「……今なら、どこにだって行ける気がする」
声に出してみることで、ますますその思いは力を持った。腹の底から結を支えてくれるような気がした。
(シーサイドタウンに行ってみよう、かな。浜辺に下りたり……駅前で普通に遊んだりも、してみたい)
ゆっくりと駅に向かって歩き出す。電車に乗ってどこか出掛けよう。そう考えるだけで、結の胸は熱くはずんだ。
(旧市街の歩きなれた道も、なんだか違う場所みたい)
例えば普段は気に留めないポスターが目に入ったり、看板の上で眠っている猫と目が合ったり。
(大人になるって、こんな風に、物の見え方が変わるんだ。
でもそれって少し、こわくもある……かも)
結は変化に抗うように足を止める。
そうすることで、ようやく草履が少しばかり窮屈なことに気が付いた。
それは本当に、わずかな変化だった。痛みを感じないほどの、微かなそれだ。
(足も、大きくなったんだ……)
踵がわずかに 草履からはみ出る。
普段だったらとっくに休憩してるような距離を歩いてきた。けれどまだ疲れはない。
「……本当に、早く大人になりたいよ」
ふと結は目の前の景色から顔を逸らす。その先にあったお店の窓に結の姿が浮かび上がる。
草履のためにかえって背筋がしゃんと伸び、立ち姿はいつもよりも美しく見えた。
電車に揺られシーサイドタウンに移動してからは結はクレープを買ってみたり、路上ライブを眺めてみたりと駅前を満喫していた。
そんな最中「もうすぐフラメンコショーが始まる」との呼び声につられ、ドキドキしながらバルに入ってみる。
バルはつまるところバー。お酒のイメージが強かったが、喫茶店みたいなものらしい。珈琲なども用意してある。
結のところに飲み物が届いた辺りでフラメンコショーが始まった。
始まりは真っ暗闇の中。ギターをかき鳴らす音が響いたかと思うと、そこに重なるように足を踏み鳴らす音が入る。
中央に薄明かりが灯り、その明かりが強くなるに連れて音が大きくなっていく。
男性と女性が勇ましい表情でタップを続け――そして唐突に華やかにスカートが翻った。
(すごい……)
赤と黒。結もよく合わせる色だ。お気に入りの羽織が紅いため、制服を着ている時なんてだいたいその組み合わせになる。
フラメンコもその2つの色を非常に美しく組み合わせていた。
陰鬱な空気と、それを振り払うような圧倒的な情熱と。
思わず魅入ってしまう。
あんな風に踊ろうと思ってできるものなのだろうか。想像してみる。けれど体力の有無以前にとてもあんな激しいステップを美しくこなせるようには思えなかった。
一曲終わったところで、舞台上に一人の女性が加わった。
「ゲリラ参戦。今日だけの特別!
マリベル・ロイス
!」
お店にそんなアナウンスが流れたかと思うと、その女性は激しいステップを踏んだ。
それが始まりの合図となり、次々と順番にステップを踏み始める。
次第に客席からも「オレ!」等、歓声が飛び交い、会場中が熱気に包まれる。
ちびちび珈琲を飲んでいる人間など一人もいない。
結も一緒になって手拍子を叩き、クライマックスに向けて胸と掌とに言いようのない熱が溜まっていった。
「オレ!!」
見事なクライマックスだった。結は手が赤く晴れるほど、夢中になって拍手を送った。
だから最初は気が付かなかった。視界が歪んでいるのも興奮のせいだと思い込んでいた。
「……?」
けれどそのうち誤魔化しが効かないほど体が重くなっていき――
(なんで、だろ。椅子に座ってもいられない……)
結の体はゆっくりと傾き、地面に吸い寄せられていった。
(でもだって、わたし、大人の体で、健康に、なったのに……わたし、大人になっても、健康にはなれないの?
そんなの……)
「大丈夫か?」
崩れ落ちるギリギリのところで舞台上から駆け寄ってきたマリベルに抱き、支えられる。
結に触れる腕が熱い。薄っすらと汗の滲んだ彼女は、羨ましいほど生命力にあふれていた。
(つらいからって、少し混乱してたのかな……こんなのは慣れっこだし、休憩すれば大丈夫。大丈夫)
「……だい、じょうぶです」
どうにかそう告げると、体を縮めて、息を吐いて、吐いて――呼気と共に胸の中に燻る重苦しい感情も全て体の外へ吐き出した。
「無理したらあかんで? 若い内の無理は後んなってから後悔するからな?」
「……はい。ありがとうございます」
いかにも外国の血が混じっているビジュアルで、関西弁というのは妙なコミカルさがある。それは彼女の性格もあるかもしれないが。
その為余計に彼女の言葉はすとんと結の中に入ってきた。
(……結局大人の私も、今の私と地続きだって事、だよね)
大人になったからといって、突然別人になれるわけじゃない。
(私も、ちゃんと。成長、しなきゃ……だ)
いつかのために、今から頑張ろう。決意を胸に、結は店を後にした。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
つるこ。
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
オールジャンル
定員
15人
参加キャラクター数
16人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年04月09日
参加申し込みの期限
2017年04月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年04月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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