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年の差を埋めることができたら何かが変わると思ってた。
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休日だというのにまだ早いうちから、化粧をして上品なブラウスとスカートに着替えて
神嶋 綾瀬
は自宅を出た。
そうして向かったのはレンガ造りのクラシックな店。賑やかなシーサイドタウンの風景に紛れるように佇む店で、店の前の小さな花壇には可愛らしいヴィオラの花がそよ風と戯れていた。
シックな看板には
「Pioggia d'aprile」
と記されている。
扉にはまだ準備中と書かれた札が掛けられているにもかかわらず、綾瀬は迷わず扉を開けた。
「……?」
彼女は休日になるといつもこの店の手伝いをしている。それが休日の日課で、今日も変わりなく勤めるはずだった。
(なんだろう……見慣れた店内なのに、いつもと違うような……)
店内を見渡すでもなく、扉を開けた瞬間に違和感を覚えた理由は、彼女自身もわかっていた。
いつもあの人のいる場所にいる、あの人ではない誰かがいる。
おそらく高校生か大学生くらいだろう。
しかしその年で音楽のディープな世界に足を踏み入れる人自体は少なくはないため開店前であっても、お客さん側としている分には違和感を覚えるほど、強い感情は抱かなかっただろう。
けれど彼は『あの人の場所』にいるのだ。
(でも、なんでだろう。違うと思ってるのに……)
「……店長?」
思わず綾瀬はそう呼んでしまっていた。
そう呼んでも数瞬の間、少年は綾瀬に背を向けたままだったが、しばらくするとためらいがちに振り返った。
外ハネの癖のある短い黒髪、白い肌、深い夜のような青い瞳、そして右目下のほくろ。
見れば見るほど少年はあの人に似ている。
それにジレとベストを重ねた大人びた幼さの残る彼にこそちぐはぐな印象を覚えるが、あの人は好んで身に付けているファッションでもあった。
(……似てる)
目の前の少年は若くて……けれど、はっきりとあの人の面影があった。
少年はサイズの合っていない眼鏡外し、あたりを見渡してから恐る恐る口を開いた。
「えっと……店長って、もしかして僕のことですか?」
その声を聞いた瞬間、綾瀬の胸は大きく跳ねた。
(嘘……でも……)
声は今のあの人と比べればはるかに幼い。けれど、間違いなく記憶の中の、過去のあの人と一致する。
「……ごめんなさい、人違いだと思います」
そう謝罪しながらも胸の奥に何かが引っ掛かったままになっていた。
「あの、失礼ですがお名前伺っても?」
ありえない。そう思いながらも、綾瀬は尋ねずにはいられなかった。
少年の顔にはありありと戸惑いが浮かぶ。それでもおそらく彼もまた何かが引っ掛かっていたのかもしれない。細く息を吐いてから、綾瀬の問いに答えたのだった。
「
樹雨 蓮太朗
です」
彼が名乗った後、綾瀬が同じように名前を伝えると彼もまた綾瀬と同じように驚いてみせた。
曰く、気が付くとこの店にいたのだという。どうしてかまるでわからず途方に暮れていたところで綾瀬が来たらしい。
「でも……よかった綾瀬ちゃんが来てくれて」
それからレジ近くの席に腰を落ち着け、彼はポツリポツリと綾瀬に質問をし始めた。
話が弾むとは言いがたかったが、綾瀬は答えられる範囲で彼の疑問を解いていった。
「……そっか。僕は夢を叶えたのか」
「夢?」
「果たせなかったプロの夢と引き換えに、少しでも音楽と触れ合える……沢山の人が音を楽しむ、自分の店を持つって夢」
夢を語る彼の表情は、明るいとは言えない。けれど暗いとも言えず、複雑というほかなかった。
彼に寄り添うように佇む
サックス
を彼は撫でた。その手つきはぎこちなく、どこか他人行儀だ。
黒く輝く相棒を恐る恐る抱え上げると、抱え上げた時以上に慎重に口をつけ息を吹き込んだ。
低く深い音色からゆっくりと、柔らかく音を上げていく。
ひと通りサックスの音色を確かめると、彼はサックスを置き、今度こそ慈しむように掌で曲線をなぞった。
「それにしても綾瀬ちゃ……さんは高校生か。小学生の頃より更に綺麗になったね」
「……高校生?」
若く見られたという喜びが生まれるよりも早く、綾瀬は首を傾げる。
(小学生から見れば、高校生も25も変わらないのかもしれないけど……)
綾瀬はそう思いながらも、鞄から手鏡を取り出して自らの姿を確認した。
そこに映っている自分は、今朝化粧をした時と大きな変化はなかった。
けれど目元や肌は、朝に比べて妙にハリがあり、何よりも化粧で隠しきれずにうっすらと浮かんでいた目の下のクマが跡形もなく消えていた。
「……若返って、ますね」
(……同じ症状? けれど、彼は記憶がないようだし……)
理由はわからない。
(……いつもと違ったことは来る途中に女の子と目が合った……だけ?)
それが一体何だと言うのだろうか。答えらしい答えは出ず、綾瀬は静かに首を振った。
彼にとって、唯一の拠り所とも言える綾瀬が言葉を失ったことで、店内には重苦しい沈黙が横たわった。
しばらくして冷静さを取り戻すと、彼は居心地が悪そうに身を縮めながら、チラリチラリと綾瀬に視線を送ってくることに気が付いた。
「そういえば今でも続けてるのかい、フルート。今の君の音が聴いてみたいなぁ」
彼としては単に話題を振っただけのつもりなのだろう。綾瀬だってそれはわかっている。
「君の初自作曲を聴いた時は感動したし僕にはない才能だったな」
けれど無邪気なその笑顔が、その気遣いが綾瀬の胸に影を落とした。
けれど答えないわけにもいかない。綾瀬は意識的に口角を上げて、目尻を緩め口を開いた。
「フルートは……やめたんです。ちょうど今の、この姿の歳の頃に」
彼は理由を聞こうとはしなかった。
(……彼は優しいから、きっと話したくない私の心も見透かされているわ)
わかった上で、綾瀬は幼い彼の優しさに付け入って何も答えなかった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
つるこ。
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
オールジャンル
定員
15人
参加キャラクター数
16人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年04月09日
参加申し込みの期限
2017年04月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年04月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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