【裏球技大会】落神多弾交叉飛球演武～前半の死闘～｜リアクション

【裏球技大会】落神多弾交叉飛球演武～前半の死闘～

【死合いに向けて】

　寝子高の校庭には、競技のためのラインがすでに引かれており、それが乱されないように水が大量にぶちまけられて泥濘を作っていた。
　ラインは蛍光のものなのか、うっすらと緑に光っているように見える。
「ふむ、まぁこんなものでしょう」
　そう言って、謎の男が地面を踏み固めている。
　夜なのに黒スーツにサングラスをしているこの男は、自らを寝子島文庫の社員と名乗ると審判を買って出た。
「まさか、本当に会えるとは思わなかったよ」
　そう言って、すっかりと様相が変わったグラウンドを見ながら北野寧々がおっかなびっくりと言う。
　まさか本当にこの出版社の社員に会えるとは思わなかったのだ。
「まぁ、こんな時間ですし、それに……」
「それに？」
「社会人ですから普段は会社にいるんで」
　はっはっはとおどけたように笑うその男は、どこまでも飄々としている。
「やれやれ、まっ、面白い死合になるってんならあたしゃ満足だから構わないよ」
「こちらも、有意義な時間を過ごせそうですね……そろそろ始めますよ」
「この目で見れるなんてね、あたしゃ運がいい女だよ！」
　そう言って、生徒たちを初期配置につかせていくその男を見て、これから起こるであろう死合に心を踊らせる寧々であった。

　さて、その肝心の初期配置だが以下のようになった。

初期内野
白猫組　　　　　　　　　　　黒猫組
 香月春人　　　　　　　　　　雨崎荒太郎
 如月庚　　　　　　　　　　　後木真央
 薄野五月　　　　　　　　　　夏神零
 桜庭円　　　　　　　　　　　柏田貴弘
 橘勇　　　　　　　　　　　　霧谷朧
 藤堂月乃　　　　　　　　　　逆巻天野
 東中居陽二　　　　　　　　　シグレ・ナイトウォーカー
 風鳥院鴇夜　　　　　　　　　二階堂旭
 山田花太郎　　　　　　　　　猫村翡翠
 瞬城真魚　　　　　　　　　　畑生言嗣

初期外野
白猫組　　　　　　　　　　　黒猫組
 小山内海　　　　　　　　　　回転院環
 北美浜薫子　　　　　　　　　的場カンタ
 高梨彩葉　　　　　　　　　　御剣刀
 旅鴉月詠　　　　　　　　　　八神修
 マウル・赤城・スティック　　綿会日華

　というようになっている。
　死合開始まで……あとわずか。

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