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足の痺れた日。
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5 茶室で続出
この前、『TABE=TYA=DAME』に遊びに行った時、店長の
小鳥遊 風羽
が今度茶室へ行くのだと話してくれた。その日が今日であると記憶していた
御巫 時子
は、梅の柄の若草色の着物姿で茶室を訪れた。
茶室に入る前に廊下に正座し、敷居を挟んだ畳の上に扇子を置く。丁寧に一礼してから、時子は正座したままにじりながら茶室に入った。
「慣れてますね~。茶室にはよく来るんですか~?」
先に茶室に来ていた風羽が、柔らかな笑みを浮かべて言う。
「はい。茶会には慣れています」
ちょっとはにかみながら答えて、時子は風羽の隣に座った。
「寮には茶室がないので実家を思い出して背筋が伸びますね」
「時子さんの実家に茶室があるんですか~。すごいですね~」
風羽は僅かに目を大きくした。本当に驚いているらしい。
「広くて、鳥さんがたくさん飼えそうですね~」
広い屋敷で鳥達がのんびりしているところを想像しているらしく、風羽は憧れをその顔に乗せる。一声も発していないが、一応、森宮 檎郎も畳の上で正座している。珍しく緊張しているようだ。
女性2人とぼたもち1羽が和やかに話をしていると、灰色の髪をきっちりと詰めた和服姿の女性が入ってきた。綺麗な着物を身に纏った上品そうな女性は、お盆に乗ったぼたもちを3人の前に置くと微笑んだ。
「初めての方達もいらっしゃるのね。私は、春霞 緑(はるがすみ みどり)といいます。今日は楽しんでいってくださいね」
そして、緑は用意してある茶器の前に正座した。ニコニコしている彼女の前で、時子と風羽は出されたぼたもちを食していく。
「あ、あの、お茶が出る前に甘いものを食べちゃっていいんですか?」
慌てたように言う檎郎に、緑が一瞬びくっとするような鋭い目を向けた。それに気づいた時子が丁寧に説明する。
「先に食べてしまうのが茶会の作法なんですよ」
「私はTV番組で知りました~。間違えると、馬や犬がいる幸せ部屋に行けるんですよね~」
「そ、そうなんですか……」
檎郎もぼたもちを食べ始める。スーパーやコンビニで売っているものとは味が違う。確かに美味しい。彼が生んだ緊張感はどこかに消え、茶室には緩い空気が戻ってきていた。
「時子さんの家の鳥さん達はどうですか~?」
「うちのヨタカさんと雷鶏さんはマイペースに元気に過ごしてますよ。ぼたもちさんもお元気そうで嬉しいですね」
『元気だよ! 毎日楽しいよ!』
ぼたもちがピピッと鳴く。
その頃、庭では――
散歩をしていた
佐藤 英二
は、通りかかった風流な庭の前で立ち止まった。満開になった梅の花。その下にある、丸石で作られた小さな池。そこで泳ぐ鯉。ししおどし、あえて形を揃えていない石畳の歩道。
その景色に、英二は目を奪われた。庭の入口には『←』と、順路を示すように木の
惹かれるままに、石畳に一歩、二歩と踏み出す。
(こんなところがあったのかー。学校で話題にできるかも……)
授業の休み時間に友達に話をしている自分を想像しながら、英二は歩いていく。すると、前方に庭を見物している少女がいた。物静かな、どこかクールな印象のある少女だ。
(隣のクラスの子だ。陸上部でよく見るよなあ)
彼女――
椎井 莉鳥
は英二の足音に気がついて振り向いた。
「…………」
黙って自分を見つめる莉鳥に、英二は声をかけてみる。彼には最近気になる子ができたから、ナンパではない。ちなみに、その子とカップルになれる気配は微塵もない。
「こんにちは。ここの家の人だったんだ?」
もしそうなら、こんな素敵な庭を見せてもらったお礼をしようと思ったのだ。だが、少女は数秒間「…………」と黙った後、首を振った。
「そうなんだ。ここの庭、なんだか癒されるよね」
「ええ……。赴きがあるわよね。春の陽気に誘われて……というわけじゃないけど、何となく気が向くままに散歩していたら、ここを見つけたの」
ぱっと見ると無表情だが、英二には莉鳥が笑ったような気がした。
(あんまりしゃべるタイプじゃないのかな……)
そう察した英二は、莉鳥と2人で静かに庭園を歩いていく。そう歩かないうちに、家の縁側の前に出た。
「あら~?」
のんびりとした声が聞こえて振り向くと、和室で茶会をしているようだった。
「どうですか~? お2人も~。美味しいですよ~」
英二と莉鳥は顔を見合わせ、揃って茶室に近づいていった。莉鳥にも英二にも、特に断る理由はなかった。
――そして、皆の足が痺れてきた。
(うっ……足が痺れて凄くピンチ)
お茶は、参加者全員に同時に出されるものではなく、端から順に出されていく。時間はゆっくりと、ゆっくりと流れていて、慣れないことをしなきゃいけないという緊張から背筋は伸び、足はどんどんと痺れていく。
足をくずしたいのはやまやまだが、目立つのは避けたいし、と頑張って耐える。内心で汗を掻きながらそっと周りを伺うと、誰も足を崩していない。皆――檎郎は特に、顔が強張っているように見えなくもないけれど。
(な、なんとか終わるまで頑張ろう……!)
仕方なく気力で耐えつつ、何とか足の位置を動かして状況改善に努める。しかし――
(し、しびれっ……!)
動かしたことで、痺れは一気に悪化した。びりびりと足を包み込み、襲ってくる感覚に言葉を失う。
(で、でも今だけだっ! この痺れを乗り越えたら……!)
――茶室に上がった莉鳥は、紹介されたぼたもちというボタンインコをまじまじと見つめていた。
(茶室にインコを連れてくるなんて、大丈夫かしら?)
ものすごく不自然な状況の筈なのに、ボタンインコはすっかりこの空間に溶け込んでいる。変ですよと言う者もいないし、何より、茶室の主が何も言っていない。
ぼたもちは、大人しく風羽の肩に留まっている。まるで、空気を読んでいるようだ。
(……ちゃんと躾けてるなら大丈夫なのかもしれないわね)
とりあえずそう結論づけて心配するのをやめた莉鳥は、お茶の席を楽しむことにした。
それからしばらく――
少しずつ足の感覚が消えていき、やがて、痺れが襲ってくる。
例えれば、稲妻が足の周りで発生し続けているような感じだ。
(くっ……まいったわね……)
正座から、楽な姿勢に帰るのは難しい。なにしろ、ここは作法を重んじる茶室だ。友達の家の和室のようにはいかない。
「……! ……!」
表面上のポーカーフェイスを崩すことはない。しかし、莉鳥の変化に気づいた檎郎が声を掛けてくる。
「椎井さん、顔色悪くない? どうかした?」
「そうですか? 気のせいですよ」
涼しい顔をして答えると、檎郎はどこか残念そうな顔になった。体調が良いと答えて残念がられるとはどういうことか。
(この人、誰かが足を崩すのを待ってるの……!?)
彼には、最初に自己紹介した時に「しりとり?」と言われたし、あんまり良い印象は持てていない。
(早く終わってくれないかしら?)
最早、お茶や茶菓子や外の風景どころではない。最初に足を崩してなるものか、と彼女は懸命に痺れに耐えた。
(足が痺れてしまいましたね)
正座には慣れている時子だったが、彼女も何故か足の痺れを感じ始めていた。
(正座のし過ぎでしょうか? 今日は、家でもずっと縁側で正座して、鳥さん達とお話してましたから……)
家の縁側では、2時間ぐらいの時を過ごした。その時は痺れなかったのだが。
「時子さんは、星ヶ丘寮に住んでるんですよね~」
「はい。中は和室で、ベランダではなくて縁側がついているんです。今日はそこで、庭の花をめでながら鳥さん達と世間話をしてました。鳥さん達は逞しいですね」
自然の中で強く生きる小鳥達の話で盛り上がる。すると、それにつられたわけでもないだろうが、茶室にスズメが一羽、入ってきた。スズメはちょんちょんと小さくジャンプしながら茶室を周り、参加者の背後で止まっては、その足の裏をつついていく。
「うわっ……」
「…………!」
英二や莉鳥が連続して足を崩す中、時子も足の裏をつつかれた。
「!!!」
声は出さなかったが我慢できず、時子も足を崩す。「あら~?」とびっくりした顔をした風羽に、時子は苦笑を浮かべた。
「……足が痺れる事が無かったので久しぶりの感覚です」
「痺れてたんですね~」
「緑さん、痺れが取れるまで居させてもらってもいいですか?」
「かまいませんよ。ゆっくりしていってくださいな」
時子が尋ねると、緑は怒らずに笑ってくれた。英二がほっとした顔で縁側に移動する。それを見て、緑はすっと立ち上がった。足は全く痺れていないようだ。
「羊羹でも持ってきましょうかねえ」
そして、一人一人に羊羹と、薄目に淹れた緑茶を持ってきてくれた。
「ありがとうございます!」
英二は嬉しそうに、清々しそうに緑茶と羊羹を食べ始める。その横で、時子はホワイトデーの思い出を風羽に語る。
「あの時は、鳥さん達に喜んでもらえてホッとしました。風羽さんと見たイルミネーションも綺麗でしたし」
「あれは本当にきれいでしたね~」
風羽は湯のみを持ったまま、ホワイトデーの時の事を思い出しているようだ。
「時子さん、これからうちに寄っていきますか~?」
「はい、そのつもりでした」
笑って言うと、風羽はふふっと微笑んでぼたもちを撫でた。
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担当ゲームマスター
沢樹一海
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年04月02日
参加申し込みの期限
2017年04月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年04月09日 11時00分
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