１０１匹にゃんこ大移動！　にゃんころ星人ＳＯＳ！｜リアクション

１０１匹にゃんこ大移動！　にゃんころ星人ＳＯＳ！

■八神修と椿美咲紀の、いつもと違うにゃんこびより
　さて、色々省くようで申し訳ないが修と美咲紀はにゃんこＵＦＯの墜落現場に居合わせていた。
　野次馬が『映画？』『事故？』『やばい？』といった単語を呟きながら集まってくるのを横目に、抱きかかえたにゃんこ星人から話を聞いた。
「シューくん。人が沢山集まってきてるのです。このままだと……」
「ああ、よくない事態だ」
　頭の良い修である。この事態から想定できる『よくないこと』が既に１００通りは頭に浮かんでいた。
「誰かに任せられる事態じゃない。仮にできたとしても、俺らは黙って見過ごせない。そうだろ？」
「もちのろんなのです！」
　ぐっとファイティングポーズをとる美咲紀。
　修もそれでこそと頷いて、そして再び思案した。
　といっても修の思案は『ひとやすみひとやすみ、ぽくぽくぽくちーん』とかいうやつではない。高速でプログラムコードを流していくコンピューター画面のそれである。意識をぐっと集中させて脳をスマートにして、できうる限りのことを考えた。
　まずは野次馬の対策だ。美咲紀が『ここはシューくんに任せます！』というテンションになっているのは見てわかる。こっそりろっこん能力を使って何かを演出するか？
　……などと思っていたら、頭上を発煙筒が回転しながら飛んでいった。しかも着火状態。
　こんな状況で火の付いた発煙筒を投げ込む人がいるとすれば、それは自分と志を同じくするものだ。
　しかしこれ一個ではろくな煙は出ないだろうから……。
「よし」
　修はろっこん能力で発煙筒の包装パーツを分解。一瞬にして大量の煙を開放させた。ぶわっとおおきな煙が周囲を包み込む。
　それに応じて『あぶないぞ！　ふせろ！』と叫ぶ男性の声。
　今だ。
「美咲紀、できる限りのにゃんこ星人をつれてこの場を離れよう。足はすぐに用意する」
「さっすがシューくんなのです！」
　体力仕事もバッチリなのです、と言いながら美咲紀はにゃんこ星人をわしわし抱えて走り出した。
　修も同じようににゃんこ星人を抱え（そして抱えきれない分は走らせて）その場を離れながら……。
「しかしあの声、どこかで聞いたような」