１０１匹にゃんこ大移動！　にゃんころ星人ＳＯＳ！｜リアクション

１０１匹にゃんこ大移動！　にゃんころ星人ＳＯＳ！

■仙藤紫は見逃せない
　本土にいる友達に会いに行く時、寝子島グルメは役に立つ。
　商店街のケーキ屋さんでネコミミのついたショートケーキやネコの顔みたくなったロールケーキを買っていくと喜ばれるのだ。
　世の中にネコが嫌いなひとなんていない（と思う）ので、寝子島のネコっぽい商品は大変ウケるのだ。
　しかし今日はちょっと買いすぎてしまっただろうか。いやいや余っても冷蔵庫に入れとけばいいわよねとばかりに気を取り直した、その時だった。
　すぐ近くで突然の爆発。
　何か、どう見てもネコっぽい何かが猫耳のついたＵＦＯと共に落っこちてきたのだ。
　またまたーフシギ現象もやってくれますなあとのんきに構える紫ではない。
　近くにいたというだけで、関わる覚悟は出来ていた。
　まずは現状把握だ。
　紫は現場へと駆け寄った。
「大丈夫？　怪我はない？」
　周辺では紫が一番近かったのか。そして爆発現場にダッシュで駆けつける人がそうそう居なかったのか、まだ誰も到着していない小洞窟に紫は一番乗りでやってきた。
　壊れたＵＦＯの周りからにゃんこ星人がよろよろと出てくる。
「たすけてほしいにゃー。おなかがすいたにゃー。かえれないにゃー」
　お腹がすいたなら……と思ってケーキの箱を開いてみる。
「ケーキだけど……食べる？」
「いただきますにゃー！」
　わーいと言ってそれぞれケーキを手にとるにゃんこ星人たち。サイズがサイズなのでちっちゃくて可愛いなあと思っていたら、一分も立たずにぺろりとやってしまった。
「……まだちょっとお腹すくにゃー」
　胃袋はちっちゃくないのね、と思いつつ立ち上がり、そして野次馬に気づいた。
　現状が把握できていないようで、まだ遠巻きにこちらを囲んでいるだけだ。しかしスマホを取り出して撮影しまくるのも時間の問題。
　このままでは大事になる……そう思った矢先、何かが煙を噴きながら飛んできた。
「あぶないぞ！　みんなふせろ！」
　どこからか男性の声がする。
　続いて自動車の走行音。
　煙を突き抜けて現われたのは、ちょっと高級そうな車だった。
　扉が開き、女性が顔を出す。
「乗って！　その子たちと一緒に！」
　よほど急いで来たのだろう。車のあちこちがへこんだりこすれたりしている。
　紫は頷くと、にゃんこ星人たちをつれて女性の車へと飛び乗った。