１０１匹にゃんこ大移動！　にゃんころ星人ＳＯＳ！｜リアクション

１０１匹にゃんこ大移動！　にゃんころ星人ＳＯＳ！

■恵御納理沙は主婦である
　そしてインターネットを活用すれば大体のことはできる日本であっても、只管安いパン屋さんや海外産の化粧水を半額以下にするディスカウントストアには行きたいものだ。そして大量に重いものを買い込むことになるので、車は回したい。あともう一つ理由があって……。
「パンのセールがあるなんてラッキーだったわ～。他にも色々買い足したし……」
　夫の車を合い鍵で開いて荷物を積み込み、これで暫くは安心だぞと日常的な満足感に浸った……まさにその時である。
　ずとん、という轟音と共に遠くで煙が上がった。
　と同時に自動車のルーフにぽてんとにゃんこ星人が落ちてきたのだ。
「たすけてにゃー、みんなあそこにいるにゃー」
「あ、あらら……ど、どうしようかしら～？」
　頬に手を当てて狼狽する理沙。
　とはいえ困っている人（というかにゃんこ星人）を放っておくわけにはいかぬ。こちとら一児の母である。子は親を見て育つというが、お買い物の最中であれば困ってるにゃんこ星人を放置する子に育てるつもりはないのだ。
「わ、わかったわ……！」
　理沙は意を決して運転席に飛び込むと。
　キーを回してエンジンをかけた。
　シートベルトよし。前よし後ろよし、ついでににゃんこも助手席に。
　サイドブレーキを外しギアを動かし、アクセルを踏み込――んで急速前進。あやまって標識に車の角っこをぶつけ、明らかになにかへこんだ音を体感した。
　おっと。
　先程『もう一つの理由』の話をしていなかった。
「けど私、ペーパードライバーなのよ～！」
　夫に謝らねば。しかし、なんて言って謝ろう……？

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