寝子島から橋を渡ってちょっと北に、ちっちゃな洞窟がありました。
――とか言っておきながら背景はいきなり宇宙!
「タスケテにゃー!」
「ついらくするにゃー!」
ネコミミのついた円盤形UFOが地球めがけて落っこちていました。
そうです。よく大気圏突入とか言うときに見る赤くて熱そうなやつです。
とはいえいかにも宇宙から来たカンジのするUFOですから、大気圏くらいへっちゃらです。対大気摩擦流体構造とか反応分子変換鋼とかそういう難しい話はしない今回なのです。
しかし大気圏を越えたらとんでもない高さのお空に放り出されることだけは、話さなくちゃあなりませんね!
「もうだめにゃー! 落ちてぺちゃんこにされるにゃー!」
「脱出装置が使えるにゃ! 急ぐにゃー!」
「にゃー!」
語尾やUFOの造形から想像がついているかもしれませんが、頭からお花が咲いた柄とりどりのネコたちがUFOから次々に飛び出していきます。
ずっと後ろでおこる大爆発。
そして一回限りのパラシュートを開いて、ふんわりふんわりと下りていくにゃんこ星人たちの行き着いた先が……そう、最初に出てきた洞窟なんですね!
「ほわっ!? 昼間から花火デス!?」
お空で急に爆発が起きたもんですから、
トワ・E・ライトフェロゥはびっくりしました。
とはいえ一発限りの爆発なものでお空にスマホを向けてパシャパシャすることもありません。けれどなぜでしょう。周りの人は一点にスマホを向けてパシャパシャしているじゃあありませんか。
「なんデス? にゃんこの宇宙人でも沢山降ってきたデス?」
……とか思っていたら。
「にゃんこの宇宙人デス!」
小さな洞窟めがけて次々と降り立つにゃんこ星人、総勢100匹。
野次馬たちが次々と駆けつけていきます。
翌日の新聞は大変なことになるでしょう。にゃんこ星人たちはそれはもう非ニャン道的な目にあわされるに違いありません。難しい話はしない今回ですが、現実感だけはリアルなリアリティなのです。
「た、タスケテ……にゃ……」
そんな未来をぼーっと考えていると、足下の茂みからにゃんこ星人が現われました。パラシュートがうまく開かず一匹だけ違うところに落ちてきたにゃんこ星人です。
「ぼくたちの脱出ポットが、南の島に落ちたにゃ。島の真ん中にある山のてっぺんにゃ……そこまで、つれていってほしいにゃあ……」
ぷるぷる、がくっ。
死んでしまったのか!? あれだけの高さから落ちたし! と思いましたが、そこはにゃんこ星人。頭にお花咲いてるだけあってお腹がすいてぐったりしてるだけでした。統合細胞生命体とか代替機関とか難しい話はしませんが、にゃんこ星人はご飯食べられる限り不死身なのです。タマネギとかチョコレートもいけます。
「と、とにかくわかったデス!」
南の島の山といえばまず間違いなく九夜山でしょう。そのてっぺんまで連れて行くということなのです。
トワはにゃんこ星人を抱っこすると、洞窟へと走り出しました。
しかし頭のお花が『うなーん! うなーん! おなかがすいています! ごはんをください! うなーん!』とサイレンを鳴らすものだからさあ大変。
人だかりで大パニックのただなかではありますが……。
101匹にゃんこ星人の大移動がはじまります!
こちら、サンマカフェ特別企画『シナリオガイドをつくろう!』のコーナーから生まれたできたてシナリオガイドでございます。
■背景
あなたはなんやかんやの理由で寝子島のちょっと北の辺りにある人一人が入れる程度のちっちゃい洞窟的な場所……の近くにいました。
空で爆発がおきてにゃんこ星人が沢山降ってきていますので、それはもうあたりは大変なことになっております。
しかしあなたは群からはぐれたにゃんこ星人に助けを求められたり、助けを求めた友達に協力を求められたり、ないしは自ら『助けねば!』と思い立ったりしてにゃんこ大移動を開始するのです。
背景がちょっぴり長くなりましたので三行でまとめますね。
・にゃんこ星人落ちてきた!
・いろんな人が群がるぞ!
・助けなきゃ!
※テオからのお知らせ
割と大変そうな事態なので、一旦次元を切り離しております。
けどにゃんこ星人と混じるとわけわかんなくなるので、テオはお話に出てきません。ごりょーしょーくださいませにゃん。
■にゃんこ星人とは?
どういう理由で出てきたのかよくわかんない宇宙人です。
っていうか宇宙人なのかどうかもよくわかりませんし、可愛いのでそういうこと気にしないほうがいいのかなって思いました。まる。
にゃんこ星人は可愛くて、ご飯を食べられる限り不死身で可愛くて、でもちょっと時間がたつとすぐにお腹がすいて可愛くて、お腹がすくと頭のお花がサイレンを鳴らしちゃう可愛い生き物です。あと喋りますし歩きます。器用にものを持ちます。三行でいうとですねえ
・ご飯食べられる限り不死身
・すぐお腹がすいてサイレンがなる
・かわいい
■迷い猫のためのガイドライン
にゃんこ星人を送り届ける方法は自由に考えられますが、自由と言われても状況が複雑で困ってしまいますよね。
そんな時はこちらのガイドラインをご利用ください。
九夜山のてっぺんに落ちた脱出ポットに、101匹のにゃんこ星人を連れて行くのが今回のミッションです。一人ノルマ10匹くらいと考えてくださいね。なにも100匹全部を面倒見なくて大丈夫ですよ。
道中、ねこったーやらなんやらで駆けつけたヤジウマ一般ピーポーや、ここぞとばかりに撮影しようとする恐いマスコミや、危険だから捕獲しようとする屈強な業者の人なんかが現われます。中には捕まえて売っちゃおうとする悪い人も現われるでしょう。
そんな人たちを撃退したり遠ざけたり時には説得したりして、にゃんこ星人を連れて行くのです。
UFOに乗ってきただけあってにゃんこ星人はお外や乗り物を怖がらないので、基本的には電車や船なんかを使うことになります。
というわけで、パート分けして解説しましょう。
・出くわした瞬間、あなたは……?
空で大爆発が起きて気づけるので、外を歩いていてもいいですし、カフェでまったりしていてもいいでしょう。
今日は休日。どんな風に過ごしていたのかも決めておくと、この後の流れがスムーズになるかもしれませんよ。
・人だかりから脱出しよう!
ヤジウマが沢山いる洞窟付近から、ヤジウマを遠ざけつつにゃんこ星人を救出します。それはもう100はいますので、抱えてダッシュは難しいですね。にゃんこ星人は走れますが、中には怪我をしている子もいるので助けてあげねばなりません。
あと、周りにいる人たちになんかしら説明したいところですが……下手に説明すると10人が10人食い違ったことを言いそうなので、これぞという決定打が無い限りは黙って駆け抜けちゃいましょう。
この間にどっかでご飯を手に入れて置いたり、最初からなにかしらの理由で持っていたことにしておいてご飯を食べさせておきましょう。
・寝子島へ渡ろう!
九夜山は寝子島にあるので、まずは島へ渡らなきゃなりません。
徒歩だとキツいので、電車か船か、もしくは車ということになるでしょう。(車に乗せてもOKですが、詰め込みすぎるとわーっとなっちゃうので10匹が限度でしょう)
電車や船でも、駅員さんはネコを100匹乗せるのは普通ダメって言うので、かくして持ち込みましょう。
一人ノルマ10匹分は隠せないといけませんね。ここはひとえにアイデア勝負でございます。
更に言うと、車両(もしくは船室)の中でずっと隠しておくのは無理があるのです。
なんでかって、移動中にお腹をすかせてサイレンが鳴ってしまうからなのです。
少なくとも1車両分は自分たちだけにしておく必要があります。その上で持ってきたご飯を食べさせてあげましょう。
(この後寝子島駅からロープウェーを乗り継いで展望台前まで行きますが、アクションいっぱいになっちゃうので『同じ手で!』と書いても大丈夫ですよ)
・お別れ
展望台についたらにゃんこ星人はポットに乗って帰って行きます。
皆さんにお礼を言うと思うので、お別れをしましょう。
■団体でのアクションと単発のアクション
周りにいるみんなと協力していきたい人もいれば、一人で一人分の事件を解決したい人もいらっしゃるでしょう。
ということで、アクションには『他の人と行動』するか『ひとりで行動』するかを決めておいてください。
ひとりで行動する場合、自分が遭遇した1~10匹のにゃんこ星人を九夜山展望台まで連れて行くシングルミッションが始まります。