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星の降る夜<夜の散歩>
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「いらしゃい、いらしゃい。
お話聞いてるよ。ソフトクリームは人でも大丈夫だよ。ただ、トッピングは色によって少しだけ不思議になるよ。
いらしゃい、いらしゃい」
九夜山の麓にある、綺麗な芝生の生い茂る広場──声を掛けてきた大うさぎは『大』と付いても、耳を合わせて人の腰程度の大きさだった。
「ハーイ拾ってきました一つくださぁい!」
志波 武道
は、その光景を目にして一瞬真顔で瞬きを一つしてから。直ぐに、脳内を切り替えるように一気にテンションを上げて、大うさぎに声を掛けた。
「いらしゃい、いらしゃい。
トッピングは何にする?」
大うさぎが、一つのテーブルに置かれた、自分の身体に合ったサイズのソフトクリームメーカーで、早速淡いニンジン色のソフトクリームを作り始める。
「トッピングかぁ……赤いのとかおもしろそう!
でも青や緑も気になるんだよね」
「このソフトクリームは溶けづらいから、一気に頼んでも大丈夫だよ」
「それじゃ、お言葉に甘えちゃおっかな♪」
「小うさぎもたくさん食べるから、三つまで立てて置けるスタンドもあるよ。持ってく?」
「じゃあ、それで☆」
鬼河内 萌
は恐らくトッピングに使うのであろう、うさぎのスプレーチョコの並びを覗くように窺いながら大うさぎに尋ねた。
「黄色のトッピングは無いのかなぁ?」
「黄色?」
「うん、カレー味」
──流石の萌にも、これが無茶振りであることは分かっていた。
分かっていたが、聞かずにはいられなかった。ここに、カレー好きの業の深さが確かに存在していた──
「あるよ」
「あ、もちろん無かったら緑のトッピングで──あるのっ!?」
「うん。虹色で『食べたうさぎの、欲しい味になるトッピング』なんだけれども、まだ研究途中で『うさぎ的に、美味しい味になった例しがない』んだよ。それでも良──」
「うんっ! それちょうだいっ!!」
その結果……
「う、う……甘口と辛口と、フルーツとヨーグルトと蜂蜜の風味が『交互に』……ガクッ」
せめて同じ味として混ざっていて欲しかった──そう言い残して、それでも最後まで完食した萌は、力尽きて芝生の上に転がった──
「それじゃあ、赤をいただきます!」
武道の目の前に並んだ、赤と青のスプレーチョコがトッピングされたソフトクリーム。武道は勢いと共に赤の方を口にした。
「おおっ、からうま!!」
赤のソフトクリームは、ニンジンベースは完全になりを潜め、完全な唐辛子味。
大うさぎの気分で振りかけられたトッピングの量は半端ではなかったが、武道にはその辛さがまた堪らない。
「なんか元気になったけど体も熱くなってきたな!?」
一気に気力が湧いて元気になった武道は、急ぎ自分の熱で溶けそうになったソフトクリームを食べ終え、あまりの暑さから上着を脱いで隣の芝生に置いた。
「次は、青と緑のブレンド!
……結局、どっちにしようか迷った結果というか」
しかし、その大うさぎのトッピング。先に青を掛け、その上に緑を掛けた結果、
「おおっ、気分がスカッとする!」
と、緑の結果も束の間。
「これは、塩味──」
武道が青の層に辿り着いて、口に入れた瞬間。
「何だろう、このもやもや感……」
一気に気分が冷静に──を通り越して、落ち込み始めた武道の隣を、小うさぎがソフトクリームをもらいに横切っていく……
「……うさぎ、願い、ニンジン、エネルギー……」
今回、武道は小うさぎが一生懸命頑張っていたからこそ手伝った。
しかし、それは根底にある『うさぎがどういう存在なのか』という疑念の氷解には至らない。
「うさぎは、ニンジンを食べる……
流れ星に掛けられた人間の願いを集めて……感情も含めて、ニンジンやエネルギーに──」
食べ終えて、はたと我に返るが、心に残る思いは深く張り付いて離れない。
「しまったな、これ逆の順で食べればよかったか……」
今、目に映るうさぎ達は可愛い。一生懸命のところも好ましい。
しかし──今の情報から、考え事に結論を出したら、
「……効き目が切れるまで、数でも数えるか……」
それは──守りたい者を脅かす脅威以外の何物でも無いから。
武道は、敢えてそこまで考えないようにと、思考を上書きするように心の中で数を数え始めた。
「──うん、美味しいのですっ」
椿 美咲紀
はソフトクリームをぱくりっ。間も置かずに、もう一口もぱくっ。
「このニンジン味に、赤のほの辛いテイストがまた堪らないのです」
このソフトクリームはほどよい辛さ。どうやら大うさぎのトッピング技術は大分ムラがあるようだった。
「ああ、これは僅かにピリリとするのがまた美味しいな」
一緒に同じものを頼んだ
八神 修
も満足そうに頷く。
「それにしても春の夜長と言うですのに、だんだんと暑くなって……ハッ!」
美咲紀が手元を見ると、自分が発する熱でソフトクリームが、じわりと溶け出してきているではないか。
「……これは、早く食べないと零れ落ちてしまうな」
「ああんソフトクリームが溶けちゃうです~……!
シュー君! 急ぎましょうです!」
美咲紀の言葉を合図に、二人同時に目の前のソフトクリームを食べ始める。
最初は戸惑いながら、しかし段々とそれは美咲紀と修のスピードレースの様相を呈し始めてきた。
そして、お互いが、一心に溶けかけのソフトクリームを食べ──結果は、同時に口の中。
「む~……勝てなかったです」
「同時か。これは判定の仕様が無いな」
お互いが何気なく顔を見合わせて、お互いを称えると共に、楽しそうに小さく笑い合う。
「楽しかったのです! 他の味も美味しそう……」
修が暑さから着ていたパーカーを脱いで春の夜特有の心地よさを感じる間、美咲紀は大うさぎの方をじっと見つめていた。
……顔には『他の味も食べてみたい』と書いてある。
「シュー君、小瓶もっと集めましょう!」
「大丈夫だ。交換せずに提供しようと思っていた小瓶がまだかなりあるから、それを交換してもらおう」
その前に、他にも困っているうさぎはいないかと修が辺りを見渡せば、どの小うさぎ達も満足そうにソフトクリームを食べたり、まったりとしている。
これなら安心して次が食べられるというものだ。
そうして、体の熱が冷めた頃に美咲紀と修は、周囲の光景と春の気候を楽しみながら、今度は緑のトッピングでゆっくりと食べ始めた。
「あ、このソフトクリームおいしい」
まずは純粋な味から、とトッピング無しを選んだ
羽生 碧南
が、一口食べてその仄かに甘い味に、しばらく沈黙した。
そして、浮かんだものは。
「……実はこのソフトクリームは食べると、次の瞬間には異世界で、乙女ゲー『101人の王子様』もびっくりの『1000人の美形パティシエ王子様』が救世の神子として主人公を待っ──」
「「……」」
「ハッ!」
ソフトクリーム一つから、乙女向けゲームの脳内妄想突入を果たしていた碧南が我に返ると、大うさぎと共に
青山 絢
がカメラを手に、じっとこちらを見つめていた。
「もし良ければ、あなたとこちらの一匹で写真を撮らせてもらえれば、と思ったのだけれども……
邪魔をしてしまったようだったら」
「いえっ! 大丈夫! むしろ暇なのっ!
暇だと思ってくださいっ!」
むしろ『今のことは、どうか忘れてください』ばりに、碧南は必死に訴え掛けた。
そして、絢の手によりこの不思議な光景の一部がまた一枚写真に収められた楽しさを、碧南と絢はいつしか無言の内に共有していた──
無事に光のもとを集め切り麓まで辿り着いた
御剣 刀
が、広場の芝生に座り、隣には人形のルヴィアをそっと座らせて。
眼前に置いたソフトクリームを凝視した。
トッピングの色は、左から赤、青、緑の、大うさぎが説明したメニュー。
「人に出る効果か……いや、考えても仕方がない。
それに──どれも等しくソフトクリームだ」
何かに悟りを開いたように口にして確認すると、刀はさっそく赤に手を伸ばした。
「うん、辛いな……辛いのは苦手なんだけど、でも美味い」
そして、己の熱が上がり溶ける速度が倍になった残りを、それを感じさせない程に一気に食べ切る。
次は青。
「……」
先程とは打って変わった、さわやかなフレッシュにんじんサラダのような風味に、純粋に驚いた。
「この青いのも美味いな~、何だか爽やか……な……」
完全に食べ終わってから、刀が普段陥らないような心に一気に溢れる『この世の終わり』を思わせる重さ。
目に入るもの全てに良い感情が浮かばない。
しかし、その中で真っ先に脳に浮かんだルヴィアの事は、刀は決して考えないようにして、急いで次の緑を食べた。
「……美味い!」
口の中に広がるミント味の効果はてきめんだった。あれだけ落ち込んでいた重りが、心から一気に消し飛んだ。
「良かった……ちょっと、ルヴィアの事で悩んだけれども……平気だな。
よし、今度は青以外のソフトクリームも頼もう。隠し味もあるみたいだし、トッピングなしも捨てがたい」
三色完食。しかし、刀の食への欲求はまだまだ留まる所を知らずに、再び集めた小瓶を持って大うさぎの方へ追加に向かった──
一方、
綾辻 綾花
の方は小うさぎ達と非常にまったりとした時間を過ごしていた。
傍には、コンマ三秒で風味が変わるカレー味から復帰した、
鬼河内 萌
が膝にソフトクリームを食べている小うさぎを乗せている。
一緒に野原に座って、一緒にソフトクリームを食べる幸せなひととき……
「うさぎさん達が住んでいる世界には、人が遊びに来たりはしないんですか」
二足歩行のうさぎ、という存在に触れて、綾花が興味深そうに問い掛ける。
「うん。ぼくらは、ずうっと前から他の世界に遊びに行ったりしていたけれど」
ソフトクリームを食べながら、小うさぎの一匹が告げた。
「そう、ぼくらの世界は真っ暗だから、何も見えなかったの。だからお客さんが来てもどうなったのか分からないんだよ。
でも『光のもと』のお陰で、ぼくらは仲間や色んなものを見て知ることができるようになったんだよ。
今回の流星群も、最近出来た『ぱそこん』や『いんたーねっつ』ってやつで調べたんだ」
「……え」
綾花は、思い切り衝撃を受けた。
うさぎたちの格好などから、もっと絵本や児童文学に出てくるような、牧歌的なものを想像していたのに。
それがいきなりデジタル単語が出てこようとは……
「う……うさぎさん達は……ひとの畑で……キャベツを勝手に食べちゃったりはしないんですね……」
「しゅ、趣味でお野菜っぽいものを作っているうさぎもいるよっ」
「泣かないで。泣かないで」
この後、綾花は小うさぎ達に必死に慰められた──
「ん~……もう大丈夫かなぁ」
あれから、大分時間も立った中。
まだソフトクリームを持たず、瑠樹が辺りの様子を見渡していると、ふと同じようにまだ何も食べていない
小日向 奏
と目が合った。
「ソフトクリーム、食べないんですか?」
「ちょうど皆に届いたのを確認したから、ソフトクリームが残ってたらと思ってたんだよぉ」
「私もそれが気になって、丁度これからだったんです。
それだったら一緒に行きましょう! ニンジン味はきっと美味しいですよ!」
「……ニンジン……」
瑠樹の顔に『野菜は苦手』と書いてあるのを奏が即座に理解する。
「と、トッピングがあると味が変わるそうですよ。美味しく食べられれば苦手も克服できるかも!」
「うん……そうだねぇ、やっぱり一度は食べてみたいかも……!
オレ挑戦してみるよぉ」
「はいっ!
皆さん、二本目突入の人が結構いるみたいですから、食べなきゃ損ですよ! 行きましょう!」
そうして奏と瑠樹が頷きあうと、小瓶を持って大うさぎの元へ一直線に走って行った。
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3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
動物・自然
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年03月19日
参加申し込みの期限
2017年03月26日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年03月26日 11時00分
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