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星の降る夜<夜の散歩>
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「わぁ……!」
羽生 碧南
は夜こっそりと桜花寮を抜け出して、一人シーサイドタウンを歩いていた。
月の無い夜空は、深い黒のビロード生地にいくつもの宝石をひっくり返して、光に照らしたような星の輝きに満ちていた。
先の感嘆を最後に、言葉無く天上を見上げて無言で歩く。
始まった流星群を歩きながら見つめて、浮かぶ……今、碧南の心の中は──先程クリアした新作乙女ゲーム『STARLIT CAFE 星降る街の恋物語』のことで一杯になっていた。
スチルが、シチュエーションが、まさに碧南の胸に流れ星の如く輝いては消えていく。
最後に攻略した本條珪也ルートに至っては『碧南ちゃんお薦め乙女ゲーベスト100』の『号泣部門第3位』の悲恋ルートとして、そのトゥルーエンドに辿り着くまでには、本当に数え切れない挫折と蹉跌と悲しみが──
「ハッ!」
足が止まっていた──いや、それだけではない。
そのような碧南の周囲を、全長30cmくらいの小さなうさぎが取り囲み、その顔をじぃっと見つめていたのである。
「……見てた?」
「うん」
うさぎの即答。碧南は、恥ずかしさを隠しきれず顔面を両手で覆い、思い切り沈没した。
「(……うさぎ……)」
その様子を、肩を転がり落ちた虹色の物体を追った先で、
青山 絢
も目に留めた。
どう見ても幻覚を見ている規模の珍現象であったが、絢はそれもしっかりと収めようと、そっとカメラのファインダーを碧南の足元に集まるうさぎたちに合わせる。
「わぁ、あそこにうさぎさんが集まってるねぇ」
そして、他の面子同様に空の流星群と地上の虹色に誘われて。こっそり家を抜け出した
曖浜 瑠樹
が、碧南の周囲に集まっていたうさぎを見つめて、ほのぼのと笑顔を浮かべた。
瑠樹も過去に二本足の『うさぎ』を見た事がある。
志波 武道
の見たうさぎとは違い、その時のうさぎは『歳を取る飴』を配っており、それで高校生くらいになった瑠樹は
寝子高のねこまつりの手伝い
にこっそり向かったりしたものだ。
「うさぎさん、今回はどうしたのかなぁ?」
声を掛けられると、小さなうさぎがわらわらと碧南から瑠樹の方へと移動してくる。
「うん。あのね、あのね──」
そして、既に群れに近い数のうさぎが喋り出す光景を、先程からずっと硬直して見つめていた
小日向 奏
は驚愕を隠さなかった。
「ウサギが……ウサギが、歩いて喋っていますよ……!」
その声を聞き付けて、その場のうさぎが数匹、今度は奏のところへと集まって来た。
「あ、こっちにも──ぼくたちご挨拶を忘れていたんだよ。
『こんばんは』」
「えっ、あっ。はい、こんばんは、です……?
あの……こう……
最近のうさぎさんは、何というか機密事項とかじゃなくて──隠しもせず普通に喋っちゃうんですね……」
奏が、この現状にツッコミどころが多すぎて、視線を彷徨わせる。
その中でも冷静なのか、絢は人を見上げながら会話をしてあちこちに動く不思議なうさぎをしっかりと記録すべく。慎重に、写真で奏が写らないようにシャッターを押した。
小さいがパシャリという音が走る。
「あ、ここにもひとがいた。丁度良かったよ。こっち、こっち」
「え……?」
うさぎが何かを思いついたかのように、その短い手で人の足をたしたしと叩く。
その可愛らしい外見に誘導されて、抵抗する理由が思い付かないままに、絢を始めとして、瑠樹、碧南、奏が一か所に集められた。
「あのね、あのね。ぼくたち遠足なの」
唐突にうさぎが切り出す。
「集めて貰える、ソフトクリームが食べたいんだよ」
「思いついたの。ひとにも食べられるようにお願いするから、手伝ってほしいんだよ」
「うさぎさんの遠足かぁ。
遠足って、楽しいよねぇ」
瑠樹が幸せそうにうさぎの言葉にほのぼのと頷いた。
「でも、手伝い……何をすればいいのかしら……」
絢が極めて正しい疑問を呟く。
うさぎたちは即答した。
「『光のもと』集め!」
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「『光のもと』?」
椿 美咲紀
の言葉に
八神 修
との二人を囲んでいたうさぎたちは、いつしか正面に集まってその事情を説明していた。
「うん、今降ってきている玉は、その流れ星に人がお祈りした願いごとが詰まってるから虹色なんだよ。
それが『光のもと』」
「ぼくたちの世界には光がないから、それを街の街路灯につめたり、お部屋の灯りに置いたりして明るくするんだよ。
とっても大事なんだってみんな言うんだ」
ね、とうさぎ達は頷く。
「それを集めるとね、集めるとね」
しかし、どの話も最終的には、
「集めると、ニンジン味のソフトクリームがもらえるんだよ」
そこに帰結した。
「……事情は判ったのです。
シュー君。うさぎさん達の為に、お手伝いしましょう」
どこか思うところがあったのか強く決意を固めて言う美咲紀の言葉に、たまには『星を見る側から星を集める側』という機会も悪くはないと、修が同意の頷きを返す。
「そうだな。
しかし……人の願いか。
それが地面に落ちると砂になってしまうのはどうしてなんだ?」
「『ひとの願い事は、ちょっとの衝撃や、何かで落ちるだけで壊れてしまうから』っておばあちゃんが言っていたよ」
「……耳の痛い話だな。それは慎重に扱う必要がありそうだ」
修が思わず瞑目する中、うさぎの一匹が続けた。
「おとなのうさぎは、遠足で玉の形で持って帰った方が物凄く喜んでくれるんだよ。光がとてもきれいなんだって」
美咲紀が頷く。
「なるほど、それなら出来れば玉のままが良いのですね。何か良い方法はあれば良いのですが──」
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「なるほど、そんな事情が」
旧市街では
綾辻 綾花
に
志波 武道
と
御剣 刀
が、興味から期待に変わったうさぎ達の視線を一身に受けていた。
「ソフトクリームか……」
呟いた刀の瞳が、このような極めて稀な環境下でしか食べられない、高レアリティのソフトクリームに心奪われていることを訴えている。
「──うさぎさん。お手伝いしますから、後でそのふかふかの毛を触らせてもらってもいいですか……? 嫌でなければで良いんですけれども……」
「体の下はくすぐったいから、体の上ならいいよ」
そして、見るからに柔らかそうな、うさぎのふかふかの毛並みは、綾花の心を完全に魅了していた。
二人に関しては、改めて確認するまでもない。
しかし、武道は。
「うさぎ、うさぎかぁ……」
悪い思い出、を通し越した出来事が心から離れない。
こつん、と何気なく肩に落ちた虹色の玉をひょいと掬い取る。
「あっ、それ。
瓶にいれなきゃ。いれなきゃ」
「(でも……この子たちはどうも、いい子みたい?
……かわいいなぁ☆)」
武道は、思わずそのままうさぎに渡しかけた玉をじっと見つめた。
「(でも『光がない』か……)」
話によると、うさぎ達の世界には光が無い為、少し前まではお互いの姿も分からなかったらしい。
どう生活していたのか、そもそも生活していたのかも謎だが、
「(前のうさぎは、身体が保てないって言っていたが……
あのニンジンも、これに近い物なのかな)」
「お兄ちゃん、瓶、びん。早く」
小うさぎ達が、武道の足元でそわそわ動き回っている。
「……。よぉしっ、それじゃあ俺も手伝うぜぃ!
こんなかわいい子たちに、お願いされちゃったらお兄さん断れないって♪」
「あ……! それなら私、一度寮に戻って使えそうな道具を持ってきます。
あれなら、きっと玉のままで沢山拾えるかもしれません──!」
綾花が、うさぎ達とその場の人に言葉を置いて、必要な道具を取りに走り去っていく。刀は既に、その瞬発力で流れ星から落ちるように降って来る虹色の光を着実にキャッチしていた。
「(手伝っても良いかもしれない、少なくとも──この子達は一生懸命なのだし)」
武道は、確認するように心の中で強く決めて。小うさぎの一匹が差し出した小瓶の中に、ことりと玉をゆっくり落とした。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
冬眠
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シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
動物・自然
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年03月19日
参加申し込みの期限
2017年03月26日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年03月26日 11時00分
参加キャラクター一覧
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