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寝子島高校
【卒業式】春爛漫。寝子島高校の卒業風景
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【ふたりの糸つむぎ】
「よう、椎井。今帰りか」
恋人とは、何でしょう? 愛し合うとは一体、何でしょう?
「……ええ」
「んじゃ、帰るか」
虚ろに口へ出したところで、陳腐な言葉のわずか表層しか伝わらないことを、
北里 雅樹
もおぼろげに悟ってはいるのでしょう。
彼と
椎井 莉鳥
の関係とはつまり、そのようなものです。単純な会話や身体の触れ合いでは到底言い表せない……複雑に絡み合っていて容易にほどきがたく、丸まった糸玉のよう。
もう、終わってしまったのだとしても。
「今年の卒業式も、何というか。破天荒だよな、寝子高って……」
「そうかもね……」
他愛のない話をぽつり、ぽつりと交わしつつ、何とはなしに並んで歩きます。自然と、どちらからでもなくそうしていました。
「海原先輩のアレは予想外だったよな。真面目な顔してさ」
「ええ……」
「生徒会長の送辞は、良かったよな。いつもおちゃらけてるけど、やるときゃやるんだよなー」
「…………」
ぽつり、ぽつり。主に雅樹がとりとめもなくしゃべり、莉鳥はそれを静かに……聞いているやらいないやら。ときおり相槌が返ってこないこともないのが、ひとつ救いではありました。
元カノ。今は、腐れ縁。身体を重ねたことさえある相手なのに、雅樹にはどうにも、莉鳥が分かりません。
仏頂面ともいえない、さりとて無表情とも言い切れない、深みをたたえる莉鳥の横顔に、雅樹は思います。
(何で……だったんだろうな)
いまだに良く分かりません。なぜ莉鳥は、自分と一緒に進級しなかったのか。
今年の雅樹は苦手な体育の補習も追試もこなし、来年は無事、3年生です。本来ならかたわらの元カノも一緒に、そうなるはずでした。
(何が、おかしかったんだろう)
莉鳥が期末試験を脈絡もなく放棄し、留年を喫してから丸1年。その理由を莉鳥はいまだ語らないし、もしかしたら本人にも分からないのかも、とも思います。
赤点を取ってしまった時には、雅樹自身、留年してもいいかな。そう考えたりもしました。追試を放棄してしまえば、そう、去年の彼女と同じように……けれどそれとなく莉鳥に伝えると、彼女はまた一緒の学年になれることを喜ぶどころか、いつになく強い語気で
叱られて
しまいました。
(……わからない)
雅樹はひとり、かぶりを振ります。これまでにずいぶんと考えて、考えて、考え続けてきたはずなのに、どうしても分かりません。
彼女が何を思って、あんなことをしたのか。
もう終わってしまったはずの関係に、どうして自分がこんなにも、翻弄され続けているのか。
雅樹には、どうしても分かりません。
西日に目を細める彼の横顔を、莉鳥はそっと盗み見ました。
いつもと変わらない顔。いつもと変わらない関係。
もう、終わってしまったはずなのに。
夕焼けに染まりゆく町を何とはなしに歩いていると、ふたりはいつの間にやら、寝子ヶ浜海岸へとたどりついていました。浜辺はまだ少し肌寒くて陽気とは言いがたいためか、莉鳥たちのほかに人影は見当たりません。
(何……してるのかしら)
なぜ、ここへ来たのでしょう。帰るつもりが、やけに自然な流れのままに歩みを進め、今は来るつもりもなかった海岸の砂を踏みしめています。
そのことをどちらかが責めるわけでもなく、冗談めかして突っ込むわけでもなく。ふたりはあくまでふたりのまま、金色の空と白い波間の境目を並んで眺めているのです。
「……来年は」
そんな話をするつもりだって、別段無かったはずなのに。
「雅樹が、卒業よね」
「早いよなぁ……ついこの前高校入学したつもりでいたら、来年にはもう卒業だもんな」
彼はやっぱり、いつもの口ぶり。学生生活の終わりを惜しむそぶりはあっても、それ以上の感情をそこに見い出すことはできません。
「あんたは、島の外の大学に行くんでしょ」
ああ、そうだな。そのつもり。あらためて耳にした答えに、何かが腑に落ちたような気がして……途端にそれはあやふやになって見えなくなり、莉鳥は深く息を吐きました。
雅樹は卒業したら、島を出るそうです。
「椎井は? どうするんだ?」
「とりあえず、進学……かな。薬学部とか、医療系」
く、く、という声に彼を見ると、何やらこらえきれずといった様子で笑みを浮かべていて、
「何?」
「いや。椎井は白衣とか似合いそうだよな、って思って。想像したら、あんまりにもハマってるからさ」
「……そ。せいぜいバカにしてるといいわ」
「違うって、してないしてない! 本当に似合うと思ったんだ。間違いないって、絶対似合う」
くすぐったさを覚えて、ぷいと顔をそむけます。
そうして唐突に、胸の中へと実感が膨れ上がっていくのを感じました。
卒業したら、彼は……島を出るのです。
赤く染まる頬はもちろん、夕日の色。相変わらず表情に乏しい元カノの横顔から、雅樹がなにがしかの色を読み取ることはできません。
雅樹に分かることは、ひとつだけ。
本土の大学へ進学し、寝子島を出る日。あと1年。
卒業という言葉が、ふたりにとって本当の別れの時を告げる、アラームのように思えました。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
恋愛
定員
1000人
参加キャラクター数
38人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年03月18日
参加申し込みの期限
2017年03月25日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年03月25日 11時00分
参加キャラクター一覧
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