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寝子島高校
【卒業式】春爛漫。寝子島高校の卒業風景
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【彼女の描くもの】
やがて、生徒たちがぽつりぽつりと登校し始めた頃。校門から連なる、今年も見事に咲き誇った桜並木をキャンバスへととらえて、
三宅 葉月
はスケッチに没頭しています。
樹々の合間から差し込む朝日に照らされる、彼女の姿はまるで、森の精霊。今日の彼女は何の変哲もない制服姿でありながら、そのように表現しても違和感のない美しく静謐で神秘的な葉月の容貌は、とにかく人目を惹きました。
(……卒業、ね)
ともすれば胸から湧き上がる想いをそのまま塗り込めるように、葉月は筆を走らせ続けます。
「あっ、すごーい!」
日の光を遮って、視界へ映り込んだまぶしい卒業生たちの姿に、葉月はふと目を細めました。
「ねえすごいよこの子、すっごい綺麗な絵!」
「あっほんと、絵が上手いのねーあなたって!」
「……どうも」
3年生の明るい女子たちは葉月のスケッチブックを覗き込み、ひとしきり感心してから、彼女へこんなことをお願いしました。
「ねえねえ、良かったらさ、何か1枚描いてくれない?」
「何か……?」
「あ、いいねいいね! えーっとね、例えば……私たちをイメージして、即興でさ、パッと浮かんだものを描いてくれるとか」
「うんうん。ねえ、お願いしてもいいかな? 卒業の記念に」
ねっ! なんて、今日のこの日に卒業する彼女たちにそんな風にせがまれては、葉月も断り切れませんでした。
「……分かったわ。ざっくりで良ければ、描いてみるわね」
「うわぁ、ありがとー!」
それにもちろん、絵で何かを表現するのは好きです。
葉月は卒業生たちそれぞれの印象からイメージを膨らませて、思うままにペンを振るいます。
ざっくり、とは言いつつも、もちろん絵を描くことに手を抜く葉月ではありません。程なく描き上げた1枚を見るに、卒業生たちの表情は見る間にきらきらと輝きだして、
「おおおお、すごい!? 思った以上にすごい絵きた!!」
「うっわぁ、これもう一生モノの記念だよー、ありがとう!!」
「ええと。どういたしまして……」
ことのほか喜んでもらえたようで、悪い気はしません。
ただ、その後の展開はどうにも、葉月にとって予想外ではありました。
「ねえねえ、みんなも描いてもらったら? この子すごいんだよー、きっと未来の大画家だよ、今のうちに描いといてもらっとこうよ!」
などと感激しきりな1人が言ったもので、
「絵描いてもらえんの? じゃ、俺も1枚お願いしちゃおっかなー」
「あたしもあたしも!」
「じゃあ僕も……」
といった具合で、次々に依頼が舞い込んで来てしまったのでした。
「……まぁ、構わないけれど」
表情を変えないまま、葉月は卒業生たち、そのひとりひとりから想起されるイメージを、スケッチブックの上へと広げていきます。
その中には、
「えっ何、絵描いてもらえるの? じゃあ、みつびちゃんもぜひ1枚☆」
人だかりを見つけてやってきた
入江 みつび
や、
「ほら、壬生さんも矢萩さんも描いてもらいなよー!」
「へぇぇ、上手いんだねぇ。うちもいいのぉ?」
「い、いや、咲は別に……」
「いーからいーから、描いてもらいなって!」
なんて同級生に勧められる
壬生 由貴奈
に、
矢萩 咲
。
「あら。絵を描いてもらえるんですって、行ってみる? 満くん」
「えっ、おれも? ええと、いいのかな……?」
青龍寺 琴理
に
日野 満
といった顔もありました。
色鉛筆はがりがりと減っていき、葉月自身も少しずつ疲労しながらも、それを決して表には出さずに。彼女は一心に、描き続けます。卒業生たちへ、自分にも何か贈れるものがあるのなら……そんな風に、どこかで考えたのかもしれません。
葉月を中心に、笑顔はぱあっと広がって、あおられるように桜並木は枝を揺らし、花びらは舞い散りました。
「うん……本当に、良い記念になりそう。いつかきっと、有名な絵描きさんになってね。ありがとう!」
「いいのよ。卒業おめでとう」
最後のひとりを描き上げると、少し痛む手首をさすりさすり、葉月はスケッチブックをたたみます。
(卒業……か)
その言葉は、葉月自身にもまた、とても意味のあるものです。色鉛筆を握り続けている間も、絶えずそのことは脳裏へちらつきました。
今年は彼らを、送り出す側。
来年は……自分が、送り出される側。
それが簡単にはいかないことを、葉月は嫌と言うほどに自覚しているのです。
進路はとうに、明確に決まっています。そろそろ、その準備を始めなければならない頃です。けれどそこには、大きな、とても大きな関門がありました。
(あの人と……戦わなきゃ。決着をつけなくちゃ)
娘に開花した才能へ、素直な称賛を送ることができない、狭量で嫉妬深い父。葉月への憎しみすら抱くあの瞳と対峙し、その関係へと、何らかの終わりを導かねばなりません。
最後に行きつくそれがどんな形であるのかは、葉月自身にも分からないままに。
物思いにふける彼女の脇を、さまざまな表情を浮かべた卒業生たちが通り過ぎていきます。卒業式へ向かう彼らの顔には、未来への不安があり、寂寥があり、そして期待や希望もまたありました。
「……覚悟を、決めなくちゃ」
その背中を後押しするかのように、再び風は吹き抜けて、桜たちはさわさわとささめきます。
葉月はほんのかすかに、微笑みました。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
恋愛
定員
1000人
参加キャラクター数
38人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年03月18日
参加申し込みの期限
2017年03月25日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年03月25日 11時00分
参加キャラクター一覧
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