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寝子島高校
【卒業式】春爛漫。寝子島高校の卒業風景
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【汗と涙の記憶たち】
ロッカーの扉を開けるたび、
志波 拓郎
の胸からは思い出があふれ出し、笑顔がこぼれます。
陸上部
の部室を見回すと、目に留まるものそれぞれに、何かしらの記憶が蘇ります。そしてそのいずれにも、先輩たちの姿はありました。今日の日に卒業を迎えた、彼らの大きな存在が。
(明日からはもう、先輩たちはいない……)
式が終わり、珍しく真面目な兄の姿も見届けた後、彼は何だかすぐに帰ってしまうのが惜しくて、部室棟へと足を運びました。
(あ。あの先輩、スパイク置いていったのか……大学では続けられないって、名残惜しそうにしてたもんな。あっ、無くなったと思ってたスターティングブロックが、あの先輩のロッカーに。仕方ない、戻しておこう)
がちゃりと開く扉は、まるでアルバムのよう。それぞれの扉にはそれぞれの記憶が詰まっていて、どれも同じ形の小さな空間でありながら、ひとつとして同じものはありません。
(この先輩は、大学でも陸上続けるって言ってたな。俺も続けていたら、いつかまた会えるかもしれない。こっちのロッカーは……うわ。あの先輩、片付けてるところ見たことないな?)
ひとつひとつが、懐かしくて。少し、寂しくて。
拓郎は、思い出の中へと浸ります。
「おっ、志波じゃないか。片付けか?」
「……お疲れさま」
ふと振り返ると、顧問の
浅井 幸太
に、部員の
椎井 莉鳥
がやってきたところです。
「あ、お疲れさま、です……いえ。少し……帰るのが、惜しく……て」
「ああ。そうか、そうだな……分かるぞ、その気持ち」
どうやら幸太先生や莉鳥もまた、拓郎と目的は似たようなものであるようです。
先生は拓郎の隣へひょいとかがみこむと、開いたロッカーの中を覗き込み、
「あいつら、まったく。少しは片付けていけばいいものを。しょうがないやつらだなぁ」
「……そう……です、ね」
思わず顔を見合わせて、苦笑い。
「先生。私は、女子ロッカーのほうを見てきますね」
「ん、ああ、分かった。何かあったら呼んでくれ」
莉鳥は簡潔に言って、すたすたと出て行きましたけれど。いつも表情の変わらない彼女が、今日はどこか沈んでいるように見えたのは、きっと気のせいではないのでしょう。
「あの……先生」
「ん?」
ぽつん、とロッカーの中に残されたスパイク……使い古されてボロボロなのに、やけにきらきらと輝いて見えるそれを見つめながら、拓郎はつぶやくように言いました。
「残ってる、のは……自分たちで……片付けて。引き継いで、いかないと……いけないです、ね……」
「ああ。そうだな、そうしてやろう」
(卒業式だなんて、もう……もうっ……乙女ゲームの定番イベントじゃない!)
羽生 碧南
は心の中で、っきゃーーー! オトメチックに身悶えます。
(最後の日に告白だなんて、そんなシチュエーションもベタすぎるけど、だからこそキュンキュンものなのよ! ああ、あのゲームのトゥルーエンド、最高だったなぁ。あ、あのゲームの卒業式も捨てがたいわよね、ずっとツンツンしてて不機嫌そうだった彼に急に呼び出されたと思ったら、赤面して照れまくりながらに告白してくれるっていう……あああああ、なんて素敵!!)
「うわぁ。また『いつものアレ』だよ」
「あー、始まっちゃった?」
「完全にトリップしてるわね。おーい、碧南ちゃーん?」
つんつくと
バスケットボール部
の先輩たちに突っつかれて、碧南はハッと我に返ります。
「あ、あれ? もしかして私、また……? あ、いやーその、えっと、今のはなんでもなくてですね……!」
「遅いよー、乙女ゲーモードでしょ? いつもの」
「まぁキュンキュンしてるとこも可愛いんだけどさ、もうちょっとしっかりしてくれないとねー。ね、羽生『先輩』?」
悪戯っぽく言った先輩たちに、碧南は現実を思い出しました。
そう、先輩たちは卒業し、碧南ももうじき2年生です。羽生先輩、と呼ばれる立場になるのですから。
「碧南の実力は知ってるけど、うかうかしてたら後輩に追い抜かれちゃうかもよ?」
「そうそう、音楽だっけ? 追試と補習受けたりもしてたよねー確か、あれはいただけないなぁー。後輩たちに舐められちゃうかも」
「うっ。そ、それはいやだなぁ……!」
なんて、からかわれたり。ツッコミを入れてくれたり。たった1年の付き合いではありながら、先輩たちには本当にお世話になったものです。
バスケについて、熱心に指導してもらったり。進路のことで、真剣に悩み相談に乗ってくれたり。
「……ハロウィンでバニーガールさせられたり。寝子祭ではビキニを着せられたり、その後のマラソン大会ではあんな……あんな際どい恰好までさせられて。先輩たちの『たってのお願い』で」
「碧南ってノリがいいからね」
「流されやすいとも言うけど」
ちょっと遊ばれてたような気もしますけれど。
それでも、先輩たちとのどんな思い出だって、全部、全部、
「いい……思い出ですっ、よ……、っう……この前、
送る会
で、泣いちゃっ、た、からぁ……もっ、泣かずに、済むと……思ったのにぃ……!」
ぽろぽろぽろ。やっぱり涙はこぼれます。
楽しかったこと。辛かったこと。からかわれたことも、一緒に泣いたことも、全てが碧南の胸に刻まれています。
かけがえのない、思い出です。
「……うん。うん……よく頑張ったね。碧南……っ」
「バスケ部の、こと。これから入ってくる、後輩のことも……よろしくっ、ね……? 碧南……」
「はいっ……はいっ!!」
最後は結局わあわあと、みんな揃って泣き顔です。
でも、それでいいと碧南は思います。
こんな顔だってきっと、ずっとずっと後になってからも、時折思い出したりするのでしょう。そうしていつか、笑えるようになるのでしょう。
「……卒業おめでとうございます。お疲れさまでした!」
「おーっ。新田も頑張れよ、お前なら絶対いいトコまでいけるって!」
ボクシング部
で先輩たちを見送った
新田 亮
は、彼らが去っていった後もしばらく部室へ残り、考え事にふけっていました。
卒業。まだ1年生の亮にとっては、どこか遠い言葉のようにも思えます。けれどいつかは、自分もこの日を迎えることになるのでしょう。
それを思ってか、彼の胸の中には今、少しばかりの不安がありました。
(……ダメだ。全然絞り切れないぞ)
亮は比較的小器用なタイプで、真剣に取り組んだなら、大抵のことはこなすことができました。勉強、家事、スポーツも……特に格闘技には、小柄な体格ながらに手応えを感じていたりもします。
(進学に就職。あるいは、プロボクサーを目指すのか……)
つまるところ、卒業後の進路です。
何でも、大抵のことはこなすことができました。けれどその結果が一流であるかどうかは、また別なのです。亮はいわゆる器用貧乏で、どれも今のところ一流には届かず……とはいえだからこそ、彼にとって将来の選択肢は、無数にありました。
「おっ? 新田じゃないか。部室の片付けかい? 偉いじゃないか、カカカ!」
「あ……高野先生?」
ひょいと顔を覗かせたのは、亮の担任の先生、
高野 有紀
でした。顧問をしているバスケ部の部室へでも行くところか、はたまた見回り中なのか、ともかくボクシング部の部室にたたずむ亮が気になったようです。
ちょうど良い機会だと、亮は思いました。
「あの。先生。聞いても良いですか」
「ん、何だい?」
「先生はどうして、教師の道を選んだのですか?」
有紀先生は自身も高校時代、バスケをやっていたそうです。
いつだって快活な彼女は、考えることは無かったのでしょうか? それを将来の道へ定めようとは思わなかったのでしょうか。なぜ、体育教師という道を選んだのでしょうか。
有紀先生は少しの間ぽかんとして、それからもう少しの間考え込むそぶりを見せてから。亮の悩みを知ってか知らずか、にかっと笑って言いました。
「ま、昔から身体を動かすのが好きだったからね。体育に関係のある仕事に就きたいと思ったのと……やっぱり、あの先生の影響かなぁ」
「あの先生?」
「中学校の頃にな、ずいぶんと世話になった先生がいたんだ。憧れてたんだろうなぁ……その人みたいになりたいって、ずっと思ってたのさ。それが理由かな」
亮には少し、意外だったかもしれません。高野先生はいつも、何というか……豪快で。細かいことなんて気にしなくて。つまらないことはカカカと笑い飛ばしてしまう、そんな人です。
その先生に、憧れた相手がいただなんて。
「どうだい。新田、あんたにはそういう相手、いるかい? ああ、私はやめといたほうがいいかもね、こーんなにガサツになっちゃうからさ。カカカカ!」
言うだけ言うと、先生は満足したのか、カッカと笑いながらすたすた行ってしまいました。
「……憧れの、誰か。か」
こんなふうになりたい。あの人のようになりたい!
そんな誰かがいたなら、揺れ動く亮の道行きも、あるいはぴたりと定まってくれるのかもしれません。
陸上部の部室へ、にわかに騒がしさが戻ります。
「あれ、志波に浅井先生じゃないスか、なにしてんスか?」
「……あ。先輩、たち……?」
最後に部室を見ていこうと、彼らは顔を出してみたのだそうです。
「先生、お世話になりました! 俺、卒業しても陸上続けますんで」
「お、そうか! 寝子高出身選手として、注目してるからな!」
「志波、お前は2年になっても陸上続けんの? だったら新しく入ってくる1年のこと、頼むなー」
「は……はい……!」
ロッカーの主たち。彼らはこの部室を飛び出して、もっともっと広いフィールドで、これからも立派な活躍を見せてくれることでしょう。
「先輩方……この、1年。本当に、お世話に……なりました。たまには、OBOGとして……遊びに、来てくれると、嬉しい……です」
「おう、また見に来るよ。だから、頑張れよ!」
部室棟へと、奇しくも揃って、声が響きました。
拓郎は、目のまえの先輩たちへと。
碧南は抱き合い、泣きながら。
亮は誰もいない、けれど冷めやらぬ熱を感じる部室へ。
「「「……ありがとうございました!!」」」
想いはこれからも、受け継がれていくことでしょう。
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日常
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1000人
参加キャラクター数
38人
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シナリオガイド公開日
2017年03月18日
参加申し込みの期限
2017年03月25日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年03月25日 11時00分
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