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- 00月00日生 00歳
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【卒業式】春爛漫。寝子島高校の卒業風景
【ちょっぴりマル秘闖入者】
不思議なことが起こるのは、寝子島という場所の常であります。
「ああ……いいよねぇ。これからみんな、花のキャンパスライフってやつを満喫しちゃったりするんだろうなぁ。いいなぁ、憧れちゃうよねぇ……」
したがって、村形 雛子がこの場でぽかんとしつつ卒業生たちを眺めているという状況もまた、ある意味で他ならぬ寝子島のワンシーンと断じるほかないのです。
本人的にはどうにも、納得しがたいところがあったとしても。
「うんうん、卒業おめでとう、みんな！ 知らない人たちだけど。ああ、何であたしはこんなところで、同年代の子たちの卒業を見送ったりしてるのかしら」
そこに問題があるとするなら、２つ。
１つは彼女が寝子高生ではなく、むしろ寝子島島民ですらないこと。
もう１つは、何の因果かご丁寧に、彼女が寝子島高校の制服を着ていること。おまけに学年カラーは緑、３年生のそれでした。
「これじゃあたし、留年してるみたいじゃないの！ ああ見た事ない先輩で単位が足りなくて卒業できないんだなぁ、可愛そうに……的な！」
つまるところ雛子は、ほしびとです。先日、星幽塔で巻き起こった出来事を経て、彼女もまた寝子島へとやってきました。
「で、来てみたらいきなり周りから同情の視線を寄せられまくってると……だからあたしは、留年したわけじゃないってばー！」
そう。雛子は留年してはいません、本来あるべき世界においては。
「そりゃ確かに、頭は悪いケド。これでも頑張ったのよ？ ちゃんと進路も決まってさ、少し余裕があるからって異世界調査の任務を受けてみたらさ、この仕打ちってわけ！ うわーん！」
こちらでは不条理にも留年生のもっかい３年生、なレッテルを張られてしまったようですけれど、さておき彼女の故郷では、雛子はなかなかに優秀であるようなのです。
「まぁ、ね？ この寝子島ってところや星幽塔と、あたしの故郷じゃきっと時間の流れが違うんだろうし。あっち側ではまだ半日と経ってない、みたいなことならいいんだけど……いや良くない！！ それって全然良く無くない！？」
ひとりであー！ とかうわー、ぬがー！ とかやってる雛子に、脇を通り過ぎていく卒業生や在校生たちは、可愛そうに……な目で見つめておりますけれど、雛子はそれどころじゃあありません。
とんでもないことに気付いてしまいましたもので……。
「たとえば星幽塔にあるなんだっけ、シャウラの泉？ あそこで若返って見た目だけは元どおりになったとしても、精神年齢だけはばっちり積み重なってて、故郷に無事に帰れる頃にはなんていうか落ち着きのあるおばあちゃんな佇まいになってたりして、同い年の子たちから揃って、雛子おばあちゃん☆ なんて呼ばれるようになる可能性だって、っきゃああああああそれは困るー！！ そーれーはーっ、すっごい困るよー！？」
……うーん。なんだかちょっと、楽しそーにも見えてきました。くるくる巡る雛子の表情に、もはやパフォーマンスか何かと思われているのでしょうか、周囲からは明るい笑顔がぽわぽわと生まれております。
それはさておき、雛子は決意とともに叫びました。
「みんな、留年とかするもんじゃないよ！！」
「うわっ！？」
その魂と切実さのこもったシャウトには、たまたまその脇をそろりそろそろと通行中だった、寝袋かぶって透明化してるエスカルゴ・臼居くんが驚いて飛び跳ねたりしましたけれど、彼の姿は雛子には見えません。
「あ、ああ……そうだよな、留年とかするもんじゃないよ。本当に……！」
「？ どこかから声が……ええ、そうよ！ リアルタイムで大学生活が送れることの尊さを、身に染みて実感しないと損ってものよ！ みんな、覚えておいて！」
「そうだ、それってすごく幸せなことなんだ、君たちが自分の力でつかみ取った幸運なんだ、得難い幸せなんだよ……！」
「？ 誰だか分からないけど、そうなのよっ！ 今の自分の状況を考えるとね、故郷に帰れなくて塔の中をさまよってるとか、なんか留年したみたいに見られてるとかそんなミジメなカンジを考えるとね、本当にそう！」
「みんな、頑張れ！ 留年なんてするなよ、ユーたちは僕みたいになるな……！！」
うおーっ！ とおもむろに熱血っぽい涙を流しながら、顔も見ないで何やらシンクロしたふたりは、同時に叫んじゃったりなんだりしました。
「「みんなっ……卒業、おめでとうっ……！！」」
雛子は、ぐっ！ 拳を握り締めて、誰だか分からないけど同調してくれた誰かに感謝の念を送りつつ、あらためて気合を入れ直すのでした。
「星幽塔の調査・攻略、頑張ろう……！ 主にあたしのために！ 雛子おばあちゃんはイヤーーーッ！！」
不思議なことが起こるのは、寝子島という場所の常であります。
「ああ……いいよねぇ。これからみんな、花のキャンパスライフってやつを満喫しちゃったりするんだろうなぁ。いいなぁ、憧れちゃうよねぇ……」
したがって、村形 雛子がこの場でぽかんとしつつ卒業生たちを眺めているという状況もまた、ある意味で他ならぬ寝子島のワンシーンと断じるほかないのです。
本人的にはどうにも、納得しがたいところがあったとしても。
「うんうん、卒業おめでとう、みんな！ 知らない人たちだけど。ああ、何であたしはこんなところで、同年代の子たちの卒業を見送ったりしてるのかしら」
そこに問題があるとするなら、２つ。
１つは彼女が寝子高生ではなく、むしろ寝子島島民ですらないこと。
もう１つは、何の因果かご丁寧に、彼女が寝子島高校の制服を着ていること。おまけに学年カラーは緑、３年生のそれでした。
「これじゃあたし、留年してるみたいじゃないの！ ああ見た事ない先輩で単位が足りなくて卒業できないんだなぁ、可愛そうに……的な！」
つまるところ雛子は、ほしびとです。先日、星幽塔で巻き起こった出来事を経て、彼女もまた寝子島へとやってきました。
「で、来てみたらいきなり周りから同情の視線を寄せられまくってると……だからあたしは、留年したわけじゃないってばー！」
そう。雛子は留年してはいません、本来あるべき世界においては。
「そりゃ確かに、頭は悪いケド。これでも頑張ったのよ？ ちゃんと進路も決まってさ、少し余裕があるからって異世界調査の任務を受けてみたらさ、この仕打ちってわけ！ うわーん！」
こちらでは不条理にも留年生のもっかい３年生、なレッテルを張られてしまったようですけれど、さておき彼女の故郷では、雛子はなかなかに優秀であるようなのです。
「まぁ、ね？ この寝子島ってところや星幽塔と、あたしの故郷じゃきっと時間の流れが違うんだろうし。あっち側ではまだ半日と経ってない、みたいなことならいいんだけど……いや良くない！！ それって全然良く無くない！？」
ひとりであー！ とかうわー、ぬがー！ とかやってる雛子に、脇を通り過ぎていく卒業生や在校生たちは、可愛そうに……な目で見つめておりますけれど、雛子はそれどころじゃあありません。
とんでもないことに気付いてしまいましたもので……。
「たとえば星幽塔にあるなんだっけ、シャウラの泉？ あそこで若返って見た目だけは元どおりになったとしても、精神年齢だけはばっちり積み重なってて、故郷に無事に帰れる頃にはなんていうか落ち着きのあるおばあちゃんな佇まいになってたりして、同い年の子たちから揃って、雛子おばあちゃん☆ なんて呼ばれるようになる可能性だって、っきゃああああああそれは困るー！！ そーれーはーっ、すっごい困るよー！？」
……うーん。なんだかちょっと、楽しそーにも見えてきました。くるくる巡る雛子の表情に、もはやパフォーマンスか何かと思われているのでしょうか、周囲からは明るい笑顔がぽわぽわと生まれております。
それはさておき、雛子は決意とともに叫びました。
「みんな、留年とかするもんじゃないよ！！」
「うわっ！？」
その魂と切実さのこもったシャウトには、たまたまその脇をそろりそろそろと通行中だった、寝袋かぶって透明化してるエスカルゴ・臼居くんが驚いて飛び跳ねたりしましたけれど、彼の姿は雛子には見えません。
「あ、ああ……そうだよな、留年とかするもんじゃないよ。本当に……！」
「？ どこかから声が……ええ、そうよ！ リアルタイムで大学生活が送れることの尊さを、身に染みて実感しないと損ってものよ！ みんな、覚えておいて！」
「そうだ、それってすごく幸せなことなんだ、君たちが自分の力でつかみ取った幸運なんだ、得難い幸せなんだよ……！」
「？ 誰だか分からないけど、そうなのよっ！ 今の自分の状況を考えるとね、故郷に帰れなくて塔の中をさまよってるとか、なんか留年したみたいに見られてるとかそんなミジメなカンジを考えるとね、本当にそう！」
「みんな、頑張れ！ 留年なんてするなよ、ユーたちは僕みたいになるな……！！」
うおーっ！ とおもむろに熱血っぽい涙を流しながら、顔も見ないで何やらシンクロしたふたりは、同時に叫んじゃったりなんだりしました。
「「みんなっ……卒業、おめでとうっ……！！」」
雛子は、ぐっ！ 拳を握り締めて、誰だか分からないけど同調してくれた誰かに感謝の念を送りつつ、あらためて気合を入れ直すのでした。
「星幽塔の調査・攻略、頑張ろう……！ 主にあたしのために！ 雛子おばあちゃんはイヤーーーッ！！」
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2017年03月18日
- 参加申し込みの期限
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- 2017年03月25日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2017年03月25日 11時00分
