【ホワイトデー】学生達のWhite Day!｜リアクション

【ホワイトデー】学生達のWhite Day!

　バレンタインをたくさんの友達と楽しんだ恵御納夏朝。ホワイトデーも友チョコのお返しをしようと、クッキーを焼いて準備した。
　彼女が作ったのはお守り＆コイン風クッキー。
　１つの袋にお守り型とコイン型、数個を入れ。皆の先々……さきさきの幸せを願い、さくさくに仕上げたのは言うまでもない。
　バレンタインもたくさん友チョコを持ってきた夏朝だったが、今日もたくさんの友クッキーを持って学校にやって来たのだ。

　夏朝は学校でたくさんの友人達に友クッキーを配った。皆が帰ってしまう前に、配らないと。何だかとても忙しいが、それは夏朝にたくさんの大事な友人がいるという事だ。幸せな忙しさを嬉しく思いながら夏朝が友人にクッキーを配ったり、お互い交換したりしていると、廊下に野々ののこと七夜あおいの姿を見つけた。
　夏朝は彼女達からバレンタインに友チョコを貰っている。会えて良かったと思いながら夏朝は２人の方に歩み寄った。

「おー、夏朝ちゃん！」
　あおいと話していたののこが夏朝に気付き、ぶんぶんと手を振った。あおいも笑顔で振り向く。夏朝は２人に「こんにちは」と挨拶すると、早速鞄から友クッキーを取りだした。
「友チョコの、お返し。……さくさくに作ってみたよ」
「わ、ありがとう夏朝ちゃん」
「にしし、お返し嬉しーい！　ありがとう！！」
　２人は笑顔で友クッキーを受け取る。そして中身を見て、お守りだー！　とかコインだー！　とか大喜び。その楽しそうな姿を夏朝も嬉しく見ていると、２人も鞄から何かを取りだして夏朝に差し出した。
「私達もね、クッキー作ったの。食べてくれる？」
「夏朝ちゃんに貰った友チョコ、可愛くてとっても美味しかった！　だから今度は私達が猫さんの形にしたんだよー」
　透明な可愛らしい袋にラッピングされたクッキー。あおいのは茶色の猫が、ののこのは白い猫が顔を覗かせている。
「わあ……２人とも、ありがとう」
　友クッキーの交換に、夏朝は胸をほっこりさせながら受け取った。

「そうだ、夏朝ちゃんこれから忙しい？」
「え……？　ううん、特には」
「じゃー、後で学食来ないー？　これからね、お菓子パーティしようと思ってるんだ！」
　ニッカリ笑いながら、今日１日の収穫なのだろう、ののこがお菓子がいっぱい詰まった紙袋を持ち上げた。
　まだ友クッキーを渡し終わっていなかった夏朝がそれを告げると、「じゃあ来られたら来てねー！」と２人は言い、手を振って３人は別れた。
　２人の姿が見えなくなってから、夏朝はふと自分の鞄を見た。そこにはまだまだ友クッキーがいっぱい入っている。友人達に配っても、多分まだ余るだろう。
「お菓子パーティ…僕も行ってみようかな？」
　楽しそうなお誘いに、夏朝はほわりと口元を綻ばせた。