【ホワイトデー】学生達のWhite Day!｜リアクション

【ホワイトデー】学生達のWhite Day!

　学校から帰宅した鴻上彰尋は、自室でじっと七夜あおいから貰った猫を見つめていた。

　机の上には携帯と、渡せなかったヘアゴムの包み。彰尋はしばらく手元の袋に入った茶色の猫を優しい瞳で見つめていたが、そっとそれを机に置き、代わりに携帯を手に取った。
（まだパーティ中かな……でも、ニャインなら大丈夫だろう）
　呼び出す訳じゃないから、と彰尋はアプリの画面を開く。そしてゆっくりと考え考え、今日のお礼の気持ちを文字にした。
　送信ボタンを押して携帯を置くと、彰尋はふうと息をついた。
（もう、箱を開けたかな）
　あの薔薇のアップルパイを喜んでくれるだろうか。美味しいと思ってくれればいいのだけれど。
　一生懸命パイを作ったあの彰尋の時間が、今あおいの手元にある。それは何だか気持ちがそのままあおいの許にあるようで。
「やっぱ、ドキドキするな……」
　彰尋は１人ぽてんと机に顔を載せる。と、あのヘアゴムの包みが目に入った。
　結局渡せなかったヘアゴム。きっと彼女に似合うと思ったのだけれど。
　彰尋はヘアゴムの包みを手に取る。そして浮かぶあおいの笑顔に少しの後悔を載せ、そっとそれを机に仕舞った。

　その時。ポン♪　という電子音と共に机の携帯が震えた。
「え？」
　驚いて彰尋は画面を開く。そこにはニャインの新着通知が表示されていた。
「あおいさん？！」
　ドキリとしながら彰尋はあおいのニャインを開いた。
『今帰ったの。薔薇のアップルパイ凄いね！　ありがとう彰尋君』
　文字と共に、ののこが撮ったのであろう、あおいがアップルパイを持っている写真が送られてきた。
　その笑顔の様子に彰尋は嬉しさでいっぱいになる。この笑顔だけで幸せになれる自分。
　―――渡して、良かった。

　その後あおいが『どうやって作ったの？』なんて訊いてきたりして。
　しばらく２人の楽しいやりとりは続くのだった。

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あとがき

担当マスター：ＫＡＮ
ファンレターはマスターページから！

【ホワイトデー】学校編を担当させて頂きましたＫＡＮです。
シナリオにご参加の皆様、ありがとうございました！

た　の　し　か　っ　た　！　！　！（２回目）
こんな素敵なイベントシナリオに２回も携われて、本当に嬉しかったです。

追記ですが、ホワイトデーは３シナリオ参加自由でしたので、ＰＣさん同士のアイテム譲渡はアクションの指定が無い限りははっきりとは描写しませんでした。ご了承ください。

とうとう寝子島も新年度を迎えます。
何か色々待ち受けてる予感……。
これからもどんどんらっかみ！　世界に関わって下さいね。
そして是非皆さんの活躍を書かせて下さい！

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