this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
不思議な街の雑貨屋さん
<< もどる
1
…
3
4
5
6
7
…
10
つぎへ >>
春休みに入って間もない日の朝。
出かけた
朝鳥 さゆる
は、朝特有の冷たい風を切って歩く。
実年齢より六、七歳は上に見える硬質で物憂げな美貌の女性。
物憂げな雰囲気が年上に見せるのか。
スプリングコートにブーツを合わせていて、見た目にはまるで出勤途中のOLのようにも見えた。
一見近寄りがたく、また人を惹きつけてやまない美しさだった。
風を切って歩くさゆるの周囲は気づけば変化していた。
ノスタルジックで懐かしい街並み。
しかしさゆるの反応は薄い。ちらりと街並みに視線を送って、すぐに前を向く。
階段を登り切ったところで、灯りを灯す店先を見つける。
これも通り過ぎようとしたさゆるを、店の中から女の声が引き止めた。
「お嬢さん、迷い人かい? 道を教えてあげよう」
そこに何かしらの意思を感じたさゆるは、一旦通り過ぎた道を戻ってきた。
暗い店内を覗き見てから入る。迷いのない行動にさゆるの人柄が垣間見えた。
店内は、さゆるには少々キツイむせ返る甘い香りが充満していた。
わずかに眉をひそめるさゆるに、店の奥から女の声が響く。先ほどと同じ声だ。
「失礼。お嬢さんには少しキツイ香だったね、少し我慢しておくれ」
暗がりの奥には、着物をはだけた女が座っていた。見た所、店の主人らしい。
妖艶な笑みを浮かべて、小上がりを指した。
「何か飲み物を用意しよう。希望はあるかい?」
「……コーヒーを」
「待っておくれ」
そう言って女主人は奥に引っ込んだ。
さゆるはそのすきに、小上がりに腰掛け店内を見回す。
さゆるの興味が引かれるものはないが、気色の悪いものばかりが並んでいる。
しばらくして主人がお盆にお茶碗を持ってきた。茶碗を受け取ると、茶色の液体が入っていた。
「っ」
眉をしかめるまずさだ。エスプレッソに近い苦味と、コーヒー豆を放置することで発生する酸味が見事にマッチして、とてもまずい。
「さ、帰り道を教えよう……と言いたいが、駄賃として何か想いを聞かせておくれ」
想い。一言にいっても様々な種類がある。さゆるが口を開く前に主人が説明した。
「悲しい、つらい、怒り、喜び、楽しみ、なんでも構わないよ」
それならば、とさゆるはぽつり、と話し始めた。
「永遠に封じるつもりだった記憶」
なぜ赤の他人に、しかも初対面の人間にこんなことを話さなければならないのか。
女主人は楽しげに笑っていた。楽しい話でもないと言うのに、とさゆるは欠片を思い出していく。
「あたしが愛した人」
視線だけでさゆるを射殺す、そんな鋭い視線と穏やかな二面性を持った人。
「あたしは、片篠さゆる」
最初から何もかもが歪んでいた関係。
そして欠落部が蘇るたびに、今も心が拉げた。
表情は眉を寄せただけだった。
「互いを傷つけるような愛し方。激しく深く傷つけて、その傷の痛みを刻み付けて共有する。そんな愛し方しかできない」
さゆるは心につけられた傷を自ら抉っていく。
「あたしの想いは一方的なものにすぎないかもしれない。狂っているという自覚はある。でも、どうにもならない」
戻る方法も軌道を直す方法も、さゆるには思いつかなかった。
言葉で態度で傷つけ合う、ただ相手への配慮もない、乱暴な愛情表現。
語り終えたさゆるは、ぬるくなりさらにまずくなったコーヒーを飲み干す。
「お嬢さんは難儀な愛情表現を持ってるんだねぇ」
主人は、さゆるに言葉をかける。
「ただ時には泣いてもいいと思うけどね」
「……涙なんて出なかった」
さゆるのきっばりとした物言いに、店主は煙管をふかしかけて、やめた。
「お嬢さんの想い、確かに受け取った。帰り道を教えよう」
すくっとさゆるは立ち上がる。
呪詛のような愛情を語っても尚、さゆるは気高く美しかった。
「コーヒー、ごちそうさま」
寝子島に戻ったさゆるは、空を見上げて一つ息を吸い込んだ。
春風特有の暖かい薫りと、朝露を含んだ湿った香りが鼻についた。
<< もどる
1
…
3
4
5
6
7
…
10
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
不思議な街の雑貨屋さん
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
あおじゆう
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年03月07日
参加申し込みの期限
2017年03月14日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年03月14日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!