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三夜 雫紅
は最初、そこが何屋かわからなかった。
見渡す限り見たことがないものだ。
女主人が店の奥に座しているのを見て、雫紅はほわんとした笑顔を浮かべる。
久しぶりに人に会った気がした。
「ここは不思議なお店なのね~」
「いらっしゃい。迷い人さん。帰り道なら教えてあげるよ」
「まぁ、そうだ帰り道を聞きたかったの」
思い出したように言われ、主人のほうが苦笑する。
「ただし、帰り道を教える代わりに想いを聞かせておくれ」
「え? 想いを話せばいいの?」
「嬉しい悲しい怒り、喜び。なんでも構わないよ」
「う~ん」
雫紅は考える。が、すぐに思い至ったようだ。何かを決意した様子で、主人に頷く。
主人は代わりに、小上がりを指した。首をかしげる雫紅に、優しく笑む。
「長くなりそうだろう? 座って話すといい」
「ありがとう」
小上がりに座った雫紅は、何度も、何度も深呼吸した。
「ちょうどいいから、普段は絶対しない話を聞かせてあげるわ」
内緒話を聞くように、主人も表情を消した。
「私の家は大家族なんだけど、私は養女なのよ。それを知ったのは高校の時」
偶然知ってしまったのか、どうしたのか、雫紅は遠くを見て語る。
「その時までは物心ついた時から大好きだったお兄ちゃんと結婚するって言ってたんだけど……」
ぎゅと手を握る。
「血が繋がってないこと、手続きをすれば本当に結婚できてしまうことがわかって、もう軽く言えないって思ったの」
結婚したくて、でもしちゃいけなくて、あらゆる情報を調べて、結果、結婚できることがわかってしまった。
その時の絶望と喜びがない交ぜになった気持ち。
「だってお兄ちゃんは、私が養女だって知ってる。優しいけれど、私を妹としか見てない。血が繋がっていれば冗談交じりで済んだんでしょうけど、つながっていないならそうはいかないでしょう?」
昂る雫紅に主人は静かに頷く。
「お兄ちゃんは私を妹として大事にしてくれている。でも多分、そのラインを超えることは出来ないと思うの。超えることを、許してはくれない、巧妙に超えさせないはず」
雫紅には覚えがある。
そうなりそうな雰囲気を避け、すり抜けてきた。
それは、これからも家族であり続けるという強い意思と、それ以上はないという雫紅への意思。
「だから、私の想いは私の心の中にしまうしかなかったの。今まで通り、『いい妹』を演じるしかないの。想いを告げたら、遠くなってしまう気がするから」
告げられなくても、もうとても遠い存在に感じた。雫紅の両目から涙がぽろぽろこぼれ落ちる。
きゅっと唇を結び、全てを堪え、思いも何もかも内に秘めた優しくて悲しいとても強い女性。
「誰にも言えなくて、本当は辛かったの。聞いてくれて、ありがとうね」
無理やり笑った雫紅は、泣く少女のようだった。
「辛かったね」
「大好きだから、大切だから、側にいられるだけで十分って思わないとね。……愛してる……心の中で何度も告げてるの」
涙を流しながら、雫紅はひとしきり泣いた。
「わかってるよ、お嬢さんの愛情深さはわかってる」
雫紅の涙はまだ枯れる様子を見せない。主人は、煙管の煙を吹きかけたハンカチを差し出してきた。
店の出口まで出てきた主人は眩しそうに空を見上げた。
「香りはしばらく続くよ。辛くなったらかいでごらん」
「ありがとう」
目を真っ赤にした雫紅の背を主人は優しく撫でる。
「深い愛情の想いを持っているのはつらいだろう。私が知ってることを思い出すんだよ」
主人は雫紅が振り向かなくなるまで、見ていてくれた。
店主に大した礼も言えず、気づけば雫紅は寝子島の見覚えのある地に立っていた。
手にもつハンカチから香る甘い香りは、今までのことが現実だと知らしめる品。
帰ろう。
お兄ちゃんがいる、あのうちへ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
あおじゆう
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年03月07日
参加申し込みの期限
2017年03月14日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年03月14日 11時00分
参加キャラクター一覧
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