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【ホワイトデー】平和ときどき怪奇?
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●過去と未来を繋ぐ『今』
駅周辺や商業施設、参道商店街など至る所に白を基調にした花や雑貨、デザインなどが見受けられる。
ここシーサイドタウンにある、洋菓子店『Raton』もまたそんな店舗の一つ。いつもお客さんを出迎えてくれるレジ横の人形『ラヴルくん』は、本日羽飾りのついた白い帽子に白いハートを持って、しっかりホワイトデーバージョンとなっていた。
お客様も引いたお昼とお茶タイムの中間頃、オーナー兼店長である
荒井 景貴
はホワイトデー用のオリジナル商品の補充分を一通り作り終えると、テーブルを拭いてくれている
紅林 柳霞
に声をかけた
「柳霞さん、僕たちも少し休憩しましょうか」
「うん♪ じゃあここだけ拭き終わっちゃうね」
イベント事のある日はとりわけお店も忙しくなる。そう見計らって事前に柳霞にお手伝いをお願いしていた。
彼女自身も、アンティークセレクトショップを経営する身であるが、婚約者である彼の言葉に快く承諾の返事をしてくれたのだ。
ピークタイム時も慌てることなく、すっかり慣れた手つきで温かく接客をしている柳霞の姿は、いつでも景貴の心に幸せの明かりを灯してくれる。
一仕事済んだそんな彼女を笑顔で労うべく、カウンターから出てきた景貴の耳にいつもと違う雑音が聞こえてきた。
「……ねえ、なんだか外が騒がしいよ?」
「そうですね。ちょっと様子を見に行きましょうか」
同時に気付いた柳霞と景貴は、連れ立って店の外へと歩み出る。そんな二人の視界に飛び込んできたのは……
「何か降ってるみたい? 雨よりなんだか大きいような……」
「……!? 帽子の上に何かが落ちてきました……っ」
「え? 見せて見せて」
柳霞に見える様屈んだ景貴のコック帽から、ポトンッ、と固形物が落ちて丁度柳霞の手の中へ。
「えっと、これは……飴でしょうか?」
「お菓子が降ってる!?」
確認した二人がもう一度空をよぉく仰ぎ見ると、色とりどりの飴や時々クッキーのような物まで見て取れた。
「甘い物好きとしては子供の頃夢みたような感じで嬉しくもありますが、パティシエとしては少し複雑ですね」
「どうして?」
「食べてくれる方を笑顔にしたい、そんなお菓子を作りたい、というのが僕の精進していく上での心情ですから。こう、空にあっさりやられてしまうと」
「あははっ、景貴さんらしいね。っていうか、全然驚いて無い?」
「多分これは、寝子島でよく起きるフシギ現象なのだろうな、と」
「あーなるほどフシギ現象かー」
伊達に様々な不可思議現象や事件を経験しているわけではない。景貴の、のほほんといった穏やかな断定言葉に柳霞も大変納得をし……た矢先、ふと隣りを見上げると、先程の水色がかった飴を景貴がいつの間にやら口に運んでいるではないか。
「ええ!? 景貴さんっ、食べちゃって大丈夫!?」
「いえ。周りを見たら、これを口にされたらしき方々が嬉しそうだったもので。つい味が気になりまして」
「で、でも……」
食べ物、とりわけお菓子ならばその味を確かめたくなってしまう探求心や好奇心は、職業病だろうか。仕方ないのかもしれないと柳霞は思いつつも、なんせフシギ現象な飴。普通の飴という確証が無い。
大事な人にもしも何かあったら……と、心配そうに景貴の顔を覗き込む。
その景貴の、普段は優しく細められる瞳から、程なくして突如一滴の涙がこぼれ落ちた。
柳霞に驚いた表情が浮かぶも、動揺したのは涙をこぼした本人も同じだった。見開かれた夜空色の瞳から、一滴のみならず次から次へと景貴の頬をつたっていく。
「ど、どうしたの? な、泣かないで!」
「……困りました。止めようと思うのですが……」
「…………溢れてくるね、涙」
えっと! とポケットから慌ててハンカチを取り出した柳霞が、必死に背伸びしてはまだ呆然と涙を生む景貴の頬を拭う。
これほど彼が涙流したことが今まであっただろうか……。
心配や不安でその顔を見つめる柳霞は、それでもほんの一瞬、切なくも綺麗な顔に見惚れた。
しかしここは店の外で往来。そのことにすぐに気付くと、景貴の手を優しく引いて一旦店の中へと戻っていく。
「どう? 景貴さん……落ち着きそう?」
「折角柳霞さんが拭ってくださったのに、みっともない所を見せてすみません……うん、そろそろ大丈夫そうです」
「……飴のせい、だよね。景貴さんの中で何が起きたのか、聞いてもいい?」
借りたハンカチを、洗って返しますねと小さく笑みを作ってから、そう彼女に問われた景貴は応えるのに僅か迷った。
―― 我ながら、格好の悪い理由なのですが……。
数秒の沈黙の後、景貴は口を開いた。隠すことは簡単だけれど、それは真っ直ぐに気遣ってくれる彼女に対し失礼なことだと。
「涙の……いえ、悲しくなったのは……まだほんの少し、ずっと一緒にいられるかどうか不安になっているからかもしれませんね」
「……」
そう一言、飴によって湧き上がった感情とその理由を紡いだ。
神妙な面持ちで景貴の言葉を待っていた柳霞は、少し意外そうに受け止めた言葉を反芻する。
まさか自分のことを思っての涙だったなんて。同時に嬉しさがこみ上げた。
―― 以前、私も泣きたいほどに景貴さんを思って切なくなったことがあるから。
それは満月の夜の事。まだ彼を想う気持ちが、彼にとって重く迷惑なものではないだろうかと不安を抱えていた頃の事。
あの時は、まるで自身の願望が形になったように彼が現れてくれた。そして泣いていたワケを詳しく聞かずただ傍にいてくれた。
どれだけ嬉しかったか、今度は私が教えてあげる番……。
柳霞は、やや俯き気味に椅子に腰かけている景貴に歩み寄ると、そっとその頭を愛しそうに引き寄せ抱き締めた。
「大丈夫、私はずっと景貴さんのそばにいるから」
「柳霞さん……」
不安な心が、彼女が与えてくれる温もりによって次第に溶けて無くなっていくような感覚を感じて。
景貴の腕が自然と彼女の腰に回り抱き締め返す。
「離れるつもりなんて一ミリもないよ! 悲しいことは分けあって半分に、楽しいことは共有して倍にして生きていきたいと思う」
「ありがとう」
光あふれた未来を語る言の葉が、水面を揺らし映った影をかき消す。
景貴の心にもう影は落ちていなかった。
もう大丈夫です、と一度柳霞から腕を離し静かに立ち上がれば、本当に? とまだ気づかわし気な表情をするその額へと、大丈夫な証と感謝を込めて唇を微か触れさせるのだった。
◆
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◆
◆
◆
◆
「今日は感情の起伏の激しい一日になってしまいました。お客様がいない時で良かったです」
「ふふ、本当だね」
「と、そうだ。忘れてしまわないように」
すっかりいつもの調子に戻った景貴へ、安心して笑顔を浮かべる柳霞。
そういえば休憩なのにまだ彼女を休ませてあげられてない、といそいそお茶を淹れに行った景貴を見送って
テーブル席に姿勢よく座ったまま柳霞はふと思う。
―― ああして、景貴さんの感情を知れてよかったな、なんて。
彼にしてみれば突然のまさに降ってきた災難だったのかもしれないが、控えめで大人な態度を日頃から崩さない分、無意識にため込んでるものが大きいのかもしれない。まだ見た事の無い彼の姿や感情があるのなら、どんなことだって知りたいもの。
会えば会う程、際限なく湧いてくる想いを柳霞が再確認しているところへ、お茶を淹れてきた景貴が戻ってきた。
そうして、紅茶の他にもう一つ、柳霞の目の前に置かれた物が。
「わぁ、可愛いケーキ!」
「お返しは何にしようか迷ったのですが。いちごのシャルロットケーキを作ってみました」
「これ、私のために?」
「ええ。ホワイトデーなので、中はホワイトチョコムースにして、リボンもホワイトデーに合いそうなものを選んでみましたが」
気に入ってもらえたら嬉しいです、と続けようとした景貴はそこで口をつぐんだ。
すでに彼女の手の中には鮮やかな虹と紫陽花が、正確にはそれが描かれたカバーを付けたスマホが意気揚々と掲げられていたからである。
『写真撮ってもいい?』と瞳輝かせ問われれば、喜んでくれているのが一目瞭然で。景貴は頬をゆるめて、もちろんですとだけ応えた。
「ん、いちごの甘酸っぱさとチョコムースの甘さが絶妙なバランス! 私がムース好きなの覚えていてくれたんだね、嬉しい」
「柳霞さんとの思い出は、全て大事なものですから」
幸せそうにケーキを食べ終えた柳霞は、ごちそうさまでした、と心を込めて述べてから。お皿に残った、ケーキに巻かれていた淡い空色のリボンをつと手に取った。
そうして、首を傾げ隣に座る景貴の薬指へとそのリボンをきゅっと結ぶ。それはいつかの、景貴が柳霞の薬指へそうしたように。
見つめてきた景貴へ、いたずらっこのような、可愛らしくはにかんだ笑みを作って柳霞は告げる。
「こっちも私だけの特別なプレゼントにして、ね?」
「はい、ずっとあなただけの特別でいさせて下さい」
それは二人だけの約束と誓い。
過去と今をリボンで繋がれた二人の未来の薬指には、共に羽ばたいていく天使の羽の、二人の心を刻んだ対でハートとなる指輪がきっとはめられていることだろう ――。
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3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
コメディ
定員
1000人
参加キャラクター数
41人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年03月01日
参加申し込みの期限
2017年03月08日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年03月08日 11時00分
参加キャラクター一覧
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