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【ホワイトデー】平和ときどき怪奇?
【ホワイトデー】~カップケーキを挟んで~
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●カップケーキを挟んで
午前の授業も終え一目散に
楢木 春彦
が今いるのは、いつものバイト先である洋菓子店。
普段であれば、陸上部の自主練でもう少し残っていくものだが本日は生活費稼ぎ兼人助け優先。
ホワイトデーというイベント、そういう日は決まって混むのだと大分バイトに慣れてきた身としては予測出来た。『ピーク時、大丈夫っすか?』とつい店長に尋ねてみたらば、少し困ったような笑顔で『まぁ何とかなりますよ』なんて返答されて。
学校帰り、ピーク終了までの短時間で良ければと、気付けば自ら助っ人に挙手していたという顛末である。
そんな春彦、無事ピークも終え控室で着替えも済ませ、現在店長から感謝のお茶をもらってお客さん側の席についてひとごこち中。
ふと目についたのは、ラックに備え付けられている雑誌たち。やはり今日はホワイトデー特集の物が多い。
「ホワイトデーのお返しはなんにすっかなぁ……」
そういえばバレンタイン当日もここでは無い場所でバイトしていたっけ。
友人たちの恋愛模様は見ていて飽きないが、時折心に寒風吹き抜けるのは否めなかった。
そんな自分へも幸せをおすそ分けするかのように、幼馴染や友人たちは義理チョコや友チョコをくれた事を思い出して、春彦のページめくる指は真剣にお返し探しでゆっくりとした動きとなる。
「うわっ、このカップケーキなんか凄ぇな……甘そー。けどこーゆーの女子って好きそうだよなぁ……」
ふと目に留まった島外の菓子店ページ。
よくよく読み込んでいくと、クリームや生地にも果物が練り込まれていて、日本人向けの甘さ控えめだと書かれていた。
「うっし、お返しはコレにすっかなー」
ここ『Raton』のケーキたちが美味しいのは分かり切っているが、島外の菓子店に目が留まったのも何かの縁。
たまには普段行かねぇトコに繰り出すか! と思い立ったが吉日、即行動。
春彦は残ったお茶をぐびっと一気に流し込めば、店長に挨拶した後寝子電に乗り込んでいた。
「……1回来る程度なら変な目で見らんねーよなとか、考えてた俺が甘かった……」
只今、件の店内レジ待ち中。春彦の心中は哀愁に満ちていた。
特集では一見お洒落だがシンプルな外観だったのが、中に入ってみるや一転……、大変ファンシーなデザインの商品たちで溢れていたのである。
ホワイトデーということで、流石に男性客も自分以外にもチラホラ見えるけれど、レジの列に並べばどうしたって前後はキャイキャイとはしゃぐ女の子たちに囲まれて。
それなりに身長も高い春彦は、頭一つ分ほどひょっこり伸びて目立つことは避けられなかった。
更なる試練はやっとレジの順番が回ってきた瞬間にも訪れていた。
―― ……言えねぇっ……俺には言えねぇ! この商品名はねぇだろ……!
購入する気だったカップケーキ、そのいくつかある種類にはどれも健全な高校男子が口にするにはお年頃的な高い壁が、つまりは可愛すぎるネーミングが列挙されていたのである。
例として一つ挙げるならば、『唇もハートも独り占めだにゃん☆カップ(レモン味)』といったふうな。
春彦、もう次はねぇかも……と自分の分の購入も決意。店員さんに指と口頭で、そこの右から2番目の~と全力で名前指定を回避するのだった。
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その頃、
一条 紗矢香
はお茶の準備をすっかり終えて本を読みながらも、時折ちらりと時計に目をやっていた。
『バイト終えたらちょっくら寄るからな!』 とだけメールが来れば、学校でもイベントとして盛り上がっていたのが自然と思い出される。
もしかしてバレンタインのお返し?
大雑把でいて意外と律儀な幼馴染の顔を浮かべては、そんな気を遣わなくてもいいのにと浮かんだその顔へ向けて、ついぞ語りかけてしまう。
友人の多い彼は、きっと何だかんだとチョコは沢山もらっているのだろうから、今日一日で返しに回るのは大変だろうなんて、気を回してしまっている自分に気付くと、苦笑いで肩をすくめた。
気遣わなくていいと思っている自分が、折角時間割いて渡しにきてくれる相手の事情を気にし過ぎては『どっちがだよ』なぞと言われかねない。
それ以上の思考は追いやるものの、さてそろそろかと思っていた時間もとうに過ぎていれば、どうしたのだろうとは気になるものである。
と、そこで待っていた玄関チャイムが鳴り響いた。
「いらっしゃい。思ったより時間かかったのね。お店大変だったの?」
「わりい! 動物園に寄り道しちまって」
紗矢香の頭の上に、クエスチョンマークが見えた気がした。お店から動物園とはこれ如何に。
しかし春彦の持つ紙袋、それが島外のロゴだと気付けば、春彦の今日一日の行動が何となく察せられるのが、長い付き合いで養われたカンだろうか。
それ以上は彼の行動範囲を追及することなく居間へ通せば、勝手知ったるといったふうに春彦はいつも座る位置へと移動した。
紗矢香が目の前に温かいお茶を持ってきてくれるのを待ってから、春彦は紙袋からカップケーキのBoxを彼女へと差し出した。
「先月はチョコさんきゅー! これお返しな」
「中を見てもいい?」
「おう!」
手渡された箱を開くと、小ぶりながらも生地やクリームに花や蝶型にカットされたフルーツが添えられた、数種類のカップケーキが目に入った。
凄まじいネーミングが隠されたそれらが、春彦の目にも再び映ればどこか遠い目になりながら告げる。
「まぁそーゆーの女子は好きだろ?」
「可愛いカップケーキね♪ ありがとう、春彦」
「どういたしまして」
「あなた、やっぱりこういうの見つけるの得意ね。この間も誕生日プレゼントに可愛いポーチとハンドクリームを選んでいたし」
「ごっふ!」
「……どうしてそこでむせるのよ。あのハンドクリームのおかげで手荒れにならずに済んでいるのよ」
淹れられたお茶をありがたく飲んでいた矢先、先月自分が贈ったブツの事を口にされるとは思っていなかった春彦、不意打ちで見事に気管に入ったようである。
カップケーキのみならず、以前の贈り物も気に入っているのだと暗に告げられれば、照れたように頬をぽりっと指で掻く。
「ん……まぁ、気に入ってくれたなら良かったぜ。サヤは料理も家事も良くやってるしな」
荒れてないでしょう? と見せてくれていた手は、昔からよく知る綺麗な色白さを保っているのを見て春彦は素直に言葉にした。
今度は紗矢香にとっての不意打ちだったようだ。ぱっと手を引っ込めた彼女の顔に、若干の赤みが差している。
「別に大した事じゃ……」
「お。サヤ、ちょっとこっち向いてみ」
「今顔を見たら投げ飛ばすわよ」
そっぽを向いた紗矢香の、珍しい表情を拝める気がして覗き込もうとした春彦、ぴしゃりと言われた言葉に背筋を伸ばし元の位置へ戻った。やる。サヤならやる。
―― ……そんな事言われると思わなかったから……少し照れただけよ。
心の中でそう返答する紗矢香の思いは、言わずとも春彦にはきっと伝わっていて、だからちょっと悔しい。
「いけない、早くケーキを選ばないと。どれにしようかしら」
自身を仕切り直すように、凛としたいつもの顔へと戻って紗矢香はBoxの中に視線を彷徨わせた後。
「決めた。この蝶のカップケーキにするわ」
「あーソレ抹茶と栗の和風のヤツだな。最初に選んだのがソレってサヤらしいな」
伊達に好みを把握しているわけではない。どれも紗矢香の気に入りそうなものを選んだつもりだったが、手にしたのを見ればなるほど和菓子好きな彼女らしいと春彦は納得顔。
逆に自分の選ぶものを予想していたような返答をされ、紗矢香の方はどこか複雑そうに。もちろんそんな素振りは見せないけれど。
「春彦も一緒に食べましょう」
「一緒にって、まぁいっか……俺が食っても笑うなよ……」
「別に笑ったりしないわよ。春彦のことだから、きっと自分の分もちゃっかり買っているでしょう?」
「ぐっ。バレてる……」
「他のBoxのはお返しの物でしょう。ちゃんと個別包装ももらってきた?」
「もらったから! ケーキ説明書もバッチリだから! 俺そんなうっかり者に見えんの!?」
「見えるわね」
がっくりと頭垂れる春彦へ、先程照れさせられたお返しとばかりに微笑む彼女。こうして大抵言い負かされるけれどいつだって悪い気はしない。
―― 変わらないのが安心するっつーか……なんだかんだ落ち着くんだよなあ。
『甘さも丁度よくて美味しい』と、嬉しそうにカップケーキを頬張る紗矢香を見つめふと思ったり。
「ついでに夕飯食ってってイイか?」
「言うと思ったわ。夕飯はたけのこと桜エビの炊き込みご飯を作ろうと思っていたし、どうぞ食べていって」
「やりっ」
何回会ってもこの落ち着いた、懐かしい空気を醸し出す2人の空間を、もう少しだけ堪能していたい。
そう感じたのはどちらが先だっただろうか。
ごく当たり前のように、ホワイトデーのお返し風景は和やかな夕食風景へと移行するのだった ――。
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3人まで
シナリオジャンル
日常
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コメディ
定員
1000人
参加キャラクター数
41人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年03月01日
参加申し込みの期限
2017年03月08日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年03月08日 11時00分
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