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【ホワイトデー】平和ときどき怪奇?
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●赤玉に浮き上がる心
『朱乃ちゃん、明日ちょっとおでかけしない?』
メールが来たのは数分前の事。すでに返信も済んでいる。そんな
白草 朱乃
の顔は、現在クッションの中に埋もれていた。
……デート、と思ってるのは私だけかな。
微かに覗く片目でチラリと、もう一度携帯の画面を見直すと黄昏た色がその瞳に浮かんだ。
先月のバレンタインという特別な日に、一緒にお出かけが出来てチョコレートも渡せて、あまつさえ自分もプレゼントがもらえて。これ以上無いというくらい幸せだと思ったのに、好きだという気持ちに際限はないようで日増しにどんどん欲張りになっていく気がして。
楽しみなような不安なような、複雑な恋心は止まらず中々寝付けなかった。
パッとクッションから顔を離し自分を律するように立ち上がれば、せめて努力だけは怠らない様にしよう! と、髪や爪の手入れを念入りにし直す朱乃の姿があった。
今日はホワイトデーだし、なんだかデートっぽいん? と、前日の朱乃と同じようなことを考えながら空を見上げる
呉井 陽太
。
よしよし、晴れたねぃ♪ と嬉しそうに青空から視線を下げると、そこにちょうど駆けてきた朱乃の姿があった。
ツインテールやポニーテールなどお洒落に気をつかうお年頃な女の子は、今日は普段結っている髪をおろし、右サイドヘアーだけ編み込んでいて少し大人びて見える。
空色のワンピース、スカートや袖の裾部分に垣間見えるフリルだけベビーピンク色をしていて、とても春らしく感じられた。
揺れるフリルや鞄には、自分があげた新緑色の石混じるブレスレットや、貝殻と小瓶に挟まれた人魚姫のチャームが付けられているのにも気付くと、それらに合わせた服装を選んでくれたのだろうか、なんてよぎって心の中がほっこりと温かくなった。
「呉井先輩、こんにちは! お待たせしてしまいましたか?」
「うんにゃー。オレもぴったり来たとこだよん。そんなに慌てなくてもよいのにぃ」
「一緒にお出掛け出来るのが嬉しくて、その、着るものつい色々迷っちゃいまして……遅れちゃったかと思いました」
「この場所にすっごく合ってるねぃ。かわいいかわいい」
待ち合わせ場所の鳥居から、すぐそこの神社に咲き誇る白や紅、濃いピンク色など梅たちを視線で差して陽太は目を細めた。
陽太の一言一句がいつの間にかこんなに自分を舞い上がらせるようになっていて、恥ずかしそうに行き場のない視線を朱乃は俯かせる。
じゃ、行こーかぁ、と先を歩き出す陽太の裾が、下がった視界にちらついた。
腕に付けたブレスレットやバッグチャーム、どちらも彼がくれた宝物。それらに触れてまるで勇気を振り絞るように、朱乃はその服の裾をつまんだ。
どうしよう……呉井先輩の顔を見たら、胸がいっぱいで……。ハッキリと言葉にして伝えることはまだ勇気が足りないけれど、気付かれるならそれでもいい。
自分の気持ちを持て余してしまう朱乃は、服を引かれた事に気付き振り返った陽太を、熱を帯びた深い青色で見上げた。
前はあっさり繋げたんだけど、ねぃ……。
島全体でのイベント日ということで、今日神社を訪れる人はさすがに少ないものの、以前にはぐれた経験もありそれの予防策かと、己の服をつまんでいる彼女を見やる。
ならば安心させるように手を繋ごうかとポケットから手を抜こうとして、どこか緊張はらんだ自分に陽太は心の中で首を傾げた。
むしろ繋いで安心したいのは自分ではないだろうか、あの時、はぐれた後繋いだ手のぬくもりから得た物をもう一度感じたいだけじゃないだろうか。それが何か確かめるために。
僅か逡巡してから、そっと陽太の左手が朱乃の右手に触れそうになったその瞬間、当の彼女が空を見上げて叫んだ。
「わ!?」
「うんっ? ……うーわぁ」
驚き合った二人の手の距離は、元の位置へ戻されて。
何故空からお菓子が……? と驚いた表情のままの朱乃と、一瞬驚いたもののすぐに『あー、コレってまた神魂の影響かなぁ?』とあっさり納得、むしろどこか遠い目になる陽太。
「飴と、クッキーですかね。これって食べられるんでしょうか」
「あっちの人、食ってるねぇ。なんか美味しいだなんだのって聞こえるし」
「美味しい、のでしょうか……」
「オレも食べてみよーっと」
「呉井先輩が食べるなら、私もっ!」
何かあったらその時はその時、とどこかマイペース似た者同士な2人、陽太は赤い飴を、朱乃は星型のクッキーを上手にキャッチすると同時にパクリッ。『あ、美味しい』なんて言葉も息ピッタリに重なる。
先に自身の違和感を察知したのは陽太であった。
―― ん? 何だか胸の奥があったかくなってきたような気が……。
「朱乃ちゃんは大丈夫? 何か変わった事が起き……、……」
「? 呉井先輩?」
「あ……アレ?」
「先輩? 顔が少し赤いですっ。やっぱり飴に何か入ってたんじゃ」
「いやうんちょっとまってね」
朱乃を視野の中に捉えたまさにその瞬間、陽太の胸がきゅーっと切ないような苦しいような音を立てた。
「呉井先輩!? お顔どんどん赤くなってますよ!?」
「大丈夫、具合が悪いわけじゃないから大丈夫!」
「ぜんぜん大丈夫じゃないですの! ほらっ、ちょっと熱いです」
ひどく心配をした朱乃が陽太の服をグインッと引っ張って、顔を自分の届く位置へ持ってこさせると、その額へと細く華奢な手を添えた。
あ。やっばい、今朱乃ちゃんのコトぎゅうううってしたい。いやいやいや待って待とうよオレ!!
動揺を抑えようと、己の心臓をどんどこ叩いてみる陽太だが、その行為がなおさら朱乃の不安を煽ることに。
自分を傷つけようとする奇怪行動に走ったのかと、朱乃が陽太のその腕にキュウッとしがみついてきた。その行動に今度は陽太がビックリである。
「どうしたんですか呉井先輩っ、ダメです!」
「ええ!? 朱乃ちゃんこそどうしたの!?」
「いくら先輩でも(私の大好きな)先輩のコト怪我させるのは許さないです!」
「ちがうちがう」
「風邪を引いたら大変ですのっ。とりあえずこの飴から避難しましょう! 行きますよ呉井先輩!」
いつもは控えめな彼女の行動に、陽太も目を白黒させる。
勢いに乗って陽太の腕を抱きしめたままの朱乃、陽太の動揺などお構いなしにグイグイ引っ張って神社の軒下へと駆けこんだ。
なお、お気づきのとおり朱乃の食べた星型クッキーは、陽太の食べた赤い飴と仲良くお揃いの効果だったようだ。
そして駆け込んだと同時に効果が切れたようだ。切れる寸前の先程の台詞、( )内は心の中に留められたのは朱乃にとって不幸中の幸いだろうか。
飴から逃れたことでフーッと息を吐くと、陽太と目が合って。次に自分の両手がしっかり抱きしめている物体を見やって。
「!? ごごごごめんなさい……!」
ババッと離された腕と逸らされた視線。いつもの朱乃の様子に、どこか安堵してから陽太も深く呼吸する。
「……はぁ、落ち着いてきた。朱乃ちゃん、心配かけてごめんね」
「いいいいいえ……こちらこそ呉井先輩に、なんか偉そうなこと……失礼な事、いっぱい……」
ごめんなさいごめんなさい、と今にも消え入りそうな声で繰り返す朱乃を、優しく宥める陽太。
お互いが落ち着いた頃を見計らって、陽太は鞄から取り出したものを朱乃へと差し出した。
「今日呼び出したのは、バレンタインのお返しもしたかったんだ」
「え? お返し……?」
「というワケで。ハイ、どうぞ♪」
朱乃の視界に飛び込んできたのは、ハートのギモーブ。透明な瓶にはイチゴの姿が彫られシンプルながらも可愛らしいデザインである。
夢か幻でも見ているように、朱乃はまだ言葉を紡げずにいた。
「あ。ギモーヴって『フランスのマシュマロ』って呼ばれてるんだけど、マシュマロ=嫌いって意味をこめて渡すわけじゃないよ。
朱乃ちゃんと一緒に苺狩りに行った事があるから、いちごみるく味のお菓子はどうかなぁと思ったんだ。それに、」
嫌いだったらその形のお菓子を贈らないというか何というか……、ともごもごと続いた言の葉に、夢から覚めたように朱乃は陽太を見つめ返した。
―― っと……。飴の効果は切れたっぽいのに、また胸のあたりがおかしいな。どうしたんだろうね、オレは……。
おそるおそる広げられた、自分より一回り小さい手のひらを見れば、戸惑う心の声は隠し陽太はギモーブの瓶を優しくその手の上にのせてやった。
どう思われているかは今はまだ……。嫌われてはいないのだと、彼の口から聞けただけで今日はもう十分だと波打つ想いに言い聞かせ。
朱乃はそれを愛しそうに胸の中に包む。幸せ過ぎて涙ぐみそうになるのだけは堪えてから、心から嬉しそうな笑みを咲かせた。
「ありがとうございます。大事に食べますね」
鼻をくすぐるこの甘さは飴の匂いだろうか、梅の香りだろうか。
見上げてくる笑顔に、陽太の手がピクリと動きそうになるのを腕組みをして自ら制する。あーコレだから怖いわ寝子島……早く効果切れないかなあ。
「……呉井先輩? どうかしました?」
「いやうん。飴早くやまないかなーって。今日は朱乃ちゃんに格好悪いとこ見せちゃったしね」
「普段と違った呉井先輩が見れたのは、私嬉しかったんですよ? ふふ」
止まない飴を見上げる二人の、胸の高鳴りもまた中々止まず。
肩と肩が触れ合う距離。もっと触れたい、そう心で呟いたのは果たしてどちらだろうか……――。
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日常
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定員
1000人
参加キャラクター数
41人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年03月01日
参加申し込みの期限
2017年03月08日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年03月08日 11時00分
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