this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
【ホワイトデー】平和ときどき怪奇?
<< もどる
1
…
8
9
10
11
12
…
21
つぎへ >>
●それは花開くように
ココアパウダー2カップ、バターは室温に戻し済み、粉砂糖も分量ふるった物、他諸々も計量カップ内にすでに待機。
よし、と沸騰手前に湯だった鍋を見つめ、
神条 誠一
はニャックパッドをもう一度読み直してからそれらを手際よく調理していく。
全ては明日の為。大事な女の子の喜ぶ笑顔を想像すれば、元々の器用さに加え真心という名の調味料も自然と溶け込んだ。
◆
◆
◆
◆
◆
◆
3月14日。本日は土曜ということで通常授業は午前のみ。それでも学生たちの中には部活動に精を出す者も多い為、太陽が傾き始めた現在も下校する影たちがいくつも伸びていた。
その中に、仲良く並んだ影二つ。片やバスケ部、片や陸上部な彼と彼女はそれぞれの自主練習を終えて待ち合わせた後歩き出した。
鴇波 羽衣
は隣りを歩く誠一の横顔を、時折チラッチラッと視界に入れる。
やっとこの距離にも慣れてきた、かな……。彼と恋人同士になれたことが、夢じゃないんだと確かめる行為も大分なりをひそめてきたものの、ついつい見つめるのがクセになってしまう。
羽衣本人は気付かれないようにおこなっていたつもりでも、当の誠一にはとっくに気付かれていてこっそり微笑ましそうに胸の中で吐息を吐いていたり。
「お、お邪魔しまーす」
「そんな堅苦しそうにしなくても、俺の部屋入るのも慣れたろ?」
「そうなんだけど、なんか条件反射っていうか!」
誠一からのお呼ばれで、羽衣は誠一の家へと一緒に上がった。
事実何度目かの訪問ではあるものの、2人きりの空間はいつだって緊張を伴う。更にこの部屋には、色々思い起こされるモノがあり羽衣の頬はどうしたって赤みが差してしまう。
そんな複雑な乙女心を知ってか知らずか、クスリと笑ってから羽衣を座らせた後誠一は一度部屋を出た。
―― あ、机の上にあるの、あたしがあげたミサンガだ。……付けてくれてるんだなぁ。
水色がほんの少しだけ色あせた、使用感を伴うもののきちんと飾るように置かれたミサンガを目にとめれば、ソワソワする心も解きほぐされる。
羽衣が小さくはにかんだところに、誠一がお皿とカップを持って部屋に戻ってきた。
おやつかな? と首を傾げた羽衣の目の前にそれが置かれると、羽衣のどんぐり目がクリンと大きく見開かれる。
お皿にのっていたのは、苺キャラメルソースのかかったフォンダンショコラ。綺麗な形を保っている中に、どこか手作り感が見えて。
「誠一くん、これって……」
「羽衣がバレンタインに頑張って手作りしてくれたろ。なら俺も、作って贈りたくなった」
つまりはホワイトデーのお返しだ、と伝えられて、羽衣の心が嬉しさでいっぱいになった。
おそるおそる、フォークを手にして切り込みを入れると、温かそうな湯気が一瞬だけ放たれた後、とろりとチョコレートが蕩け出してきて。
「え!? 作り立て!?」
「んな無茶な。この数分で。持ってくる直前、レンジで温めてきたんだよ」
「すごいよ、誠一くん!」
口に運べば、甘い中にほのかな苦さが程よく混じった大人な味が広がる。
「キャラメルソースの色もピンクで可愛いね♪ 凝ってるなぁ」
「ココアパウダーから作ってみたけど、案外簡単で楽しかったぞ」
「市販のチョコ溶かして作ったんじゃないのっ?」
「ちなみにそれ、第一弾だから」
「まだあるってこと!?」
驚きっぱなしの羽衣をよそに、フォンダンショコラが半分ほど減ったあたりで誠一は手作りお菓子第二弾をふるまった。
二つ目のお皿にのったのは、真っ白な粉砂糖に包まれたスノーボールクッキー。
目を白黒させている羽衣の反応を楽しそうに眺めてから、続けて三つ目のお皿を置いた。何やらこちらは動物の形を模しているような。
「かわいい! モモンガだ!」
「ギモーブっていう、まぁマシュマロみたいなもん」
「これ、何で色ついてるの?」
「ココアパウダーを薄くしてみたら、ちょうどいい色になった」
「す、すごい………」
もはやお店に出せそうなレベルのお菓子たちに、嬉しさに反比例して羽衣の女子力にダメージがいったり。
―― うう……誠一くん……器用すぎるよ……。
しまいには、甘さ控えめなフォンダンショコラとスノーボールクッキー用には、温かい甘めのチョコココアを。マシュマロらしい甘さに満ちたモモンガギモーブ用には甘くないチョコココアを。
2種類しっかりと用意して出してくれる誠一のもてなしと気遣いに、羽衣の女子力が完敗撃沈。
「ん? どうした急に突っ伏して」
「誠一くんの方がいいお嫁さんになれそう……」
「は?」
「ううんっなんでもない気にしないで! こんなにいっぱい作ってくれたのが嬉しくって。誠一くんって本当、なんでもできるんだなあ」
「羽衣だって頑張ってんじゃん」
そ、そうだよね! あたしも前よりはお料理できるようになってきてるもん!
誠一にポンッと頭を撫でてもらえば、心の中で前向き回復。パッと笑顔を誠一に向ける羽衣。
「ふふ、甘くてすごく美味しいよ。ありがとう、誠一くん」
「どうしたしまして」
「全部あたしだけで食べるなんて、なんだかもったいないよ。誠一くんも一緒に食べよ、ね?」
「一緒に……」
「ハッ! ままま前みたいなのじゃなくて、ね! ちゃんとフォークで切ってとかっていう意味でっ」
「なんだ残念」
『一緒に食べる』のキーワードから、以前されたちょっぴり大人なキスを思い出し真っ赤になって慌てる羽衣を、冗談とも本気ともつかない笑顔で受け止めてから、じゃあちょっとな、とクッキーに手を伸ばす誠一。
それを見つめて、ここなら二人しかいないしちょっともったいなかったかなぁ……と複雑な思いが湧く羽衣がいたり。
恥ずかしい、でもイヤじゃない。恋人になってからの方が、恋心がもっと難しくなった気がする。
片思いの時は、彼の顔を見るだけで心が締め付けられるように苦しかった。
でも今は、見つめればそれに気付いて笑顔を返してくれる。それは感じたことが無いほどの幸福感で。
恋は白馬の王子様が迎えにきてくれるものだと、どこか思っていた頃があったけれど。実際はつらくて、苦しくて、迎えを待つより自分が動かなきゃいけないんだと思い始めて。
そうして彼は自分を受け取めてくれた。自分にとってはやっぱり王子様のように素敵な人が。
無意識に羽衣の手が自分の頬に向かった。ふわふわする『今』は本当に現実なのか……幸せすぎて不安で。
「いたっ……」
「羽衣っ? なにしてんだ?」
「あ、あはは~、その……幸せすぎて夢みたいだなあ、って思って……つい」
「ばっかだなあ」
言葉とは裏腹に、たった今羽衣が自分でつねった頬へ伸びた誠一の手は、とても温かった。
大きな掌のぬくもりが気持ち良くて、羽衣の瞳が僅か閉じられる。ふと誠一は、そんな羽衣を軽々抱き上げた。
「!?」
パチクリと瞳を開き、何事かと慌てる羽衣をソファに座った己のひざの上に、向き合うように座らせた。
「え、え、誠一くん……!?」
「いや、夢じゃない証拠に恋人らしいことをしてみようかと」
この態勢には覚えがある! 羽衣の脳裏をあの時の光景が駆け向ける。
以前にここへお邪魔した時のまさに再現であった。
「あの時は俺が羽衣に食べさせたから、今度は羽衣が俺に食べさせるってどうだ?」
「ちょ、ま、心の準備がっ」
「ほいクッキー」
問答無用、とばかりにご丁寧にスノーボールクッキーののったお皿は羽衣が取りやすいように誠一が持ってくれる。
こ、これを逃げては女が廃る!? 羽衣、半ばパニックになりながらも、勇気を振り絞ってクッキーをつまんで……
「はい、あ、あーん……」
「ん」
恥ずかしさで震える指を誠一の口の中へ。クッキーを離して逃げるように引こうとした羽衣の指を、その瞬間誠一がクッキーごと含んだ。
指先を舌で舐められた感触がする。ちゅ、と小さな音を響かせ離れた誠一の口の端は、いつもの弧を描いておらず。動揺のあまり固まった羽衣の瞳を、真剣な眼差しが射抜いた。
―― ……初めて見るかも、誠一くんのこんな表情……。
手を繋いだりキスをしたり、恋人らしいことを何度もしてきた中で、羽衣はその誠一の表情から初めて実感を得た気がした。
―― 誠一くんも、あたしのこと、好きでいてくれるんだ……。
行動や仕草だけが全てじゃ無い。好きな人が、自分にだけ向ける顔があることを『特別』というのかもしれない。ふわふわした靄に包まれた羽衣の心が、くっきり輪郭を得はじめる。
……前よりももっと、誠一くんを好きになったかも。
瞳の中から動揺が消えていき、次第にどこか艶っぽさを生んで真っ直ぐに自分を見つめ返してくる羽衣の変化に、誠一は口の端をふわりと緩めた。
いつの間にか橙色に染まった部屋の床に、どちらからともなく口を重ねた二つの影が照らし出されるのだった。
<< もどる
1
…
8
9
10
11
12
…
21
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
【ホワイトデー】平和ときどき怪奇?
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
蒼色クレヨン
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
コメディ
定員
1000人
参加キャラクター数
41人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年03月01日
参加申し込みの期限
2017年03月08日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年03月08日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!