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【ホワイトデー】平和ときどき怪奇?
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●絆を音色にのせて
夕食を終えると、頭の回転的に体内で食物が少し消化され始めた頃がよいだろうとして、自習を開始するまでのこの間は
八神 修
にとって動物たちと一服のひとときとなる。
「水が欲しいのかな、よしよし」
修の足元に、何かを訴えるように猫たちが鼻先を寄せたり肉球てちてちしてくる様子を見ると、自然と求めているものが伝わってきた。
猫たちの水を換えるついでに、ハムスターやウサギの餌や水も足したり交換したり。
これから夜の日課の事を考えればまだ眠るまで先は長い。自分が床につくまで大体が共に起きているコたちの事を考えると、ならばついでにオヤツでもとそれらが収まる棚を開けに行った。
この時、ロシアンなブルーの瞳がきゅぴーんと光ったのに気付けばもう少し修も背後に気を付けただろうか。
修が棚を開けた瞬間、ブルーを先頭に猫たちが修の背中や後頭部めがけ突撃をかました。
「っっと! ちょ、テオテオ、爪! 背中に爪は立てないでくれ。分かった、今やるからそんな目で見つめてくれるなミルク」
猫たちのヤンチャさに気後れしたか、はたまた修の揉みくちゃっぷりに気を遣ったか、幸いにして成犬2匹は修の後ろで大人しくお座りして待っていてくれたようだ。
感知力侮れないな、と各々の小皿に小分けしてやりながらも、それだけ自分の一挙一動を見ていてくれているということかと考えれば可愛さ倍増。
順々に撫でつけてやっているところへ、予定していないはずの呼び鈴の音が響いた。
玄関前のカメラを捉えた備え付けモニターを先に見やると、修は苦笑いを浮かべて玄関へと向かった。
「シュー君、こんばんはなのです」
「せめて電話してから来いよ。どうしたんだ?」
カメラ越しに見た
椿 美咲紀
の笑顔が、今は玄関扉を開けた自分の目の前にある。
問いかけた修へ、徐に美咲紀は真顔を作って。
「誘惑がすごいのです」
「は?」
「お話書きたい、新聞記事用の写真整理したくなっちゃうんです。
そっちを見ない様にすると、今度は反対側から海岸版漫画が手を振ってくるんです」
「……ようするに、勉強するのに自分ちだと誘惑がすごいから俺の所へ来た、と?」
「さすがシュー君! 以心伝心です!」
「どっちかというと洞察力とか日頃の美咲紀の行動を元にした推理力かな……」
やれやれと息を吐くと、美咲紀から懇願の視線を向けられる。
『きゅーんきゅーん』
クリンとした目で一生懸命に伝えてくる様子が、先程の動物たちとダブって見えた気がした。
「俺はこういう小動物系を邪険にできないらしい」
「シュー君、今何か言いました?」
「いや、こっちの話。さあ、入って。紅茶でも淹れさせるから」
「ありがとなのです! お邪魔しますー」
昔から知ってる幼馴染相手なら、プライベートな部屋を見られたとて気にはならない。
以前のお泊まり会で使ったリビングルームは通り過ぎて、修の部屋にて二人は勉強を開始する。
「で、今日は何をしようと思っていたんだ?」
「英語です。1年の復習と、関連問題集を解こうと思ったのですが……」
「教科書の範囲なら、美咲紀もある程度頭に入ってるだろ」
「そこはシュー君のおかげで。ただ、英語って単語知ってるか、で勝負決まっちゃうトコ苦手です。
主語なきゃダメとか、文法の勉強だと余計にアタマ爆発しそうなっちゃうのです」
「あー。そこは反復して覚えるしかないな。同じ単語でも、文法の使い方で意味も変わってくるのは、確かに美咲紀は苦手そうだ」
「そうなのです」
しょんぼりとした美咲紀へ励ますように、いつでも聞いていいからと微笑んで、自身は微積分と物理の問題集へと取り掛かった。
時折、美咲紀から声をかけられ解き方を教えてやりながらも、集中力を途切れさせること無くページを埋めていく修。
真剣に教わろうという美咲紀の姿勢をよく分かっているからこそ、
学ぶ努力を汲んで必ず応えてくれる修だと信じているからこそ、
カリカリと沈黙の中に響く鉛筆の音は、逆に二人の集中力を高め充実した勉強空間を作っていた。
とはいえ、苦手科目を集中したことでプシューッと疲労で突っ伏した美咲紀に気付けば、計ったように修からお菓子とココアによる休憩を設けられた。
「ふあー、甘いココアが体に染み渡るです」
「随分頑張っていたものな」
「シュー君シュー君、貰ったサブレを開けても良いです? 食べようと思って持ってきたんです」
「まだ沢山あるから、あげた分は家で食べれば良いさ。今は俺の家にあるのを食べれば良いよ」
日頃お世話になっている友人たちへ、ホワイトデーにちなんで修が配っていたクッキーの袋を鞄から取り出そうとして、言われた言葉に『ではお言葉に甘えます』と自分の分はしまい直し。
ワクワク顔で修が用意してくれたお皿から包みを開く美咲紀。
中から顔を出したのは『魚』の形をしたクッキーで。郵便ハガキ程の大きなサイズのそれは、デフォルメされているとはいえ部屋に入ってきた猫たちの興味を盛大にひいた。
「あっ、待って、待ってくださいー! ごめんなさいこれは人間用なんです~~~!」
「オヤツは十分にあげたはずなんだがなぁ。ほら、猫たちは抱っこしとくから美咲紀はゆっくり食べな」
「むむ。頭からいくか尻尾からか悩みどころです……」
自分のクッキーを必死に死守しようとする美咲紀に、笑いながら修は援護してやりながら。
悩んだ後、はう!サックサクなのです! と満面の笑みを浮かべ頬張る姿と、背後のハムスターのケージをチラリと見比べた。
やっぱり小動物は和むな、なんて胸の内はしれりと隠しながら。
休憩後の勉強も終えた頃には、すっかり夜中。
当たり前のように泊まっていこうとする美咲紀にも、もはや修は動じない。
「いいけど、使用人には言ってきたのか?」
「そこは抜かりはないのです。シュー君とは違うのです」
「……俺ももうしないって」
えっへん、と胸を張って続けられた言葉は、いつぞや遠出した時にお付きに言わなかった為小言をくらっていた修のことらしく。
修の、珍しくも耳が痛そうに視線を泳がせる様子は、気心知れた、どこか自分と似た立場な彼女相手だから見せられる仕草だろうか。
「冗談です。シュー君は同じ過ちしないってちゃんと知ってます」
「なら良かった。部屋はいつもの客間を好きに使ってくれ」
「あ、先日買ったパジャマ、ありますか? 寝る前にシュー君に見せちゃうです♪」
「ああ、それなら俺のとは別に使っていないそこの引き出しに」
言われるが早いか、自分のすぐ真後ろにあった引き出しを失礼して開けさせてもらうと、装飾は最低限の、しかし手触り良く優しい色合いをしたパステリグリーンのパジャマを美咲紀は取り出した。
「えへへ。早速シュー君のお家に置きっぱにさせてもらって役に立ちました。似合いますか?」
「ああ、似合う。けど着替えるのはあとで、な」
嬉しそうに服の上からパジャマをあてがう美咲紀の頭を、ぽんと撫でてしっかり修は釘を刺す。
パジャマ姿で、異性である自分の前をうろついてくれるなと。
きょとんとして、『だってシュー君ですよ?』と小首傾げる幼馴染へ、こめかみ痛そうにしながら『自分も世間一般的な男だから』と説明するのに苦労をしている修がいた。
◆
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◆
◆
◆
美咲紀が客室の方ですっかり寝支度をすませると、聴こえてきたのは耳に心地よいバイオリン、と、続いてピアノの音。
導かれるままに音色を辿る。一つの部屋の前に行き着くと、音色が止まった時を見計らってそっとその扉を開いてみた。
「なんだ。まだ寝てなかったのか」
「シュー君こそ」
「毎日少しはやらないと腕がなまるからな。気分転換も兼ねているし」
「なるほど、気分が落ち着くですね。それに、なかなかの腕前だと感じました」
「専門の学生には敵わないけどね」
当然のように嗜まれた教養の中で、とりわけヴァイオリン演奏は修の得意とするところで、それは美咲紀の耳にも確かな才能ある音色に感じられた。
「私はその音、好きですよ?」
「ありがとう。じゃ、折角だし何か弾こうか」
「本当ですかっ? えーと、では、3月らしい曲、とか!」
「ん。そうだなあ……」
一時視線を逡巡させると、修は緩やかに弦を奏で始めた。
少しの間耳を傾けていると、美咲紀はにっこりと笑顔になる。
―― ビバルディの四季の内、「春」ですね。
今にも小鳥たちのさえずる声が聞こえてくるような明るい調べから、時に春の嵐を思わせる強さを感じる、そんな演奏。
こんなに弾けるのだから、いつかコンサートのようなステージで聴いてみたいと正直に思う。ただ、美咲紀はそのことは口にしなかった。
身軽な生活を楽しむのも高校の間だけであろうことを、修も美咲紀も分かっている。寝子高校を卒業したら、またお互いに背負うものがある。
しかし、今こうして素晴らしい音色に身を預ける時間は、
ただただ、春の訪れる幸せに浸る二人なのだった ――
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3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
コメディ
定員
1000人
参加キャラクター数
41人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年03月01日
参加申し込みの期限
2017年03月08日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年03月08日 11時00分
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