this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
【ホワイトデー】平和ときどき怪奇?
<< もどる
1
…
15
16
17
18
19
…
21
つぎへ >>
●蕾から花へ
―― ま た か よ !
双葉 由貴
は、先程まで感じなかった違和感を感知すると心の中で盛大にツッコんだ。
もはや神魂による不可思議現象には慣れっこになってきているものの、正直今日は勘弁してほしかった。
最近になって恋心をはっきりと自覚した、その想い人である
椎名 あさひ
が今隣りを並んで歩いている。
ホワイトデーのイベントが至る所であるのを知って、2人でマリンパラダイス方面へと遊びに行こうとしている道中だったのだ。
折角の2人きりでの、『デート』と意識した特別な日であったのに、現実であって現実ではない別世界の感覚は、まるでこの大切な時間を邪魔された気分になって。由貴は少々ご立腹な心中である。
とはいうものの空から飴が降るこの現状、あさひの瞳には『これもホワイトデーのイベントの一つなのかなぁ?』と、楽しいものにしか映っていない。あさひにとっての日常を守る為にも、由貴は自身の苛立ちを幼いながらも必死にその身の内へと隠した、のだが。
「色んな色や形のあめやクッキー、かわいくておいしそうだねぇ♪」
「……(もご)」
「あれ? もしかしてゆきくん、あめたべてる?」
「いや違っ……空見上げたら、口に入っちまって……」
そう。こんな状況での飴玉は嫌な予感しかない。今までの経験から思っていたものの警戒するより早くに、由貴の意思に反して飴玉はすでに由貴の口の中へインしてしまっていたのである。
「あめおいしい?」
「う、ん……うまい、と思うけど」
「ほんと!?」
予想に反して、味は大変美味しかったゆえに素直な感想を伝えてしまう。当然、あさひの瞳は輝いた。
正直こんな怪しい飴、あさひには食べて欲しくないとは思ったものの、咄嗟には止める理由が思い浮かばなかった。
特に大丈夫そうか? 水色の飴を口内でコロコロ転がし安堵し始めた由貴の表情は、次第に変化していくこととなる。
おいしいと聞けば好奇心旺盛なお年頃、どの色がいいかなー、なんてお空見上げて思案中なあさひ。
あ、あの赤いのにしよう!
ちょうど真上に舞い降りてきた苺色な飴を上手にキャッチして、それを自分の口へとポイッ☆
「わ! すごいねゆきくん! あさひ、こんなおいしいあめ初めて食べた!」
舌の温度でほどけるように、甘さがじゅわりと広がっていって。お隣りへと共感を求めるためにあさひはゆきへと視線を向けた。
するとどうだろう。
確かにいつも学校で見かける由貴は、他の人よりも輝いて見えるけれど今日は一段と、キラッキラして見えてきて。
あさひの鼓動が早くなる。あれあれ? ゆきくんに見られているだけなのに……
ほっぺに手をあてると熱を帯びているのが分かった。
「わぁぁ……そんなに見られたらなんかはずかしいよー」
「あさひ……」
照れが最高潮になってきて、思わず由貴に背を向けてほっぺをペチペチ、落ち着かせようとする。
恥ずかしいけれど、でもホントはゆきくんがあさひのこと見てくれるのはうれしい。
バレンタインにくれたバラの花も、今日というイベントの日にいっしょにお出かけしてくれることも、ゆきくんのトクベツにしてもらったみたいでうれしいの ――。
バラの花を渡してくれた時の由貴の顔を、その後囁いたどこか大人っぽい声を思い出して、幸せの笑顔をこぼすあさひ。
その一挙一動を、まるで見逃すまいとただただ見つめ続ける由貴の視線。
その目の中に、先程まで無かった影を振り返ったあさひはふと見つけた。
いつもの由貴の青い瞳、それがどうしてか青じゃなく涙色に見えて。首をコトンと傾げて覗き込む。
目の前でクルクル表情を変えるあさひ、自分を真っ直ぐ見つめてくれる視線。由貴の中で、あさひを見つめれば見つめる程、普段は考えない様にしている不安な気持ちが今、どうしてか溢れてきていた。
―― いつも笑顔で、俺にとっての守りたい女の子。可愛くてのんびりして、ほっとけない。
―― 俺だけに頼ってくれれば良いのに。他の奴にあさひが頼るなんて嫌だ。
日々の、ふとした時に見かけたあさひとそれを取り囲む友人たち、イイコばかりなのは知っているはずなのに、それを思い出すだけで心の中に暗い感情が過っていく。
「ゆきくんどうしたの? どこかイタイ?」
あさひが優しく声をかけてくれているのに、そのあさひへとぶつけたい感情がどんどん湧き上がってきてしまう。
だめだ、あさひに言っちゃだめだ。
制御しようと思えばできそうではあった。けれど、我慢の分心に切なさが溜まっていって。精一杯、叫びそうになるのだけ堪えてとうとう由貴は口を開いた。
「あさひ、頼るなら俺だけにしろよ。他の奴に頼るなよ……」
突如、まるでバレンタインの時に垣間見た表情で告げてくる由貴に、大きな両目をあさひは見開いた。
あさひが驚いているのが見えても、もう由貴の言葉は止まらなかった。
「俺だけに笑ってろよ。あさひは誰に対しても公平で人当たりが良いから、不安になる。
ホワイトデーのお返しも俺だけが良い。他の奴になんかもらってほしくない……俺だけがいい」
行き場を失った思いが形になると、由貴の手は逃げられるのを怖がるかのように無意識にあさひの手首を掴んでいた。
こんな自分かっこ悪い……あさひに嫌われたらどうしよう……。
吐き出した後に押し寄せるのは更なる不安と恐怖。いつだってあさひに向ける言葉は、優しく格好良くありたいのに。
こんな自分を見せてしまった今、由貴はあさひを真っ直ぐに見れず手を掴んだまま俯いていた。
手加減の無い強さで掴まれたあさひの手首は、少々の痛みを伴っていた。しかし自分の痛み以上に、もっと痛そうな顔をしている男の子を見つめるあさひの胸の中には、不思議な感情が湧き上がっていた。
―― ゆきくんが話しながらすごくつらそうなのにごめんね、あさひすごくうれしいのヘンだよね。
それは成長した心の証。好きの次へ進んだ感情。
由貴の吐き出したそれもまた同じ。自分以外に向けられると苦しい、自分だけに向けられると満たされる、それは独占欲や愛しさの表れ。
ただ由貴の中ではまだそれが纏まらない気持ちとなってグルグル渦を巻き、続く沈黙に堪えかねてそっとあさひの手首を掴んでいた手が離された。
「……ごめんなあさひ。楽しい一日にするつもりだったのに」
あさひにはたくさん笑ってほしいのに、困らせてしまう自分が一番嫌だ。
もう幻滅されてしまっただろうか。
背を向けた由貴の、小さな肩が僅かに震えているのにあさひは気付く。
「ゆきくんあのね、あさひもね、」
やっと聞こえた声に、しかしビクリとして振り向けない由貴に、あさひは穏やかなトーンのまま歩み寄った。
「ゆきくんが、バレンタインのチョコレート受け取るのが、バレンタインにバラをわたすのが
今日、一しょに出かけようってさそうのが、あさひだけだったら、あさひだけトクベツだったらいいなーって思ってたんだよ?」
バッと由貴がはじかれたように振り返ってきた。
ビックリしている顔を見つけると、いたずらっ子のような笑顔を見せて『知らなかったでしょ?』とはにかむあさひ。
「ゆきくんだけだよ。ハートの形のバレンタインチョコレートをわたしたのも、一しょにいてこんなにドキドキするのも」
ぽかんとしたまま、由貴の心のうねりにじんわりじんわりとあさひの言葉が届く。
一つだけ入っていたハートの形のチョコレート、あの時も、これがあさひのとくべつだったらいいのになんて思いながら口にしたけれど。
あの甘い形は自分だけに贈られたものなのだと、あさひの澄んだ瞳と言の葉が告げてくれた。
「そっか……知らなかった」
「へへ。あさひも、ゆきくんの思ってたこと知らなかったから、おそろいだね」
「うん、一緒だな」
どちらからともなくお互いに歩み寄っては、その手が繋がれる。
由貴の瞳は涙色から、飴の彩りを添えた空色に戻っていた。まるで重なった二人の気持ちを祝福するかのように降り続ける飴たちを見上げて、由貴とあさひは笑い合った。
そしてあさひの耳に、あの時のような囁き声が届けられる。
『俺もあさひだけ』
くすぐったそうに、照れくさそうに肩を縮こませるあさひの胸元。一眼レフのその下では、ラブスプーンのペンダントがあさひと同じように幸せそうに揺れているのだった ――。
<< もどる
1
…
15
16
17
18
19
…
21
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
【ホワイトデー】平和ときどき怪奇?
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
蒼色クレヨン
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
コメディ
定員
1000人
参加キャラクター数
41人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年03月01日
参加申し込みの期限
2017年03月08日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年03月08日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!