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【ホワイトデー】平和ときどき怪奇?
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●繋がる縁 交わらない未来
午前授業終了のチャイムから数分後、解放されたように爽やかな笑顔で校門を出る生徒たちがチラホラ見え出した。
北里 雅樹
は彼らをぼんやり眺めながら、時折校庭の方へと視線を向ける。
追試や補習などの工程ももはや済んだ3月半ば、卒業生を送る準備やらが一段と忙しなくなるのもあるからか、大抵の部活動は自主参加だったはずと曖昧な思考を繰り返す。熱心に自主練する性格でも無いだろうと、目当ての姿が現れないか靴箱方面も見やりながら。
―― 何してるんだ……俺。
今日はホワイトデー。案の定、学校内もそのイベントで賑わう学生や集団を見かけた。しかし今の雅樹には本来もう考えなくてよいイベントだった。すでに先日、ハッキリと『先月のお返しだ』と言及して済ませていた為である。
なのに、どうしてか自分の足は校門の前で動かなくなってしまった。
去年の彼女の不可解な留年をきっかけに、次第に疎遠になって恋心という気持ちは互いの中から風化していった。したはずだ。
しかし不思議と、ただの幼馴染であった時より、恋人であった時より、複雑な関係な腐れ縁となった今の方がかえって2人でいる時間が増えたように感じられて。
そこまで思いに耽ったあたりで、雅樹はその彼女の姿を視界に捉えて寄りかかっていた門から背中を離す。
いつものように、スマホから伸ばしたイヤホンを耳にあてている。それが自分が贈ったプレゼントの方なのか、以前のイヤホンなのかは色も形も全く同じ物を選んだゆえに判断は出来ない。目の前で交換していたのだから、自分のを使ってくれているのだと思いたいところである。
やや遠くを見つめていた
椎井 莉鳥
の視線が校門前に佇む雅樹の姿を映し出すと、僅かに歩調がゆるくなった。
視線が交わった一瞬の間。莉鳥の中で推論が秒速に展開される。
『今日がホワイトデーだということは知っている、けれどお返しはこの前してもらったばかり。
ということは自分に用があるわけではないだろうし自分も特に用などない。
結論:素通り
』
腐れ縁でも『縁』は『縁』。雅樹には、目が合ってそれが逸らされた瞬間に上記な莉鳥の考えが何となく伝わった。しかして、伝わったとて関係なく行動するのが雅樹でもある。
目前を通り過ぎた莉鳥へ、あっさり並んで歩き出す。
「椎井のクラス、HR結構かかったんだな」
「……」
「うち、担任が面倒くさがりだからさー。ま、生物ん時みたいに延々と語られるよりいいんだけど」
「………」
「そういえば聞いてくれ。この間の追試、が……、………」
「…………何」
「いや聞かないでくれ」
「聞けと言ったのはアンタじゃない」
一方的に話題をころころ変えられたとていつものことなので、普段であれば気になどしないのだが。
本人の進級がかかっている重要そうな話題を途切れさせられたら、莉鳥とてさすがに口を挟む。溜息混じりに突っ込めば、当の雅樹は何かを思い出したのか空を仰いで何故か哀愁がかっていた。
仕方なさそうに、珍しく莉鳥から別の切り口を示される。
「なら補習は?」
「補習、補習ならー、……くっ、それさえ無ければ今頃数か月分の食糧が……!」
「………」
返答になっていない返答をもらっただけだった。
なんだかんだ話をしていれば結局連れ立って帰っているわけで、いつの間にか二人で街中を歩く形となっている。
『まぁ進級は出来る。進級は』とだけ漏らした雅樹に、進級出来るなら何も問題ないじゃないと心の中で呟きながら、莉鳥は当たり前のように隣りを歩くその存在感にふと意識を向ける。
顔など見なくても声のトーンで、今どんな表情をしているのか易々と浮かぶ。他人には無い特別な関係には違いないが、しかし決して、もう寄り添うような甘い関係には戻らないのだと悟っていた。それはきっと彼も同じだろう。
―― バカだけれど変なところで敏いのよね……。
恋人になってからも、関係が壊れた今になっても、自分の精神が揺らいだ時に飄々と現れては何かしら理由をつけて傍にいる、この腐れ縁は。
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2年前の3月14日。
高校入試を終えて間もなくの頃から、気がつけば友達とそれ以上という境界線を越えて付き合い出していた雅樹と莉鳥。その二人にとって初めての、恋人としてのホワイトデー。
当然のように会う約束をすると、お返しのクッキーと部活で使うリストバンドが莉鳥に贈られた。
すると、手渡したついでとばかりに唐突に雅樹が告げる。
「俺、高校入ったら家出るわ」
「……そう。その方がいいかもね」
「少しは驚けよ」
「どうせこうなると思ってたから、驚く必要ないわ」
「椎井、お前反応薄いぞー」
「それで、住むあてはあるの?」
「猫鳴館ってとこに入ることにした」
「あの、お化け屋敷みたいなところに?」
「朝、学校に行くときにお前と一緒に登校できないのが残念だけどな」
「…………少しは早起きするように努力しなさいよ」
この時、彼と父親の関係が最悪の状態であることに、自分は薄々気付いていたのだ。
一時期から微弱な電流のような苛立ちを纏わせて、しかし自分には八つ当たりしないよう会えば取り繕った表情をしていた。
それでも日々暗く曇っていく彼の空気は、彼自身にも誤魔化しようのないものだった。
そんな雅樹から笑顔で、本来ならば唖然とするであろう話を振られても、全てを察してこのような返答になるというものである。
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―― 今思えば、あの頃から実用的な物をプレゼントしてくるところは変わらないわね。
ポケットにしまったイヤホンにそっと触れながら、過去の回想から現実へと浮上する。
「って椎井、今言ったの聞いてたか?」
「聞いてなかったわ」
「だよな。ちょっと待っててくれ。そこの店で『飲料水・ホワイトデー特割』の文字が目に入った」
気にするでも悪びれるでもなく、互いに自然な流れで会話が繰り返されて。
そそくさと買い物に行ったらしい雅樹の背を見送りながら、家に目覚まし時計が一つ余っていたことを莉鳥は思い出した。
自分より一つ上の学年となった雅樹は来年には卒業となる。実家から猫鳴館どころの距離では無くなるのだ。万が一にも、自分が手助けで起こしてやるなんてことは出来ない距離に。
目覚まし時計、元彼たる雅樹にやろう。彼が卒業するまでに……。
莉鳥は胸の内でそっと決意した。
飲料水を持てるだけカゴいっぱいに詰めてレジに並びながら、雅樹も馳せるは訪れるであろう別れの時。
―― 俺は寝子島を出る。
卒業後は本土の大学へ行くと決めている。その時が、彼女との本当の別れの時だろう、と。
莉鳥が隣りにいない世界、今はまだ想像することができないけれど……。
これから来たる変化の時を代わりに告げるように、ペットボトルの中の水が揺蕩いトプンッと一度音をたてた ――。
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蒼色クレヨン
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シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
コメディ
定員
1000人
参加キャラクター数
41人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年03月01日
参加申し込みの期限
2017年03月08日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年03月08日 11時00分
参加キャラクター一覧
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