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- 00月00日生 00歳
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【ホワイトデー】煌燦-KiraKira-ホワイトアイランド
● 動物園～Baby's breath
「今日は、まほろと、動物園……う、うれしいな」
「私も……飛吹くんと一緒にお出かけ、楽しみにしてたよ」
飛吹 勘助と遠野 まほろは、穏やかな調子でゆっくりと話す。
勘助は、昔からの親友である真っ白なアンゴラウサギのぬいぐるみ『もふもふ』と、もふもふのお友だちに、とまほろに以前プレゼントされた茶色のロップイヤーうさぎのぬいぐるみ『たれもふ』を腕の中に抱えていた。
「まほろからもらった、たれもふ……もふもふと友だちになって、仲良く、遊んでる、けど……時々、ホームシック、で、まほろに、会いたがることもあった、から、連れてきちゃった」
「よかった。もふもふのお友達になれたみたいで、嬉しいなぁ……」
たれもふは、ぬいぐるみ作りが趣味のまほろの手作りだ。
大事にして貰えていると知り――もちろん勘助ならそうするだろうと思っていたけれど――心から嬉しい。
顔を見合わせ微笑めば、ふたりの周囲はまるで霞草の花でも舞っているかのように華やいだ。
途中でマンボウくんに会って、特製白うさぎキャンディを貰う。
もふもふにそっくりなので、勘助は舐めるのが勿体なくて、掲げたり透かしたりして長いことキャンディを見つめていた。それからふと、首を傾げる。
「そういえば、ここ、白いアンゴラウサギ、いるかな？」
「いるかな？」
まほろもわずかに首を傾げる。
アンゴラウサギは、よく見かけるウサギより毛が長くもふもふしていて、シルエットがまあるい。毛の中にちんまりと顔が埋まっているように見え、とても可愛い。
勘助は腕の中の二匹を撫で、夢見心地に目を閉じる。
「ロップイヤーも、いると、いいな……たれもふの、そっくりさん」
「うん……そういえば、飛吹くんはウサギさん好きだよね？」
「え、う、うん」
「もふもふを大事にしてるからそうかなって」
まほろが口元をほころばせると、勘助は赤くなってうつむいてしまう。
長身で体つきもしっかりとした彼が、ブルートルマリン色の瞳を地面に落とす姿を、遠慮がちに訥々と言葉を紡ぐ姿を、まほろは幾度も見てきた気がする。
日常を慌ただしく生きている人なら、しゃんとしろ、と叱るかもしれない。
しかし、そんな彼だからこそ一緒にいて心安らぐのだ、とまほろは感じる。
自分ものんびりで控えめだから、彼と自分のペースは、合う気がする。
「ウサギさん、見に行こう」とまほろはのんびりと言った。「……ふれあい広場にいるよ、きっと」
◇
ふれあいコーナーにはたくさんの動物がいた。
「ウサギさんにヤギさんにヒツジさんアルパカさんにポニーさん。みんな白くてふわふわで可愛いね」
「うん……でも、アンゴラウサギ、いないね」
「いないねぇ」
いるのは、学校の飼育小屋にもいるような短毛種が主だ。
「たれもふ、みたいな、ロップイヤー、いないかな」
「んー……、あ、あの子！」
特徴的な垂れ耳を見つけ、まほろはぱっと表情を開く。
勘助とふたり、その子に近づき、そっと撫でたり、もふもふとたれもふを紹介してみたり。
「可愛いねぇ」
「う、うん」
「そういえば、バレンタインのときのチョコ、味とか大丈夫だった……？ 手作りだからあんまり上手くいってなかったかもだけど」
「だ、大丈夫」
「よかった」
落ちる視線。おだやかな沈黙。
勘助はごくりとつばを呑みこむ。
「まほろ」
「なぁに？」
「実は、まほろには、内緒に、してた、けど、」
勘助はぽつぽつと、言葉を探しながら話す。
「まほろに会う前、どうぶつさん郵便、頼んでみたんだ。もし、青いリボンのラッピングをもった、ウサギ、いたら……多分、それ」
「青い、リボン……？」
視線を上げたまほろの瞳に、青いリボンのラッピングを咥えた、真っ白なウサギが飛び込んできた。
ありがとう、と受け取って、リボンを解いてみる。
「わぁ、可愛いクッキーだねぇ」
「もふもふのクッキー、だよ」
勘助は言った。
「お菓子作り、得意じゃない、けど、頑張って、みた。喜んで、くれるかな……？」
「もちろん……！」
彼が頑張って作ってくれたクッキーが、嬉しくないわけがあろうか。
「まほろ」
深海のように閑（しず）かな声で名を呼ばれ、まほろはゆっくり彼を見上げる。
勘助はまっすぐにまほろを見つめている。
「俺ともふもふに、大切な友達を、時間を、気持ちを、ありがとう」
「うん」
「他に、たくさん、言いたいこと、あるけど、うまく言えなくて……」
「うん」
「……ちょっとだけ、ぎゅっと、しても、いい、かな？」
「……はい」
まほろはやさしくハグされた。
どんな言葉より、たくさんのことが伝わってくる。
うさぎたちが見守っている。
Baby's breath。舞い散る霞草の時間。
「今日は、まほろと、動物園……う、うれしいな」
「私も……飛吹くんと一緒にお出かけ、楽しみにしてたよ」
飛吹 勘助と遠野 まほろは、穏やかな調子でゆっくりと話す。
勘助は、昔からの親友である真っ白なアンゴラウサギのぬいぐるみ『もふもふ』と、もふもふのお友だちに、とまほろに以前プレゼントされた茶色のロップイヤーうさぎのぬいぐるみ『たれもふ』を腕の中に抱えていた。
「まほろからもらった、たれもふ……もふもふと友だちになって、仲良く、遊んでる、けど……時々、ホームシック、で、まほろに、会いたがることもあった、から、連れてきちゃった」
「よかった。もふもふのお友達になれたみたいで、嬉しいなぁ……」
たれもふは、ぬいぐるみ作りが趣味のまほろの手作りだ。
大事にして貰えていると知り――もちろん勘助ならそうするだろうと思っていたけれど――心から嬉しい。
顔を見合わせ微笑めば、ふたりの周囲はまるで霞草の花でも舞っているかのように華やいだ。
途中でマンボウくんに会って、特製白うさぎキャンディを貰う。
もふもふにそっくりなので、勘助は舐めるのが勿体なくて、掲げたり透かしたりして長いことキャンディを見つめていた。それからふと、首を傾げる。
「そういえば、ここ、白いアンゴラウサギ、いるかな？」
「いるかな？」
まほろもわずかに首を傾げる。
アンゴラウサギは、よく見かけるウサギより毛が長くもふもふしていて、シルエットがまあるい。毛の中にちんまりと顔が埋まっているように見え、とても可愛い。
勘助は腕の中の二匹を撫で、夢見心地に目を閉じる。
「ロップイヤーも、いると、いいな……たれもふの、そっくりさん」
「うん……そういえば、飛吹くんはウサギさん好きだよね？」
「え、う、うん」
「もふもふを大事にしてるからそうかなって」
まほろが口元をほころばせると、勘助は赤くなってうつむいてしまう。
長身で体つきもしっかりとした彼が、ブルートルマリン色の瞳を地面に落とす姿を、遠慮がちに訥々と言葉を紡ぐ姿を、まほろは幾度も見てきた気がする。
日常を慌ただしく生きている人なら、しゃんとしろ、と叱るかもしれない。
しかし、そんな彼だからこそ一緒にいて心安らぐのだ、とまほろは感じる。
自分ものんびりで控えめだから、彼と自分のペースは、合う気がする。
「ウサギさん、見に行こう」とまほろはのんびりと言った。「……ふれあい広場にいるよ、きっと」
◇
ふれあいコーナーにはたくさんの動物がいた。
「ウサギさんにヤギさんにヒツジさんアルパカさんにポニーさん。みんな白くてふわふわで可愛いね」
「うん……でも、アンゴラウサギ、いないね」
「いないねぇ」
いるのは、学校の飼育小屋にもいるような短毛種が主だ。
「たれもふ、みたいな、ロップイヤー、いないかな」
「んー……、あ、あの子！」
特徴的な垂れ耳を見つけ、まほろはぱっと表情を開く。
勘助とふたり、その子に近づき、そっと撫でたり、もふもふとたれもふを紹介してみたり。
「可愛いねぇ」
「う、うん」
「そういえば、バレンタインのときのチョコ、味とか大丈夫だった……？ 手作りだからあんまり上手くいってなかったかもだけど」
「だ、大丈夫」
「よかった」
落ちる視線。おだやかな沈黙。
勘助はごくりとつばを呑みこむ。
「まほろ」
「なぁに？」
「実は、まほろには、内緒に、してた、けど、」
勘助はぽつぽつと、言葉を探しながら話す。
「まほろに会う前、どうぶつさん郵便、頼んでみたんだ。もし、青いリボンのラッピングをもった、ウサギ、いたら……多分、それ」
「青い、リボン……？」
視線を上げたまほろの瞳に、青いリボンのラッピングを咥えた、真っ白なウサギが飛び込んできた。
ありがとう、と受け取って、リボンを解いてみる。
「わぁ、可愛いクッキーだねぇ」
「もふもふのクッキー、だよ」
勘助は言った。
「お菓子作り、得意じゃない、けど、頑張って、みた。喜んで、くれるかな……？」
「もちろん……！」
彼が頑張って作ってくれたクッキーが、嬉しくないわけがあろうか。
「まほろ」
深海のように閑（しず）かな声で名を呼ばれ、まほろはゆっくり彼を見上げる。
勘助はまっすぐにまほろを見つめている。
「俺ともふもふに、大切な友達を、時間を、気持ちを、ありがとう」
「うん」
「他に、たくさん、言いたいこと、あるけど、うまく言えなくて……」
「うん」
「……ちょっとだけ、ぎゅっと、しても、いい、かな？」
「……はい」
まほろはやさしくハグされた。
どんな言葉より、たくさんのことが伝わってくる。
うさぎたちが見守っている。
Baby's breath。舞い散る霞草の時間。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2017年02月25日
- 参加申し込みの期限
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- 2017年03月04日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2017年03月04日 11時00分
