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【ホワイトデー】煌燦-KiraKira-ホワイトアイランド
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● 動物園~お殿様は馬がお好き
鴉取 荘助
は19歳の高校2年生である。……いま、19歳というところに引っかかってくださった方はどのくらいいるだろうか。そう、彼は2年ほど留年している。それも、全然授業が理解できなくて赤点ばかりだったからではない。二つ年下の幼馴染の世話を焼くのが一番の生きがいで、幼馴染が入学してくるまで敢えて一年生を繰り返していたためである。
で、その幼馴染というのが彼――
小犬丸 信乃
である。
「荘助! 馬がおるというのはまことであろうな!」
振り返ると、後ろ髪の一房だけ長く伸ばした銀灰色の髪が弧を描く。
「本当ですよ信乃さん。白いポニーだそうですよ」
荘助はへらりと笑って答える。
ふたりは動物園への道を歩いていた。
思い返せば――。
毎年バレンタインもホワイトデーも荘助があげる側であった。
それはそれで幸せだったが、今年のホワイトデーはちょぉっと欲を出してもいいかなと思った彼を、いったい誰が責められよう。
荘助は目に入れても痛くないほど愛おしい信乃とのデート(荘助視点です!)を画策した。
具体的に言えば動物園に誘った。
ところが信乃はといえば鈍感もいいところ。
「動物園? もふもふは温泉でお猫様に奉仕した時に堪能したしなぁ……」
などとつれないことを言う。
したたかな荘助は、信乃のそんな反応も折り込み済み。次の一句に向けて唇を舐める。
両親を早くに亡くし祖父の手で古風な人間に育てられた信乃は、切った張ったの時代劇がお気に入りだ。殺陣や軽業で身を立てるのが夢でもある。画面の中、浜辺を走る白い馬に乗った将軍に見入る信乃を、荘助はちょくちょく目にしていた。
「今なら、動物園で、ポニーに乗れるらしいですよ」
ポニーに乗れる。これが切り札。案の定、信乃は食いついてきた。
「ポニー……? 馬か! 馬に乗れるなら行ってやってもよいぞ!」
こうしてポニーをダシにするという荘助の作戦は見事成功。彼はお出かけ(荘助的にはデート)を快諾したばかりか、荘助を置いて駆けださんばかりに興奮している。
「何をしておる荘助! 早く参ろうぞ!!」
急く気持ちのまま先を行く信乃が、また振り返り荘助を呼ぶ。
(ああ~かわいい~)
荘助は自分の口元を引き締めるのに相当な努力を払わなければならなかった。
◇
「もふもふたちが沢山だな!! 実にかわいらしい……が、馬は! 馬は何処であろう!?」
ふれあいコーナーについた信乃は、さっそくあたりをきょろきょろ見回す。
すると、羊たちに交じって優雅に歩く白いポニーを発見した。
「見ろ荘助! 小さいながらもしっかりと馬だ!!」
「はい」
「触ってみてもよいだろうか」
信乃の疑問に答えたのは、ふれあいコーナーのスタッフさんだ。
「はい、大丈夫ですよ。馬は敏感な動物ですから、そっと触ってあげてくださいね」
「う、うむ」
信乃はごくりと喉を鳴らす。
黒真珠のようなつぶらな瞳に敬意を覚え、おずおずと小さく会釈する。
ポニーはふるると頭をひと振り、鼻を鳴らすと、耳を立てて信乃を見た。
そっと手を伸ばし、どしりとした背中に触れる。
「おお実によき毛並み。しっかりと世話されておるのだなぁ」
その通り、とばかりにポニーはまた鼻を鳴らす。
「そうか。大事に手入れされるのは存外心地よいものであるしなぁ。ここのお馬殿は幸せ者であるな!」
信乃の言葉に、スタッフさんが嬉しそうに笑う。
「乗ってみますか?」
「可能か!? ぜひそうしてみたいと思っておったのだ!」
スタッフさんの手を借りて、信乃は白いポニーの背に跨った。ポニーは人慣れしているようで、信乃が姿勢を安定させるまで、じっと動かず待っていた。信乃は白馬に跨る将軍様を思い描いて背筋を伸ばす。あそこまでの威厳はないが、まあまあ様になったように思う。
「おお……おお! 馬の背と言うのは思ったより高いぞ。遠くまでよく見えるものだ! あちらはサル山か。むこうの木の陰にキリンの頭も見えるぞ」
視界の変化に、信乃はすっかり興奮する。
「お馬殿! 重くはなかろうか?」
大丈夫ですよ、とスタッフさんが答える。
「では歩いてみますねー」
馬が一足歩くたび、馬の背に乗る信乃の、ひと房長い後ろ髪が、尻尾みたいに左右に揺れる。
(ああ~目を輝かせてる信乃さんはかわいいなぁ)
荘助はうっすら眦を下げる。
(落ち着きなく跳ねてる尻尾がたまんない)
信乃が荘助に手を振った。荘助はカメラを掲げて、へらっと笑う。
「信乃さん、写真とってあげましょうか」
「ありがたい、お馬殿もきっちりおさめるのだぞ!」
そういうと、信乃はカメラに向かってピースした。
その笑顔のなんと眩しいこと! 荘助がもっとウブだったら、鼻血を吹いていたところだ。
「しゃしんを撮るときはこれが正しきぽーずだと聞いたからな!」
信乃の尊大な物言いが、またなんともたまらない。
荘助はものすごい勢いでパシャパシャパシャと連写した。
(うわ~~可愛すぎる! 満面の笑みでピースは反則だって!)
と、突如信乃の姿がフレームアウト。
見れば、別のポニーが、信乃の後ろ髪を遊び半分に引っ張っているではないか。
きっと、信乃の尻尾のぴょこぴょこ弾むのが面白くて気になってしまったのだろう。
「うおお!? それは食べ物でもおもちゃでもありませぬぞ!」
信乃は慌てて髪を押さえる。すると。
(――ああん? 俺の信乃に、なに手付けてんだ畜生が!)
信乃の死角、荘助の紅の瞳から放たれた鋭い眼光が、ウィリアム・テルの矢もかくやという勢いで空を切り割き、いたずらしているポニーを射抜く。
ポニーはぎょっとした顏で身震いし、咥えていた信乃の後ろ髪を離した。
「ん? 意外にもすっと離れていった気が……何かあったのだろうか?」
信乃は、荘助がポニーを威圧したことに気づいていない。
こうして信乃は日々守られているのである――たぶん。
◇
ポニーの乗馬を楽しんだ後、ふたりはうさぎや羊、アルパカたちにも野菜をあげた。
じつはこれも荘助の作戦。どうぶつさん郵便の準備ができるまでの時間稼ぎである。
動物たちと戯れていると、さきほどの白いポニーが、大きな青い包みを背に乗せやってきた。
「おおお!? 馬が荷物を持ってやってきたぞ荘助!!」
「そうですね。どうやら、信乃さんにプレゼントみたいですよ」
知らぬふりで荘助は答える。
「なんと! 実に賢い生き物だな! 流石だ!」
信乃はポニーからプレゼントを受け取った。うずうず、と逸る気持ちでリボンを解き、包みを開けると、中から出てきたのはふわふわの動物きぐるみパジャマであった。
「文もついておる! なになに……?」
――信乃さんへ
これを着て、あったかく寝てね。
馬より
読みあげて、信乃はパジャマを抱きしめた。これは思わぬプレゼントだ。とてもうれしい。
青い瞳をきらきらさせて、ポニーと荘助を交互に見遣る。
「お馬殿からの贈り物なのか……!」
「良かったですね」
「うむ! ありがたく頂戴しよう」
信乃はポニーの鼻面を優しく撫でて礼を言った。
それから胸に抱いたパジャマに顔を埋める。
(ん……?)
ちらり横目で荘助を見る。彼は相変わらず飄々とした様子だ。
だが、信乃は気づいた。鼻腔を擽る嗅ぎなれた匂いに。
(お馬殿の贈り物から荘助の匂いがするのは……)
成る程合点。
あとで荘助にも礼を言わねばならんな、と信乃はこっそり思うのであった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
定員
1000人
参加キャラクター数
42人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年02月25日
参加申し込みの期限
2017年03月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年03月04日 11時00分
参加キャラクター一覧
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