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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
【ホワイトデー】煌燦-KiraKira-ホワイトアイランド
● 寝子ヶ浜海浜公園～白の世界
太陽が海の向こうに沈み、寝子ヶ浜海浜公園を埋め尽くすほどの白いバルーンに、灯りが灯る。
砂浜に設置された特設ステージでは、いくつものミラーボールによる光と反射によって、ちらちらと細かい光が舞い、まるで深海をゆく潜水艦のライトに照らし出されたマリンスノーのような演出がなされている。
観客たちには白のドレスコードが課され、白い帽子や白いコートに身を包んだ人々が、思い思いに夜闇と白い光が作り出すファンタジックな空間を楽しんでいた。
ホワイトデーのデートとして無事に千歳飴 楓子を誘うことができた立花 なつは、水族館から海鮮丼屋での腹ごしらえを経て、海浜公園へと向かっていた。
「海鮮丼美味しかったな」
楓子はたいそうご満悦な様子。
「ネタがどれも新鮮で輝いていた……中でも脂ののった鮪が舌の上でとけていく感覚はまさに極上……。良い店だった」
「おいしかったね～。だけど水族館のデートの後でお魚が食べたいなんて言われたの初めてだよ～」
「む？ そうか？ どの魚も美味そうだったではないか。水族館で悠々と泳ぐ魚達を見てからお腹が悲鳴をあげて仕方なかったんだ」
「そっか～。俺はふつうに魚可愛いなーと思ったけど……でも楓子ちゃんのそんなところも好き」
なつは可憐な花のように微笑み、ついでに語尾にハートマークがつく。
ところが楓子のつれないこと、海浜公園を彩る白いバルーンからクラゲを連想し、じゅるり。
「あの幻想的なクラゲ達も一度食べてみたいものだ……」
「え？ クラゲも食べたいの？」
「今度はクラゲ料理を出す店に連れて行ってくれ」
「う～ん……？ クラゲ料理のお店かあ……あるかなあ～……？」
「あるだろう。あの七色のクラゲは甘い味がしそうだったし」
「楓子ちゃん、ピンクとか紫とかはライトの色だよ」
「え？ そうか……」
さも残念そうに肩を落とす楓子に、なつはこれから行くイベントでは白のドレスコードがあることを伝える。
「ドレスコードって言っても、白い小物とかでもいいらしいよ～」
「白い服なんて学校の体操着しか無いが……」
相変わらず気のない返事だが、いまさらそんなことにくじけるなつではない。
「あ、それなら俺のマフラー貸してあげる。俺、コートの中、白だし」
自分のマフラーを楓子の首に巻いてやり、ベージュのチェスターコートの前を開ける。これでふたりともドレスコードを守ることができる。
「よし、これで大丈夫！ さ、行こ～」
手を繋ごうとなつから差し出された手を取り、楓子はなつの隣を歩く。
マフラーに手をやる。首元が温かい。ということは、マフラーを渡してしまったなつは？
「なつ氏は寒くないのか？」
「全然平気」
「ならばありがたくお借りしよう」
人が多い。
つないだ手は冷たい。
そんなところも楓子らしくて好きだ、となつは思った。
あまりの人の多さに、白ネクタイを締めた神嶋 征一郎は、一緒に来た結城 日和の白いリボンを見失いそうになり、咄嗟に彼女の腕を掴み、自分の傍に引き寄せる。
「こっちにいろ」
「あ、うん」
日和は征一郎とはぐれないよう、彼のジャケットの袖を、控えめに親指と人差し指で摘まんだ。
ステージでは演奏の準備が行われている。
「今日は聴く側だね。ちょっと演奏したくてそわそわするけどね！」
「そわそわしすぎてはぐれるなよ」
「はい」
まもなく、ステージが暗くなった。
スポットライトが当たり、本日のドレスコードである白のブラウスに、ピンク系のチェックのリボンやお花やポップな缶バッチで衣装を飾った可愛らしいアイドルが登場する。
アイドルはステージの真ん中に立ち、アカペラで、曲の冒頭だけ歌った。
♪ひとがひとをすきなことに
理由なんていらないだろう
キミがすぐそばにいるのなら
ボクはもう満たされるから♪
「みなさんこんばんはー！ 「CitrusCat's」の『末明（ほのか）せれね』です！」
ステージ上のせれねは、右手を庇のように目の上に当て、ぐるり会場を見回してＭＣ。
「えー、ホワイトデーってことで、カップルさんが多そうですねー。カップルさんでもそうじゃなくても、今日は白い恋人達の日。あたしはまぁ、ほら、特に実りがあるとかでもないし？ みんなの盛り上がり、幸せを眺めていられたらなって思うのですよ。それで出来ることと言ったら、歌なわけじゃないですか？ 愛を振りまくなら、任せろー。なわけですよ？」
だから歌います、聞いてください、とせれねは胸の前にマイクを持ち、両手でしっかり握りしめた。
太陽が海の向こうに沈み、寝子ヶ浜海浜公園を埋め尽くすほどの白いバルーンに、灯りが灯る。
砂浜に設置された特設ステージでは、いくつものミラーボールによる光と反射によって、ちらちらと細かい光が舞い、まるで深海をゆく潜水艦のライトに照らし出されたマリンスノーのような演出がなされている。
観客たちには白のドレスコードが課され、白い帽子や白いコートに身を包んだ人々が、思い思いに夜闇と白い光が作り出すファンタジックな空間を楽しんでいた。
ホワイトデーのデートとして無事に千歳飴 楓子を誘うことができた立花 なつは、水族館から海鮮丼屋での腹ごしらえを経て、海浜公園へと向かっていた。
「海鮮丼美味しかったな」
楓子はたいそうご満悦な様子。
「ネタがどれも新鮮で輝いていた……中でも脂ののった鮪が舌の上でとけていく感覚はまさに極上……。良い店だった」
「おいしかったね～。だけど水族館のデートの後でお魚が食べたいなんて言われたの初めてだよ～」
「む？ そうか？ どの魚も美味そうだったではないか。水族館で悠々と泳ぐ魚達を見てからお腹が悲鳴をあげて仕方なかったんだ」
「そっか～。俺はふつうに魚可愛いなーと思ったけど……でも楓子ちゃんのそんなところも好き」
なつは可憐な花のように微笑み、ついでに語尾にハートマークがつく。
ところが楓子のつれないこと、海浜公園を彩る白いバルーンからクラゲを連想し、じゅるり。
「あの幻想的なクラゲ達も一度食べてみたいものだ……」
「え？ クラゲも食べたいの？」
「今度はクラゲ料理を出す店に連れて行ってくれ」
「う～ん……？ クラゲ料理のお店かあ……あるかなあ～……？」
「あるだろう。あの七色のクラゲは甘い味がしそうだったし」
「楓子ちゃん、ピンクとか紫とかはライトの色だよ」
「え？ そうか……」
さも残念そうに肩を落とす楓子に、なつはこれから行くイベントでは白のドレスコードがあることを伝える。
「ドレスコードって言っても、白い小物とかでもいいらしいよ～」
「白い服なんて学校の体操着しか無いが……」
相変わらず気のない返事だが、いまさらそんなことにくじけるなつではない。
「あ、それなら俺のマフラー貸してあげる。俺、コートの中、白だし」
自分のマフラーを楓子の首に巻いてやり、ベージュのチェスターコートの前を開ける。これでふたりともドレスコードを守ることができる。
「よし、これで大丈夫！ さ、行こ～」
手を繋ごうとなつから差し出された手を取り、楓子はなつの隣を歩く。
マフラーに手をやる。首元が温かい。ということは、マフラーを渡してしまったなつは？
「なつ氏は寒くないのか？」
「全然平気」
「ならばありがたくお借りしよう」
人が多い。
つないだ手は冷たい。
そんなところも楓子らしくて好きだ、となつは思った。
あまりの人の多さに、白ネクタイを締めた神嶋 征一郎は、一緒に来た結城 日和の白いリボンを見失いそうになり、咄嗟に彼女の腕を掴み、自分の傍に引き寄せる。
「こっちにいろ」
「あ、うん」
日和は征一郎とはぐれないよう、彼のジャケットの袖を、控えめに親指と人差し指で摘まんだ。
ステージでは演奏の準備が行われている。
「今日は聴く側だね。ちょっと演奏したくてそわそわするけどね！」
「そわそわしすぎてはぐれるなよ」
「はい」
まもなく、ステージが暗くなった。
スポットライトが当たり、本日のドレスコードである白のブラウスに、ピンク系のチェックのリボンやお花やポップな缶バッチで衣装を飾った可愛らしいアイドルが登場する。
アイドルはステージの真ん中に立ち、アカペラで、曲の冒頭だけ歌った。
理由なんていらないだろう
キミがすぐそばにいるのなら
ボクはもう満たされるから♪
「みなさんこんばんはー！ 「CitrusCat's」の『末明（ほのか）せれね』です！」
ステージ上のせれねは、右手を庇のように目の上に当て、ぐるり会場を見回してＭＣ。
「えー、ホワイトデーってことで、カップルさんが多そうですねー。カップルさんでもそうじゃなくても、今日は白い恋人達の日。あたしはまぁ、ほら、特に実りがあるとかでもないし？ みんなの盛り上がり、幸せを眺めていられたらなって思うのですよ。それで出来ることと言ったら、歌なわけじゃないですか？ 愛を振りまくなら、任せろー。なわけですよ？」
だから歌います、聞いてください、とせれねは胸の前にマイクを持ち、両手でしっかり握りしめた。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2017年02月25日
- 参加申し込みの期限
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- 2017年03月04日 11時00分
- アクション投稿の期限
-
- 2017年03月04日 11時00分
